「64 ロクヨン 前編」 ★★☆~映画一本で足りないならTVドラマでやってくれ | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



映画一本で足りないならTVドラマでやってくれ

★★☆

64 ロクヨン 前編

(C)2016 映画「64」製作委員会




(2016年/日本/121分)

【 脚本・監督 】
瀬々敬久

【 原作 】
横山秀夫


【 出演 】
佐藤浩市
綾野剛
榮倉奈々
夏川結衣
窪田正孝
坂口健太郎
筒井道隆
鶴田真由
赤井英和
菅田俊
烏丸せつこ
小澤征悦
金井勇太
芳根京子
菅原大吉
椎名桔平
滝藤賢一
奥田瑛二
仲村トオル
吉岡秀隆
瑛太
永瀬正敏
三浦友和
宇野祥平
菜葉菜
三浦誠己
嶋田久作
小橋めぐみ




【あらすじ】

 7日間で幕を閉じた昭和64年に少女誘拐殺人事件、通称“ロクヨン”が発生、少女は殺され犯人は捕まらないまま未解決で14年が過ぎた。
 平成14年。かつてロクヨンの捜査にあたった刑事・三上義信は、現在は警務部広報官の地位にいたが、日夜繰り広げられる記者クラブとの攻防に辟易していた。
 そんな中、時効1年に迫ったロクヨン捜査の激励の為に警視総監が訪れることになるが、三上はロクヨン捜査にあたった刑事たちの意外な現状を知り、再びロクヨンの真相に迫っていく―


【コメント】

 さてGW休暇も終わり、またいつもの忙しない日々に舞い戻ってきたわけですが、その現実に戻る前にいつものレイトショーで景気づけだとばかりに観に行ったのが本作。
 本作は、作家・横山秀夫のベストセラーとなった警察小説ということですが、もちろん未読の状態で観てまいりました。しかも前後編という昨今の邦画お得意の編成で、どうせ前編だけ観たって何も解決しねーんだろと思いつつも「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。


64 ロクヨン 前編

(C)2016 映画「64」製作委員会



分かっていたけど、やっぱり何も進展しない“捨て映画”の前編

 はい、思ったとおり。前後編での公開というだけで分かってはいましたが、前編だけ観ても何も解決しない、非常にフラストレーションが残る映画でしたね。
 ベストセラーだけに練りに練ったストーリーは社会派で濃密、役者も一流を揃えたまさに鉄壁の布陣による見応えある社会派ミステリー映画に仕上がっていると思います。これはもう後編を観ないわけにはいかない気持ちにさえなります。
 僕が納得いかないのはストーリーでも役者でもなく、インターバルを置いた前後編での劇場公開というやり口。最大の謎を残したまま警察と新聞記者とのいざこざでお茶を濁し、結局泣き落としでうやむやに終わってしまう前編は完全に“捨て映画”となってしまっていますね。


“前後編公開”という新たな集金回収システム

 本ブログでも僕は何度か書いているんですが、前後編だろうが3部作だろうが、そのパーツとなるそれぞれの映画も1本の作品として独立してしかるべきだと思っています。せっかく1800円ものお金を払って観るわけですから、誰でも中途半端な映画は観たくないはず。「スター・ウォーズ」シリーズや「マトリックス」シリーズ、「アベンジャーズ」なんか、ひとつの世界観として繋がっていますが、その1本1本は独立していて十分に楽しめるものです。本作から聞こえるのは「スッキリしたければ、また1800円払って後編観てください」という集金意欲丸出しの下心で、観客をバカにしているとしか到底思えない。
 これは何も本作に限らず、昨今の前後編公開という新たな集金回収システムを築きつつある邦画界に対する不満です。


映画一本で足りないならTVドラマでやってくれ

 そもそも、本作のような濃密な社会派ものならば、3時間かかろう4時間かかろうが映画一本で収めるべきだと思うんです。
 本作の内容はいろんなエピソードが複雑に絡んだ濃密な物語なので、多少長尺であっても十分に腰を据えて観られる作品だと思います。原作の内容をどうしても時間内に収められないのならば、何かをバッサリカットするしかないんです。それも嫌だというならば、もう連続TVドラマとして1クールくらい放送するしかありませんね。
 ちなみに、本作はNHKでピエール瀧主演で既にドラマとして放送済み、DVDも発売されています。日曜9時の連続ドラマでやったほうが良かったんじゃないTBSさん。


佐藤浩市の独断場

 文句ばっかりになっちゃうので、ひとつ役者のほうを。
 俳優陣についてはもはや文句のつけようがないくらいの豪華・盤石な布陣で、特に佐藤浩市の演技が光る、まさに佐藤浩市の独断場といってもいいでしょう。でずっぱりです。
 椎名桔平、仲村トオル、奥田瑛二、吉岡秀隆 、永瀬正敏、三浦友和といった超ベテラン勢の存在感もさることながら、瑛太、綾野剛、榮倉奈々、窪田正孝、坂口健太郎といった若手たちの演技もしっかりしていて、さらに見応えをアップさせている。これほどの豪華キャストはそうそうありませんね。
 とにかく役者陣は申し分ない、まさに作品をそれぞれが支えた演技をしている部分は素晴らしいの一言です。


でも、なんだかんだで観に行っちゃう後編は6/11公開

 というわけで、映画の内容よりも前後編というシステムに不満爆発してしまった僕ですが、なんだかんだ文句言っても本作の後編は観に行っちゃうでしょう。だって気になるもん、どういう解決になるのか。術中にハマってます、僕。
 ということで、後編の公開は6/11です。スッキリしない人は観に行きましょう。


64 ロクヨン 前編

(C)2016 映画「64」製作委員会



【2016年度 Myランキング】(5/7時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 東京は半袖いけますな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ★★★★
  2位:オデッセイ ★★★★
  3位:アイ アム ア ヒーロー ★★★★
  4位:マジカル・ガール ★★★★
  5位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  6位:ボーダーライン ★★★☆
  7位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  8位:スポットライト 世紀のスクープ ★★★☆
  9位:ズートピア ★★★☆
 10位:ちはやふる -上の句- ★★★☆
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
  2位:X-ミッション ★★☆
  3位:信長協奏曲 ★★☆


<その他ランク外一覧>
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