「ボーダーライン」 ★★★☆~緊張感がハンパない犯罪映画の佳作 | そんなことより恋をしろ

そんなことより恋をしろ

『映画を観るよりもお前は恋をしろ恋を』
…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



緊張感がハンパない犯罪映画の佳作

★★★☆

ボーダーライン

(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.




(2015年/アメリカ/121分/Sicario)

【 監督 】
ドゥニ・ビルヌーブ

【 出演 】
エミリー・ブラント
ベニチオ・デル・トロ
ジョシュ・ブローリン
ビクター・ガーバー
ジョン・バーンサル
ダニエル・カルーヤ
ジェフリー・ドノバン




【あらすじ】

 FBIの誘拐即応班の女捜査官ケイトは、アメリカを蝕むメキシコ麻薬組織“ソノラ・カルテル”壊滅のために特別捜査官マットにスカウトされる。
 アメリカとメキシコの国境に着いたケイトは、アレハンドロという寡黙な男をはじめとしたチームと行動することになるが、目的も分からず動きさえも掴めない通常では考えられないような任務であった。
 そしてケイトは、この作戦で麻薬組織の玄奘を目の当たりにする―


【コメント】

 『灼熱の魂』『プリズナーズ』『複製された男』と、次世代を担う才能あるドゥニ・ビルヌーブ監督の最新作とあって、これはもう絶対に観に行こうと思っていた本作。この人は本当に凄い。
 題材が一般的ではないのか上映館数はとても控えめですが、運良く近所で公開されているようなので、さっそく「MOVIX昭島」まで足を運んだ次第です。


ボーダーライン

(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.



緊張感がハンパない犯罪映画の佳作

 いやースゲーの観ちゃったなー。全編に張りつめた緊張感がハンパない、犯罪映画の佳作と言えるでしょう。
 アメリカが抱える、いや昨今では日本でもなにかとニュースを騒がせている麻薬にかかる、その麻薬組織の実態を浮き彫りにした、いわば実録犯罪映画なんですが、とにかくオープニングから緊張感が張りつめていて、のっけから一気に画面に釘付けになる。そして、それがラストまで続くので、これからどうなるのか、最後一体どんなことになるのかと目を離せないサスペンスフルな凄い映画です。
 とはいえ、主人公の女捜査官が麻薬組織に単身立ち向かうとか、ラスボスを退治してスッキリ爽快なんてエンタメ展開は皆無で、麻薬組織の現状をまざまざと見せつけられるダークでリアリティを追究したものになってますね。決してスッキリする作品ではないでしょう。


「その善悪に境界<ボーダー>はあるのか」

 本作の宣伝文句「その善悪に境界<ボーダー>はあるのか」が言うとおり、クライマックスのオチにはまさにそんな展開が待ち構えています。
 復讐に命を燃やす元検察官アレハンドロ、麻薬の流通をも掌握したい大国アメリカの暗部、そして麻薬撲滅に命を懸けた正義感を持った女捜査官が見た麻薬社会の現状、いったい善はどこにあるのか、どこまでが悪なのか、まさに宣伝文句のとおりです。
 今回の配給会社のコピーは、本作を象徴したよく出来た文句だったと思いますね。


クライマックスとラストがちょっと尻すぼみ・・・

 とはいえ、僕の最終的な感想はあと一歩といったところ。
 目を離せない展開や張りつめた空気感は凄いし、印象的なシーンも数多い。しかしながら、空気が張りつめすぎたのか、肝心のクライマックスとラストがちょいと尻すぼみだった気がします。派手なアクションがあるわけでもなく、CIAのネタばらしや復讐もあっさりし過ぎ。
 もちろん、それを期待する作品ではないことは重々承知ですが、そこはもうひと盛り上がり欲しかったところです。


世界を蝕む麻薬社会の現状

 本作がどこまでリアルなのかは定かではありませんが、少なくともかなりの調査・取材を経て作ってあることは間違いありません。本作で登場するメキシコ国境の街は事実に近いんだと思います。
 平和な日本で、何不自由なく暮らしている我々からしてみれば信じられないかもしれませんが、世界にはあんな街あんな国が実際に存在するのは事実です。日本がいかに住みやすく平和であるか、本作を観れば身に染みて感じることでしょう。


ドゥニ・ビルヌーブ監督の次回作は『ブレードランナー』続編

 本作をはじめ、常に質の高い映画を作り続けているドゥニ・ビルヌーブ監督ですが、現在、なんとあのSF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編に取り組んでいる模様です。

ハリソン・フォード出演!『ブレードランナー』続編は7月クランクイン!
http://www.cinematoday.jp/page/N0079869

 なんせあの『ブレードランナー』ですからね、続編の監督はかなりプレッシャーでしょう。しかし、この監督ならきっとファンをも唸らせる続編を作ってくれるに違いない。僕はそう信じています。


ボーダーライン

(C)2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.



【2016年度 Myランキング】(4/9時点)

 本作は、本年度のベスト10中4位(暫定)にランクイン。
 小汗かく。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:オデッセイ ★★★★
  2位:マジカル・ガール ★★★★
  3位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  4位:ボーダーライン ★★★☆
  5位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  6位:ちはやふる -上の句- ★★★☆
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
  2位:X-ミッション ★★☆
  3位:信長協奏曲 ★★☆


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘いスティーブ・ジョブズドラゴン・ブレイドゾンビスクール!珍遊記パラドクスザ・ブリザード僕だけがいない街デッド・オア・リベンジバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生インシディアス 序章あやしい彼女






『ボーダーライン』公式サイトはこちら




にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


映画 ブログランキングへ