専門試験でズッコケしないための方法 ~確実な知識を増やせ~
かねてからこの時期になると目がかゆくなっていました。毎年,「きっと大丈夫・・・」と自分で自分に言い聞かせてやりすごしていたのですが,今年,目の粘膜が腫れ上がりくしゃみも止まらないので,ついに病院に行きました。結果,重度の花粉症でした。
さて,本日は,前回に引き続いて試験の総合戦略のお話です。
公務員試験は席次は大して関係ないので,とにかく最終合格することが目標になるはずです。その上で,最終合格するために必要なこととして,前回は教養試験でズッコケしないための方法でしたが,今回は専門試験でズッコケしないための方法です。
専門試験は,教養試験と異なり,試験当日に注意すべきことは少ないです。一方で,試験日までにやっておきたいことがいくつかあるのでそちらをお伝えします。
⑴ 専門試験はいかにカスタマイズするかで決まる!
〇 試験種ごとの問題数・解答時間
ご存じの通り,専門試験の解答数や解答時間は,試験種によって異なります。ここで改めて確認しておきましょう。
・国家一般職
40問 180分 (@4.5m)
・国税専門官,財務専門官,労働基準監督官
40問 140分 (@3.5m)
・裁判所一般職
30問 90分 (@3m)
・特別区
40問 90分 (@2.25m)
・東京都
3題 120分 (@40m)
※択一ではなく記述
・地方上級(全国型)
40問 120分 (@3m)
〇 1問あたりの解答時間
上記の試験種について,解答時間が短い順に並び変えると以下のようになります。
特別区 @2.25m
裁判所一般職 @3m
地上・全国型 @3m
国税専門官 @3.5m
国家一般職 @4m
東京都 @40m
そして,以上の1問あたりの解答時間は,問題の難易度に比例していると思ってください。時間が長くなるにつれて,問題文の分量が増え,正誤判断のポイントが複雑かつわかりにくくなります。
〇 具体例:特別区・国家一般職の難易度
例えば,特別区は,特別区の問題パターンというものがあり,例年,それにならった問題が出題されています。そのため,特別区では「ここの過去問を解いておけば瞬殺できる」という問題が多いため,一問あたりの時間が少なくても対応できることになります。
一方,国家一般職は,解答時間は長いものの,単純な過去問の刷り直しというのは少ないです。あわせて,経済科目や法律科目では,かつて国家総合職で出題した問題について若干シンプルにした上で国家一般職にて問うこともあります。
また,近年,難易度が上がっている科目が,政治学です。政治学は,最近までめちゃくちゃ難易度が低くコスパのよい科目でしたが,近年は,単に学者名×著書×主張内容を覚えているだけではない対応できない問題も出題されています。
〇 試験種ごとに力の入れどころを変えろ!
結局,専門試験は,試験種ごとに内容・対策方法ともに大きく異なることになります。予備校に通われていて講師や合格者(チューター)に相談できる人はそちらにお話ししてみてください。一方,独学で勉強している人は,自分で受験先に合わせた対策をする必要があります。
つまり,専門試験では,試験種ごとに力の入れどころを変えること(自分なりにカスタマイズすること)が非常に大切になるのです。
⑵ 試験種ごとの対策を進める上で心がけること
〇 その試験種でしか出ない科目も必ず対策せよ!
最初に試験種ごとの対策を進める上で心がけていただきたいことは,「特定の試験種でしか出題されない科目でも,必ず対策せよ!」ということです。
~以下,例年4月過ぎのあるある~
受験生A 「労働法って地上でしか出ないんですけど,捨てていいですか?」
受験生B 「国税受けるんですけど,会計学捨てていいですか?」
これらの質問は,嘘偽りなく毎年聞かれています。実際,4月を過ぎて直前期になると既存の科目だけで手一杯となり,取り組むべき対象を減らしたくなる気持ちはわかります。
しかし,マイナー科目はいくら忙しくても絶対に手を付けるべきです。理由は2つあります。
〇 手を出すべき理由① マイナー科目は量が少ないから
まず,特定の試験種でしか出題されないいわゆるマイナー科目は,全範囲を学習したとしても大した量にはなりません。試しに書店にて労働法や刑法の対策本を手に取られてみると良いですが,民法や行政法に比べると格段に量が少ないのがお分かりになると思います。
〇 手を出すべき理由② 時間がなければ頻出論点のみでもいいから
また,マイナー科目は全試験種で出るわけではないため,対策自体はいい加減でも構いません。いいかえれば,マイナー科目は頻出論点だけやっていただいても大丈夫です。
そして,Aという科目について全範囲を仕上げるのと,Bという科目の頻出論点のみを仕上げるのとでは全く労力が異なります。言わずもがな,後者のほうが断然楽です。
以上2つの理由から,マイナー科目であっても受験先で出題される限り絶対に手を出すことをおすすめします。
〇 どの試験種ではどの単元が頻出なのかを知れ!
話を元に戻しましょう。次に試験種ごとの対策を進める上で心がけていただきたいことは,「どの試験種ではどの単元が頻出なのかを知れ!」ということです。
専門科目と一口に言っても,その学習内容は広範です。ここから「複数の試験種で出題されるから全部をくまなく対策しないと・・・」と思ってやみくもに対策するのはおすすめしません。なぜならば,前述したように特別区ならば特別区のパターンが,国家一般職ならば国家一般職のパターンがあるからです。
過度に神経質になる必要はありませんが,本番が近づくにつれて「特別区の試験の前にはここを復習しよう」とか「国家一般職のときはここにしよう」とかヤマを張れるようになりましょう。
そうすると,本番でも知識を引き出しやすく,また仮に付け焼刃の知識であっても十分使えるようになるのです。
〇 専門試験でズッコケしないための方法(まとめ)
⑶ まとめ
今回は,公務員試験の総合戦略について,特に専門試験全体で注意して欲しいことをお伝えしました。
ところで,インターネットには情報が溢れており公務員試験の合格者の口コミやサイトもあります。これらには有益なものが多いですが,中には体に毒になる情報もあります。
公務員試験は受験生が多いため,一部特殊な人,例えば「国税の試験を会計学抜きで合格した人」とか「英文を完全に捨てて合格した人」もいます。彼らを否定こそしませんが,受験は,最も合格する確率の高い方法で対策されるべきではないでしょうか。皆さんが特殊な事例に踊らされずに地に足を付けた対策を進められることを祈っています。以上!
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