ダメな書き方 1つの文章が長すぎ問題
今回は,「小論文のダメな書き方」の文章表現能力編です。
文章表現に関しては,文章構成と併せて伝えたいことが山ほどあります。というのも,小論文を書くのは公務員試験が初めてという方が多く,知らないテクニックが多いはずだからです。
今回の記事では,とりわけ多くの公務員受験生が陥りがちな「文章がなげぇ!(ノブ)」「文意が取れず頭がおかしくなりそうじゃ!(採点官ノブ)」という問題についてお伝えします。
⑴ 一文が長くなる要因
① 事前の構成メモを取っていない
一文が長くなる要因として,書く前に構成メモを作っていないことが挙げられます。構成メモとは,設問に従ってそのテーマないし社会問題について「何をキーワードにするか」「具体例で何を書くか」をまとめたものを言います。
このメモがなければ,場当たり的に文章を書くことになります。その結果,言いたいことをまとめられずに文章に矛盾が生じ,論理性が減点されます。
② 一文一意を徹底できていない
一文一意を徹底できていない答案は,小論文対策を始めたばかりの場合や施策提案型以外の論文を書く場合に多く見受けられます。
前者は,そもそも一文が長いだけではなく,「自分が何を書けばいいのか」すらも曖昧な人が多いです。千鳥足で書いているので,一文が取っ散らかるのも仕方がありません。
一方,後者は,論文対策をそれなりに進めた人でも陥ってしまいがちです。施策提案型以外の型には,志望動機型,抽象課題型などがあります。いずれも,裁判所一般職及び地方公務員の一部にてよく出題されるタイプです。
こういった施策提案型以外の論文は,誰でも一文が長くなりがちです。
理由として,自分の経験・価値観を述べるのでアイディアは浮かびやすいが書くことをまとめづらいこと,何を書くべきか構成を想定しづらいこと,社会事情とのバランスが難しいことなどが挙げられます。
⑵ 減点を避けるための対策方法
① 構成メモを取れ!
上記の通り,一文をごちゃごちゃにしないためには書くことをまとめることが必要です。その上で最も直截的な方法は,構成メモを取ることです。
メモの作成にかける時間は,5分が目安です。
施策提案型の論文ならば,課題→解決策を簡単に書き留めます。一方,施策提案型以外,例えば,志望動機型の論文ならば,自らの経験→行政機関との接点→具体的にやりたい仕事を書き留めましょう。
② 形容詞・副詞といった言葉の修飾語を省け!
形容詞や副詞を書かないだけで,文章は明確になります。
このことは面接カードを書くときにも言えます。そもそも文章は事実ベースで書いた方が読み手に伝わりやすく,またその方が自身の脳内メモリを浪費せずに済みます。
仮に,「形容詞や副詞を書かないと文意を正確に伝えられない!」という方は,ボキャブラリーが足りない可能性があります。論文対策本を読んで,論文の言い回しを覚えましょう。
③ 文章を繋げるな!
文章をぶった切るのも,一文を短くするうえで有効です。
小論文対策を始めたばかりの人は,「短文すぎるかも」と不安になるくらい細切れにしてください。大抵の場合,そのくらい短くした方が読み手に伝わります。
⑶ 添削例
〇 添削例A
NG「行政内部の抜本的なデジタル化を図るためには,やはり,煩雑さを極める決済システムの見直しが欠かせない。」
↓
NG「行政内部の抜本的なデジタル化を図るためには,やはり,煩雑さを極める決済システムの見直しが欠かせない。」
↓添削後
OK「行政内部のデジタル化を推進するためには,決済システムの是正が欠かせない。」
〇 添削例B
NG「処理事務を簡素化する上で,申請手続きをデジタル申請に一本化するためには,デジタルによる申請方法に関するセミナーを実施することも必要だが,その一方で,そもそもの基盤整備としてマイナンバーカードを普及させていくことも大切となる。」
↓
NG「処理事務を簡素化する上で,申請手続きをデジタル申請に一本化するためには,デジタルによる申請方法に関するセミナーを実施することも必要だが,その一方で,そもそもの基盤整備としてマイナンバーカードを普及させていくことも大切となる。」
↓添削後
OK「1つ目は,オンライン申請の推進である。第一に,オンラインでの申請方法についてセミナーや市役所HPでの広報を通して周知していく必要がある。併せて,マイナンバーカードの普及に取り組むことも欠かせない。」
参考記事:公務員試験 小論文添削サービスのご案内
⑷ まとめ
今回は,一文を短くするためのテクニックを3つご紹介しました。
簡潔明瞭な文章を書き,論旨を採点官の脳内に直接お届けしましょう。以上!