TOPIC:序論で議論の土台を作れッ!
小論文の添削をしていると,序論が書かれていない答案を見かけます。確かに,論文試験の設問文には,「このテーマについて,序論,本論,結論という順番で書きなさい」という指示が書かかれていません。しかし,序論は絶対に書くべきです。
今回の記事を読んで,序論の書き方のコツをしっかり掴みましょう。
⑴ 序論って必要なの?
⑵ 序論で書くべき文字数
受験生A 「よっしゃ!序論に全精力を注ぐぞ!」
(30分経過・・・)
「ふぅ,完璧な序論が書けたぞ。ってあと30分しかねーじゃねーか!」
「ぎえー,解決策の途中で試験終わっちゃったー,さげぽよー」
~完~
⑴では意識高いことをいいましたが,序論にはそんなに労力をさかなくて結構です。目安としては,かける時間は5分,書く文字数は100字程度(答案用紙3行程度)です。
ただし,「防災について地方自治体がすべきことを論ぜよ」などのような1行問題では,文字数を200字程度にして話の方向性を明確にしましょう。こういったタイプは裁判所一般職で多いです。問題文に合わせて,適宜,定義付けや前提条件を書きましょう。
⑶ 具体的にどう書けばいいのか
〇 設問例
「近年,我が国では,風水害が多発しています。本市では,平成30年の台風によって民間施設や公共施設が甚大な被害を受け,現在も復旧に向けて各種支援を続けています。このことについて,地方行政としてどのように取り組むべきか,あなたの考えを書きなさい。」
〇 書くときのステップ
次に,①災害前の防災(発生時の対応を含む)について書くのか,②災害後の復興について書くのかを決めます。
これは自分が書きやすい方を選んでください。ここでは①を選んだとしましょう。(本来は,テーマ理解と同時に「テーマにぶら下がる課題」と「その解決策」をメモしておきます。)
序論を書くときのポイントは,テーマを具体化しながら本論に繋げることです。
今回は,①災害前の防災について書くので,過去と比べて現在では災害による影響が変化していることに触れながら、事前の防災へと繋がるように書きます。
〇 模範解答
「日本は島国であり,風水害と切っても切れない関係にある。従来であれば,広大な田畑が広がり,事前の備えとしては山や河川の整備に留まっていた。しかし,社会の発展に伴い,ハード面の整備は複雑化するとともに,ソフト面からの防災も欠かせなくなっている。」
〇 鉄板の言い回し
過去と現在の比較をしたり特定の事案をピックアップしたりした上で,「○○が欠かせない」「行政の介入が急務となっている」「喫緊の課題である」などというとよいです。
こういう言い回しがされていると,「お,この先も期待できそうだな」と採点官が前のめりになります。ヤツをその気にできれば,後は,背後に回ってそっと首元をしm・・・・。
⑷ まとめ
いかがでしたか。序論の具体的な書き方が伝わりましたでしょうか。序論は本論を読み込んでもらうために欠かせないものなので,手を抜かずに対策に取り組みましょう。
その他の論文試験の対策法については,以下の記事にまとめています。リンクから飛んで,ステップごとのポイントを押さえておきましょう。