ダメな書き方 文字数が足りない
今回は,「小論文のダメな書き方」の論理展開・言い回し編です。
公務員試験の教養論文では,論理性が重要となります。特に,本論の課題分析・施策提案の部分では,この部分を中心に採点されています。
しかし,多くの答案を採点・添削して思うことが,「施策自体は合理的かつ有効的だが,論理展開が今回の課題を解決するには迂遠なんだよなぁ」とか「構成は良いのに,言い回しがまどろっこしいなぁ」ということです。
こうした指摘は,時事問題の知識が十分にある小論文の中級者以上にすることが多いので,国家一般職でいう4よりも上を目指そうという方には,参考になるかと思います。(国家一般職の小論文・面接は,4Cが平均よりもちょい上,3Dが平均よりもちょい下となります。)
⑴ 迂遠な展開・言い回しとなる要因
① 暗記してきた施策をそのまま当てはめている
暗記してきた施策をそのまま当てはめるのは,勤勉型の受験生によく見受けられます。
前提として,既存の施策を提案することは全く減点対象になりません。しかし,このときの施策は,テーマに付随する課題を解消するものでなければいけません。
紋切り型的にあてはめをしてしまうと,論理的に迂遠な主張をすることに繋がります。すると,論旨を追いにくく,また他に直截的な施策があれば内容点が減点されることになります。
② 文章表現が回りくどい
「私は,~~と考える。」
「結果,~~という効果を見込むことができる。」
あなたは,こういった回りくどい言い回しをしていませんか。簡潔明瞭な文章になっていないと,文意が取りにくくなり,結果,論理性が減点されます。
⑵ 減点を避けるための対策方法
① 課題ベースで書け!
公務員試験の小論文は,いかに課題分析をするかで得点が決まるといっても過言ではありません。
まずは,テーマに付随する課題をしっかり思い出しましょう。
例えば,設問例として,「現代における労働環境の問題点とその解決策(R1裁判所一般職類題)」が問われたとしましょう。労働環境の現状としては,①労働人口の減少,②グローバル化,③非正規雇用者の増加などが挙げられます。
特に,③の非正規雇用者について,その数は2018年には2120万人,割合は37.8%にまで膨れ上がっています。そして,非正規の方々は,業務委託として働いている人には労働組合がないこと,正規と比べて給与が低いことなどの問題を抱えています。
ここまで課題を整理してから,課題に沿った解決策を提案すれば,論理展開は迂遠にはなりません。
② 「私は,」「と,考える。」「ことができる。」をやめろ!
文章表現として,回りくどい言い回しは止めましょう。
NG「私は,~~と考える。」
NG「結果,~~という効果を見込むことができる。」
↓
OK「~~である。」or「~~だ。」
OK「結果,~~という効果を見込める。」
スマートな文章で,言いたいことをダイレクトに採点官に届けましょう。
⑶ まとめ
いかがでしたか。これで,ダメな小論文の書き方シリーズは一旦完結です。
独学者にとっては,小論文の添削を受けられる場所が限られるので,こうした反面教師に関する記事を参考して,「仮想添削」をしていくのも大変有効です。
参考記事:公務員試験 小論文添削サービスのご案内