☆「感染拡大防止策」の書き方 序論Part2

公務員試験延期に伴い,大量の勉強時間が生まれました。全ての試験種において,コロナが出題される可能性が高くなっています。本腰を入れて対策しましょう。

 

今回は,「コロナの感染拡大防止」の序論の書き方,医療機関編です。

 

以下に,本番で出題されそうな出題例を挙げています。「本番ではどう書こうかな」と考えながら読んでくださると幸いです。なお,模範解答は,本記事の後半に掲載しています。

 

〇 コロナに関する小論文の出題例

 テーマ 「コロナの感染拡大防止について」 ☆☆☆☆(全5段階)

 

 新型コロナウイルスによる感染が拡大する中,自粛要請に伴う経済への打撃や医療機関の崩壊などが懸念されています。しかし,新型コロナウイルス感染症対策専門家会議によると,「2022年まで強固な社会的距離政策(※)を実行した場合に,その年中旬頃に集団免疫を獲得する」とされているなど,未だ予断を許さない状況が続いています。

 こうした状況において,○○行政として,感染拡大の防止に向けてどのように取り組んでいくべきか,あなたの考えを述べなさい。

 

強固な社会的距離政策:緊急医療用病床数を2倍にした下で実施する社会的距離政策のこと。2020年4月14日公表のハーバード大学の資料に基づく。

 

⑴ コロナによる医療機関への影響

コロナの感染拡大によって,①病院のキャパシティへの影響,②保健所の機能への影響が出ています。NHKのアンケートと大阪府保険医協会のアンケートを基に,具体的にどのような影響が出ているのかを見ていきましょう。

 

NHKによる都道府県へのアンケート調査 ※2020年5月11日時点

〇 コロナ対応ベッド数

 東京 約2000床

 大阪・神奈川 約1000床

 他 約500~100床

 

〇 コロナ感染者向けベッドの使用率

 東京 126%(自宅待機者・ホテル待機者を含む)

 北海道 71%

 石川 61%

 他 0~41%

 →局所的に,病床数が足りていない都道県がある

 →なお,4月13日時点においては,ベッド使用率が50%を超える都道府県18あった

 

(NHKのHPより引用)

 多くのところが、患者の治療にあたる医療従事者に対する偏見や差別があることや、引き続き、医療従事者、そして、医療用のマスクやガウンなどの確保の難しさを懸念として挙げています。

 感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「医療体制のひっ迫状況が緩和されてきているのは、全体の感染者数が減少傾向にあるからこそだ。ただ、今後、人の移動が多くなれば患者が少なかった地域でも増加し、重症患者も増えるおそれがある」と指摘し、引き続き、感染者の増加を抑えるため、感染対策を徹底するよう呼びかけています。

 そして、重症患者は入院が長期にわたり、医師や看護師、それに臨床工学技士などの治療に当たる多くの医療スタッフに加え、治療を受けたあとのリハビリを支えるスタッフも必要となる。自治体は、こうしたことを考慮して、医療機関と協力しながらスタッフや病床の確保など、医療体制の整備をゆるめることなく進める必要がある」と話しています。

 引用元: https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/medical/

 

大阪府保険医協会による医療機関へのアンケート結果 ※2020年4月8日時点

〇 外来患者数が,8割の医療機関で減少

 外来患者数が20%程度減少した病院が最も多く,全体の約24%を占めた。外来患者数が80%以上減少した病院は,全体の約1.5%であった。

→経営が厳しくなっている病院も若干ある

 

〇 患者の保健所への橋渡しができなかった病院数は,全体の約6割

 感染が疑われる患者を保健所に紹介しても,「断られた」「電話がつながらない」と回答した医療機関は,全体の約6割。先の行政改革で保健所や保健師が削減されたことに伴い,保健所の機能が追い付いていないことによる。

→保健所がパンク気味

 参考資料: https://osaka-hk.org/_cms/wp-content/uploads/20200410_covid19_press.pdf

 

⑵ 情報を補足しつつ整理しよう

〇 病院のキャパシティについて

4月13日時点においては,ベッド使用率が50%を超える都道府県18あったが,5月11日時点においては,使用率が50%を超える都道府県は3にまで減少している。

 

〇 保健所の機能について

4月8日時点においては,大阪府内の病院の内,約6割保健所への患者の橋渡しができなかった。その後,4月の中旬以降,各都道府県が検査体制の拡大を実施していった。現在では,国立感染症研究所のほか,全国の検疫所・保健所・民間検査会社・大学・医療機関などでPCR検査が広く実施されている。

 

なお,4月15日に厚生労働省が全国の都道府県に対して,「ドライブスルー方式によるPCR検査の導入」を要請したが,本要請の目的は「医療関係者への感染拡大防止」であるため,検査数の増加には寄与していないと考えられる。

 

⑶ 『コロナの感染拡大防止』の理想的な序論はこれだ!

〇 模範解答

 新型コロナウイルスによる最大の懸念事項は,医療崩壊だ。コロナウイルスの重篤感染者は,長期にわたって入院することになる。これは,病院にとって,病床や従業員の確保,他の患者への感染拡大防止策の実施といった特別な対応を強いられていることを意味する。
 医療機関は,現代社会にとって欠かすことのできない社会インフラである。行政としては,感染拡大防止とともに医療崩壊を防ぐような取組が急務となっている。(194字)
 

〇 解説・書き方

特定の目的に特化した論文を書くのであれば,上記のような若干尖った序論の方が本論に繋げやすいと思います。なお,こうした序論であれば,本論では,医療機関として「病院」「クリニック」の話に終始せず,「保健所」「民間施設」など幅広い話題に触れたいところです。

 

⑷ まとめ

お疲れ様でした。コロナにまつわるニュースは日々更新されています。ただし,受験生としては,そうした情報を逐一追う必要は全くありません。

 

ここまでの有力な情報のみを正確かつ冷静に受け止め,論文対策を進めていきましょう。

 

公務員試験 コロナ関連情報 リンク集

テーマ別分析!

 第一弾 「コロナウイルスの感染拡大防止策」 

 序論A(経済への影響編) ☆☆☆☆

 序論B(医療機関編) ☆☆☆

 本論・要因編 ☆☆☆☆☆

 本論・施策編 ☆☆☆☆☆

 結論編 ☆☆☆

 

 第二弾 「アフターコロナの経済発展・文化振興」

 序論編 ☆☆☆☆

 本論・課題編 ☆☆☆☆☆

 本論・施策編 ☆☆☆☆☆

 結論編 ☆☆☆

 

今週の時事ッ!

 5月20日更新 公務員試験延期決定 ~今後の最適戦略とは~

 5月18日更新 コロナによる公務員試験への影響 ~小論文・面接への影響まとめ~

 

公務員試験 小論文のダメな書き方 リンク集

その1 施策を列挙するだけで課題が見えない ☆☆☆☆☆

その2 構成がぐちゃぐちゃ ☆☆

その3 文字数が足りない ☆☆☆☆☆

その4 1つの文章が長すぎる ☆☆☆

その5 迂遠な展開・言い回し ☆☆☆☆

Caution! ☆の数は重要度を示します(全5段階)。星が5つのものから見ましょう。

 

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