TOPIC:試験延期を踏まえた最適戦略とは
試験延期によって,大きく3つの影響が考えられます。以下,試験日程を確認した上で,「こうした影響を踏まえて,どういう対策を講ずればよいのか」を一緒に考えましょう。
⑴ 2020年度公務員試験の試験日程まとめ
これだけ変更が続くと,個人的には何だか楽しくなってきちゃいます。台風が接近しているときの心のざわざわ感と似ています。
さて,昨日,人事院によって国家公務員試験の試験延期が発表されました。また,一昨日には最高裁判所によって裁判所職員試験の延期後の新日程が発表されています。
一旦,ここまでの情報をまとめておきましょう。
人事院HP「採用試験の重要情報」 https://www.jinji.go.jp/saiyo/jinji_top/a_h1n1.html
最高裁HP「採用試験日程」 https://www.courts.go.jp/saiyo/siken/nittei/index.html
⑵ 試験延期の影響 Part1「筆記のボーダーが上がる」
〇 ボーダーはどのくらい上がるのか
ボーダーの上昇自体は,すでに予想されている受験生も多いかと思います。上昇の予想理由は,試験の延期に伴って全国の受験生の勉強時間が増えるからです。
では,一体,どのくらい上がるのでしょうか。
例えば,国家一般職においては,偏差を加味した標準点ベースでは10~20点上がると見込んでいます。こちらを正答数ベースで考えると,教養試験でいえば1~3問程度,専門試験でいえば1~2問程度,本来の試験よりも多く正解する必要があるということです。
〇 上昇したボーダーの乗り越え方
「なんだ,たったの専門2問分かよ」
「これから先2か月もあるんだから,楽勝だぜ!」
本当に楽勝だと思って取り組んでくれれば幸いです。公務員試験は,他の国家試験とは異なり,「満点を取る人が出てきても構わない」という試験です。そのため,今まで曖昧だった知識を正確な知識に変えていくだけで,2点なんていとも簡単に伸ばせます。
ここで,勉強方針の補足をしておきます。これからの時期は,各科目において①基本問題をいかに落とさないか②応用問題をいくつ拾えるかが鍵になります。
基本問題を落とさないためには,法律系では,条文・判例読みが最も有効です。また,経済系では,科目全体を通した復習が,政治系では,時系列を踏まえた復習が有効になります。
※詳細は,ブログを更新する時間があれば,掲載いたします。
〇 逆に「ボーダーが下がる」ことはないの?(おまけ)
「民間就職が厳しいことから,民間組が公務員に流れてくるのでは?」という見方があります。確かに,こうした動きも一部ありますが,影響は微々たるものでしょう。
公務員試験とは,ここまで勉強してきたあなた方が一番理解しているように,そんな簡単に合格できるものではありません。合格までの目安の勉強時間は,約1000時間といわれています。そもそも,このハードルを飛び越えようとする人は極少数です。
また,仮に1000時間のハードルを飛び越えようとして受験された方がいても,ここまで勉強してきたあなた方が負けることがあるでしょうか。どしっと構えて,迎え撃ってやりましょう。
⑶ 試験延期の影響 Part2「論文のボーダーも上がる」
〇 論文のボーダーが上がる理由
例年,多くの受験生が論文試験の対策が不十分なまま本試験を迎えていました。
これは,社会事情や経済事情といった各種統計情報が出揃うのが大体その年の2月ごろであり,時事対策とセットで論文対策をする人が多かったからです。そのため,どうしても直前期の教養・専門対策と並行して対策せざるを得ず,論文対策に十分な時間が取れなかったのです。
しかし,今年は,ほとんどの受験生が論文対策を万全にして臨んでくるでしょう。読者の皆様におかれましては,「忙しくて論文対策できなかった!」という言い訳はもう通用しません。
〇 上昇したボーダーの乗り越え方
まずは正確な採点基準を知ることから始めましょう。加えて,理想的な構成を知り,「序論・本論・結論」でどう書けば点数になるのかを押さえてください。
その上で,各テーマごとの「社会的背景・課題」と「解決策」をまとめられれば100点です。
論文対策については,一番下のリンク集から飛んでください。
⑷ 試験延期の影響 Part3「自分をコントロールできたものが勝つ」
〇 仮想の敵を作れッ!
試験の延期によって,「目標がブレて元気が出ない・・・」という受験生が多いことでしょう。仮に私が同じ状況だとしたら,きっとモチベーションの維持が難しくなっていると思います。
しかし,既に延期後の新日程が発表されている試験種もあります。裁判所総合職・裁判所一般職は,8月9日(日)が一次試験日になりました。まずは,この日を大目標に掲げて日々勉強することをおすすめします。
〇 行動によってモチベーションを上げろッ!
モチベーションというものは,「朝起きてぼーっとしているだけで沸いてくる」というものではありません。ハーバード大学のテレサ・アマービル教授の研究によると,人間がモチベーションの上昇を一番強く感じるタイミングは,「上司に褒められたとき」や「ボーナスが貰えたとき」よりも,「自分が前に進んでいることを実感したとき」だと判明しています。
これを公務員試験に置き換えて考えると,「朝起きて,過去問を1問解くこと」がモチベを上昇させるために有効だといえます。そこで解いた1問を皮切りに,「オレ・・・,合格に近づいている・・・ッ」という感覚が生まれ,結果,長時間勉強するモチベーションが保たれます。
寝起きにYoutubeやTwitterなんて見たりせず,速攻で1問解きましょう!
⑸ まとめ
いかがでしたか。こうした混沌とした状況下においては,情報を正確かつ冷静に受け止めた人が勝ちます。この記事が,皆さんの今後の方針を決める一助になれば幸いです。