面接に受かる人の特徴 使命感がある
今回は,公務員に無くてはならない使命感です。
公務員とは,全体の奉仕者として,社会全体の効用を高めることを使命としています。この使命を果たすために,地方公務員ならばその自治体の住民・企業のために,国家公務員ならば国又は地域ブロックの住民・企業のために様々な取組をしています。
面接では,この使命を果たす意欲を持っているのかどうかをチェックされており,この点は自己PRよりも志望動機の部分で見られています。そして,これまで多くの受験生を担当してきましたが,面接に受かる人の特徴として,公務員としての使命感を備えている人が多いです。
本記事では,使命感について説得力を持って伝えられるようなテクニックをお伝えします。
⑴ 使命感とは
〇 はじめに
使命感とは,公務員としての役割を認識し,公益のために尽くそうという意識のことです。
近い概念には,熱意,責任感,誠実性,社会貢献意識などがあります。以下では,“使命感”という言葉に集約してお伝えいたします。
なお,使命感は,受験先ごとにその内容が変わることに注意してください。国家公務員ならば国家公務員としての使命感を,地方公務員ならば地方公務員としての使命感が求められます。
〇 なぜ使命感は必要なのか
使命感は,公務員として意欲的に働くために必要となります。
例えば,国家一般職の労働局の職員で考えてみましょう。
基本的に,労働局職員としてのキャリアパスは,ハローワークや労働基準監督署にて窓口に立ち,住民対応をするところから始まります。このとき,窓口の利用者は,「求職するため」とか「ブラック企業に酷使されているため」という一次的な感情に加えて,「明日にでも働きに出られないと,借金が返せない」とか「心身ともに疲弊しており,何もかもがどうでもいい」といった二次的な感情を抱かれていることがあります。
労働局の職員は,こういった生活に困窮されている方々に対して,労働面の行政サービスを提供することが仕事です。しかし,窓口対応をしていく上では,先の二次的な感情を抱えた方の対応に疲れてしまい,「もう相談に乗りたくない」とか「明日から仕事したくない」という気持ちになることがあるでしょう。しかし,「労働環境で苦しんでおられる方々の力になりたい!」という熱い気持ちがあれば,これらの思いを払拭できるはずです。
以上のように,公務員として意欲的に働くために,使命感は欠かせないのです。
⑵ 使命感をアピールしよう
〇 自己PRではなく,志望動機でアピールしよう
使命感は,自己PRではなく,志望動機のところでアピールしましょう。
そもそも自己PRでは,「仕事を任されたら,私の特徴・経験を生かして,このようにこなせる」とアピールします。そのため,働く上での意識,具体的には「国民のために働きたいとか県民のために働きたい」という気持ちは,志望動機でアピールするべきです。
〇 志望動機の回答例
質問例:「あなたが〇〇県を志望するようになったきっかけを教えてください」
以下,基本的な回答とそのあとの流れ
「はい。私は,学生時代の飲食店でのアルバイトを通じて,〇〇県の職員として働きたいと思うようになりました。」→「具体的には?」→「アルバイト先では,店長が身を削って労働している現場を見てきました。こうした状況を踏まえて,〇〇県の労働環境を整備することによって,県民のみなさんが金銭的にも精神的にも豊かな暮らしを送れるようにしたいと思い,県職員を志望しています。」→「でも,その業務を担当できるとは限らないよ」→「はい。私は,先の業務のほかにも,(中略)を通じて,県民のみなさんに役立ちたいと思っています。」
〇 使命感をアピールするコツ
まず,受験先はどういった社会的な役割を持っているのかを考えてください。
ここで,地方公務員や国家専門職(国税専門官・財務専門官・労働基準監督官)は,どんな役割を担っているのかは想像しやすいと思います。しかし,国家一般職の各官庁や国立大学法人の各組織には,いわばマイナーな組織も存在します。
実は,マイナーな組織ほど,面接では「ウチのこと,本当にわかっているのかな」という目線で質問されます。そのため,その組織の社会的な役割・仕事内容は調べておきましょう。
マル秘テクニックとして,社会的な役割は,「仮に,その役所が社会からなくなってしまった場合,どんな不都合が発生するだろう」と逆説的に考えると思いつきやすいです。
⑶ まとめ
今回は,公務員として意欲的に働くために欠かせない使命感についてお伝えしました。
使命感というものは,志望動機をブラッシュアップさせていけば,自然と溢れてくるものでもあります。志望先の社会における役割を考えつつ,「自分がここで働けるなら,こういう風に働いてみたいな」と将来に思いをはせるのとよいでしょう。以上!
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