今時飲めないワインの会・その1
気の置けない先輩方との約2年ぶりのワイン会。
いずれも錚々たる飲みキャリアとワイン・コレクションをお持ちのお3方...
そんな会に何故自分のようなリースリングおたくが紛れ込んでいるのか、摩訶不思議この上ない話なのだが
とにかく海老で鯛を釣るような2日間、今回も初日は本町のフレンチ「ル・コントワール・デュ・グー」にて。
のっけからボトルを明かりにかざしては
「これはそろそろ飲んだ方が良さそう」とか、「これは未だ若いな」などと、マジなのかスピリチュアルなのか😅
凡人には理解し難い先輩のパフォーマンスとともに、会はスタート。
2010 Chevalier-Montrachet Les Demoiselles Grand Cru
Louis Jadot (Beaune/Bourgogne),Alc 13.5%vol
シュヴァリエ・モンラッシェ・レ・ドモワゼルは、2010年産らしいシャープな酸とスパイシーな味わいが印象的。
石とチョーク質の多い、標高の高い急勾配の畑だそうだが
熟成によってまろやかになっているせいか石灰感はあまり目立たず、とにかく丸い輪郭の澄み切った味わい。
リースリングGGも決して残糖が多い訳ではないが、並べて飲み比べるとシュヴァリエの辛口仕立てが際立つ。
崇高なシャルドネ。
2007 Koenigsbacher Idig Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut A.Christmann (Gimmeldingen/Pfalz),A P Nr 5 173 021 033 08,Alc 13%vol
16年前に醸造所から直接送って貰ったボトルを初めて開けたが、レーズン感が強くてまだまだ本質は見えず。
同じ石灰系の土壌でもこちらは石灰質泥灰岩や粘土による保水性に富んだ土壌で、マッタリとした味わい。
クリストマンじゃなく、レープホルツの2010イム・ゾンネンシャインでも持って来りゃ良かったなと反省。
ムラサキウニ、美味しかったなぁ...最初のカルパッチョはカンパチだっけ?エスカルゴは鉄板。
でもいつもながら何を食べたかあんまりちゃんとした記憶が無くて、シェフ、すいません。<(_ _)>
恒例のピノノワールのブラインドは、2003というヴィンテージのせいかさすがに達人を以てしても正解は出ず。
持って来られた先輩は、してやったりといったところ...ラマルシュのラ・グランド・リュ。
2003 La Grande Rue Grand Cru Monopole
Domaine Francois Lamarche (Vosne Romanee/Bourgogne),Alc 13.5%vol
マッタリとした肉厚な果実味は、ド素人にとってはヴォーヌ・ロマネでもジュヴレ・シャンベルタンでもなく
どちらかと言えばモレ・サン・ドニのイメージ。でも野暮ったいところなんて微塵も無い。
もちろん「ロマネ・コンティとラ・ターシュの間に挟まれた畑」とは一体どんなテロワールかなんて知る由も無く...
2003年の果実味爆弾の前にはテロワールも形無しといったところだろうか。とは言え堂々のグランクリュ。
そして今夜のメインはこれ、1993年のラ・ターシュ。
...もう20年ぐらい前、当時足繁く通っていたワインレストランで
ソムリエさんと2人で開けて飲んだ1998年産以来のご対面だったが
御相伴に与るこんなチャンスがここで訪れるとは!貴重な機会を与えて下さった先輩に感謝感激。(^^)v
1993 La Tache Grand Cru Monopole
Domaine de la Romanee-Conti(Vosne Romanee/Bourgogne),Alc 13%vol,No 12183
またと無いこの機会にその香味を自分の嗅覚・味覚に刻もうと努めたが、さてどの程度感じ取れたのだろうか。
とにかくまず感じたのは「硬い」ワインだなと。10年も若い2003のラ・グランド・リュと比べるから当然なのだが
ハーブっぽく、ミントっぽい清涼感もあって、時間とともに梅酢風味も出て来て
30年以上経っているにもかかわらずまだまだ厳格なタンニンがあって、ボトルの下の方へ行くに従って渋々。
なんか奥深いと言うか底知れないワインだなぁ。神々しいピノ・ノワール。
そんな訳で4時間半なんてあっという間。
写真を撮っていなければ何も思い出せないところだが、辛うじて記憶の断片を繋ぎ合わせるとこんな感じかな。
それにしても先輩方のブルゴーニュワイン、いったい今幾らで流通してるの?
な~んて調べるのも野暮な話だが、検索してみて今更ながらにビックリ。🤐
普通、飲めないよこんなの...今からブルゴーニュを志す若者って大変と言うか、本当に気の毒だなこりゃ。
なにはともあれ、こんな楽しい会に参加させて頂ける幸せを存分に享受。
3人の先輩方、いつも豪華なワインをいろいろ本当にご馳走様です。引き続き明日もよろしくお願い致します。🤗
見事な瓶熟17年、ランゲンモルゲン
2007年5月にビュルクリン・ヴォルフ醸造所を訪問した際(→訪問記)に買って帰った
2006年産ダイデスハイマー・ランゲンモルゲン・リースリング・トロッケン「PC」。
持ち帰った1年後に飲んで、「もう少し寝かせても楽しめそうだ」なんて書いたが
少しどころか、あれから早くも16年が過ぎてしまった...中身はいったいどうなっているんだろう?
つい油断していて、勢いよく抜いたら3分の1を残してコルクがちぎれる失態。
コルクの端っこにはザラメのような酒石がポツポツ付着。外観は軽くオレンジ色がかったゴールドイエロー。
蜂蜜がかったナッティーな香りで、ブランデーやローストアーモンド、紅茶、ペトロール、紹興酒、
湿った木などを感じさせる、芳香と言って良い見事な熟成香。
香りに違わずマッタリと甘い「とろみ」のある濃厚な果実の味わい。酸はかなりマイルド。
混然一体となった味わいなのでミネラル感だけを吟味するのは難しいが
舌の上に乗った苦汁系のミネラル味とその控えめな余韻が長い。マッタリとしてミネラリッシュだが
案外重さは無く、さりとて抜けが良いとも言えない、肌理の細かなフラットなミネラル感。
食前酒や食後酒としてチビチビやるのが良さそうだが、食事酒としては自己主張が過ぎる。
16年前も決して悪くなかったが、瓶詰めから17年を経て、見事過ぎるほど見事に熟成している。素晴らしい。
抜栓2日目。相変わらず熟成感ムンムンだが、ミネラル感が存在感を増して結構苦い。90/100
2006 Deidesheimer Langenmorgen Riesling Qualitaetswein trocken - P.C. -
Weingut Dr. Buerklin-Wolf (Wachenheim/Pfalz)
A P Nr 5 142 043 18 07,Alc 13%vol
トゥルムベルク2022
雨の日曜...今日も1日中飲んでたなぁ。
昼は寿司をつまみながら昨晩のゼクトの残りを飲み干し、晩酌にはラインガウのリースリングを。
ロバート・ヴァイル醸造所の2022年産キートリッヒ・トゥルムベルク・リースリング・トロッケン。
明るい色調のレモンイエロー。トップはゴムっぽいような土臭いような鉱物香で
スワーリングすると若干の非特異的な淡い果実が香る。
香りとは裏腹に口当たりは柔らかいスマートな果実味で
ひと頃のトゥルムベルクに付き物であった過熟感などまったく無い。
酸も凝縮感があって伸びも悪くないが、当たりは柔らか。
苦汁系の厚みのあるミネラル味が舌の上を収斂し、ミネラリッシュな余韻も長い。
なかなかポテンシャルの高そうな印象。
強いてアラ探しをするとすれば、若さがあまり伝わって来ないのがちょっと残念かな。
抜栓3日目。ゴツゴツした骨格感と言うか硬さが前面に出て、ラインガウ産らしい甘苦い味わいと余韻。
最近のトゥルムベルクはひと味違うなぁ。87/100
(過去のヴィンテージ→2021、2020、2019、2018、2017、2016、2015、2014、2013、2012、2011、2010)
2022 Kiedrich Turmberg Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Robert Weil (Kiedrich/Rheingau)
A P Nr 34 003 029 23,Alc 13%vol
シュテファン・ミュラーの爽やかな泡
今年の大阪は夏至の日に梅雨入り。
ジメジメした季節がやって来たのかと思うと少々憂鬱だが、今のところ例年に比べて過ごし易いのが救いである。
とは言え夕方までみっちり働かされ、ベトベトに汗ばんだところをひとっ風呂浴びてサッパリした後は、泡の一択。
ザールはシュテファン・ミュラーの2021年産リースリング・ゼクト・ブリュット。
僅かに緑色がかった明るいレモンイエロー。グレープフルーツや青リンゴ系のアッサリした果実香。
炭酸の刺激は大人しめで、スマートな果実味、程好くシャープで綺麗に伸びるザールらしい酸、
そしてこの酸と共鳴するようなクリーンな柑橘の薄皮系のミネラル感。
香りに違わないグレープフルーツ的な、蒸し暑いこんな夜にはピッタリのサッパリ爽やかな柑橘の味わい。
抜栓2日目は果実の肉付きがグッと良くなり、心なしか凝縮感もアップ。もちろん酸もビシッと効いていて
ジトジト湿った梅雨空の下、ネギトロの太巻きをアテにした昼酒には持って来いの1本であった。86/100
2021 Riesling Sekt brut
Weingut Stefan Mueller (Konz-Krettnach/Saar)
A P Nr 3 525 542 21 23,Alc 11%vol
ちょっと硬めのアプツベルク
今夜はマキシミン・グリュンハウスの2022年産アプツベルク・リースリング・トロッケンGG。
実は3月上旬に1本開けてみたのだが、あろう事かこれが痛恨のブショネ。
カビっぽい香りの背後に辛うじて感じ取れる、肉厚な果実味、凝縮された酸、重厚なミネラル感とその余韻...
ポテンシャルの高さが窺えただけに返す返すも残念であったが、健全なボトルでありさえすればさてどうか。
僅かに緑色がかった明るいレモンイエロー。注いだグラス壁に比較的大粒の気泡が斑状に付着。
トップはパイナップル系の果実香で、仄かにSchieferwuerze。
スワーリングするとマンゴーや花梨、黄桃、完熟リンゴなどのフルーツが顔を覗かせる。
肉付き豊かで旨味たっぷりの果実味。口当たりは穏やかだが程好く凝縮された酸はアフターへと長く持続する。
柑橘の薄皮系の収斂味と、舌の上に残るミネラリッシュな余韻。
果実味が頭一つ抜けたバランスで、甘夏を思わせる柑橘の味わい。
徐々に桃の風味が前に出るが、旨味に富み過ぎていてやや甘く感じるぐらい。2杯目はやや鉱物が主張を増す。
抜栓2日目は蜜蝋の香り。果実味がやや引っ込んだせいかミネラル感が前に出て
モーゼル(ザール・ルーヴァー)産のリースリングにしては珍しく、ちょっと硬い。89/100
(過去のヴィンテージ→2021年産、2020年産、2019年産、2018年産、2017年産、2016年産、2015年産)
2022 Maximin Gruenhaus Abtsberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 14 23,Alc 12%vol
4つの土壌に手も足も出ず
運良く昨秋、エコノミラート・レープホルツ醸造所の2022年産テロワールヴァィンが4本すべて手に入った。
Buntsandstein(雑色砂岩)、Muschelkalk(貝殻石灰)、Rotliegend(赤底統)、Schiefer(粘板岩)。
揃ったのは良いが、これを一気に全部開けて独りで飲み比べするのは
若く元気な頃ならいざ知らず、日々に忙殺され、歳とともに酒量の落ちつつある身にはなかなか難しいもので
そうこうしているうちに開けるタイミングを失って今に至ってしまった。
べつにテイスティングをするために休んだ訳じゃないが、働き方改革?で今日は臨時休業である。
こんな日にこそ決行すべきだろう...ってことで、昼間からブラインドでまず2本を開けてみた。
確かに開けた2本のリースリングにはハッキリとした個性の違いが存在する。
だが残りの2本も開けてみないと、(当たり前の話だが)そもそもこの2本の立ち位置すら判らないことを痛感。
結局慌てて残りの2本も開ける羽目になってしまったが、既に嗅覚も味覚も機能せず悲惨な結果に。
それにしても全部外すというのは確率的には24分の9。
いやいや、当てずっぽうでも偶然に1本ぐらいは当たるものではなかろうか...逆にこれはこれで凄いよなと。
とにかく自分にはこの方面の素質が無い事を嫌と言うほど思い知らされた半日であった。
...まぁ何かの参考にはなるかもしれないので、とりあえず記録だけは残しておこう。
2022 Birkweiler Riesling Qualitaetswein trocken - vom Rotliegenden -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0005 23,Alc 11.5%vol
黄色がかったやや暗い色調のレモンイエロー。注いだグラス壁全体に細かい気泡がパラパラ付着。
よく熟した赤いリンゴや擦りおろしリンゴの香りにフローラルなニュアンス。
第一印象は引き締まった果実味と酸。果実味は中肉。
酸はあまり伸びないがタイトで、酸の余韻が舌の上に残る。苦汁系のミネラル感。
抜栓3日目。どちらかと言えばアタックより中盤以降に主張を増す酸と、苦汁系のミネラリッシュな味わい。
伸びた酸のフィニッシュ。残糖3.8g/l、酸量8.8g/l。
抜栓5日目。シャープな酸とスマートな果実味、淡白なミネラル感の澄んだ味わいで、ちょっと無機質なイメージ。
貝殻石灰と飲み比べるとやや水っぽい印象だが、雑味が微塵も無いとも言えるし実に微妙。85+/100
(過去のヴィンテージ→2020、2019、2018、2017、2016、2015、2011、2009、2008)
*
2022 Burrweiler Riesling Qualitaetswein trocken - vom Schiefer -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0011 23,Alc 11%vol
このボトルだけ何故かプレスコルク。黄色がかったやや暗い色調のレモンイエロー。
注いだグラス壁全体に細かい気泡がパラパラ付着。熟したリンゴの香りに若干カーボンチックな土の香り。
相対的に発散する酸が印象的で、果実味は相対的に疎で緩やか。ミネラル感は淡白。
酸にしろ果実味にしろ舌の上で周囲へ広がるような印象がある。だらしなく発散する、それが粘板岩?
抜栓2日目。確かに舌の上で四方八方へと発散するシャープな酸。
果実味は相対的に地味でミネラル感は柑橘系と言えなくもない。柑橘的な酸?
抜栓3日目。貝殻石灰、雑色砂岩とともに3本を飲み比べると、その開けっ広げの味わいは明らかだが
雑色砂岩との間にハッキリした差異を見出せるかと言われると心許無い。
強いて言えば果実味が3本の中では最も乗らない感じかなぁ。残糖1.9g/l、酸量8.3g/l。85+/100
**
2022 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Buntsandstein -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0007 23,Alc 11%vol
黄色がかったやや暗い色調のレモンイエロー。注いだグラス壁には細かい気泡がパラパラ付着。
これまた熟した赤リンゴの香りだが、香りは控えめ。
ミネラリッシュな硬い口当たりが印象的。果実味に不足は無いが、あまり果実感が無い。
酸はあまり伸びず周囲に拡がる事も無く、サクッとした砂を噛むような塩味のするミネラル感。
ある意味素っ気無いと言うか地味と言うか、ミネラルウォーター的な無味乾燥な味わい。
いや2杯目に入ると酸も結構伸びるんだなこれが。だが味わいはとにかく淡白。
抜栓2日目。これもまた酸の伸びが良く、四方八方へとまでは行かないが発散系。
果実味はやっぱり地味だが初日よりは存在感があってかなり印象は違う。
抜栓3日目。貝殻石灰と飲み比べると何となくフラットで発散する味わい。もちろん酸の伸びは感じる。
同じ発散するタイプでも粘板岩と比べると果実味の乗りでは勝る。残糖0.8g/l、酸量8.0g/l。86-/100
(過去のヴィンテージ→2020、2019、2018、2017、2016、2015、2014、2011、2010、2009)
***
2022 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Muschelkalk -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0023 23,Alc 11%vol
少し黄色がかったレモンイエロー。注いだグラス壁には細かい気泡がパラパラ付着。
香りは閉じているのかもう識別出来なくなっているのか。
若干の残糖を感じさせる味わいで、ジューシーな果実味とシャープな酸を感じる。
何となく慣れ親しんだモーゼルを感じさせる柑橘の薄皮系に感じられなくもないミネラル感。(これ、気のせい)
結果的に最後にこのボトルを開ける事になったのが祟ったのだろう。(これが他との比較の柱になる土壌)
抜栓3日目。飲み比べないと判らないレベルだが、相対的に収束する酸。
明確な石灰感は無いが苦汁系の...いや時折柑橘っぽさのあるミネラル感。(どっちやねん)
充実感のあるどことなく華やかな風味。雑色砂岩や粘板岩と飲み比べるとその違いは明瞭。
抜栓5日目。赤底統と比較して飲んでもイマイチ違いが判り難い。サクッと淡白なのは似たり寄ったりだが
ただ何度も口に含んでいると、確かに口の中が乾くようなカルキーな感じが蓄積するようなしないような。
残糖2.4g/l、酸量7.6g/l。86/100
(過去のヴィンテージ→2020、2019、2018、2017、2016、2014、2011)
すいすい空に、ピノブラン
今夜は新酒のピノブランを。
今年は瓶詰め早々に送って貰ったので、本格的に暑くなる前に、しかもフレッシュなところにありつける幸せ♪
マキシミン・グリュンハウスの2023年産ピノブラン・トロッケン。
スクリューキャップ。軽く緑色がかったライムイエロー。注いだグラス底には比較的大粒の気泡がパラパラ。
瑞々しい青リンゴや洋梨の香りに仄かにフローラルなニュアンス。
果実味は香り程ではないが、リンゴを丸齧りした時のような瑞々しさ。酸もフレッシュでなかなか存在感あり。
舌の上に残る苦み走ったアフターは、ミネラル感なのか非リースリング品種特有の味わいなのか。
さすがに若いせいで味わいにはやや落ち着きを欠くが、前年のような苦味が突出することも無く
食事しながらスイスイグラスが進んでたちまち空っぽに。残糖4.8g/l、酸量7.5g/l。85/100
(過去のヴィンテージ→2022、2021、2020、2019、2018、2017、2016、2015、2014、2013)
2023 Pinot Blanc Qualitaetswein trocken
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 2 536 014 40 24,Alc 12.5%vol
ここからが本格的な瓶熟だ
ルーヴァー産の辛口リースリングの経年変化のお勉強。
久しぶりにグリュンハウスの2008年産アプツベルク・リースリング・アルテレーベン・トロッケン28番樽を。
前回は今ひとつパッとしなかったが、さて今回はどうなっているだろうか。
僅かに黄金色がかったイエロー。注ぐとグラス壁に細かい気泡がパラパラ付着。
ナッティーでブランデーがかった香りだが、僅かに蜂蜜と熟したリンゴ系果実が香る程度で意外と雄弁じゃない。
まずは口がひん曲がるようなミネラリッシュな口当たりが印象的で
果実味は中程度からややポッチャリ、酸には2008年産らしい当初のシャープさの片鱗が感じられる。
仄かにペトローリーで鉛筆の芯的なニュアンスも。
香りが大人しめなのからも判るように未だ熟成の初期段階に有るような印象だが
ひと頃の冴えない状態からは完全に脱している様子で、先にかなりの期待を繋いだと言える。
時間が経つとグラスにはSchieferwuerzeの残香が。
ここからピークまでどれぐらいの年月を要するのだろう...5年~10年ぐらいだろうか?87/100
2008 Maximin Gruenhaeuser Abtsberg Riesling Qualitaetswein Alte Reben trocken 28
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014-09-09,Alc 11.5%vol
ローゼンゲヴェクス
春にワイン庫の整理をした時に出て来たボトル...はて、こんなの買ってたっけ?
ハッキリ思い出せないのが情けないのだが、ここのピノ・ノワールを買った際についでにポチったものだと思う。
アウグスト・ケッセラー醸造所の2016年産ローゼンゲヴェクス・リースリング・トロッケン。
よく見りゃ「ローゼンゲヴェクス」なんてGG(グローセス・ゲヴェクス)みたいな名が付いて30ユーロもする割には
畑名も記されてないし、「グーツヴァィン」だし、素性の分からない得体の知れない代物である。
そのあたりを確認しようと醸造所やワインショップのHPを確認してみたが
買ってから既に6年も経過しており、該当箇所などとっくの昔に更新されていて情報はどこにも無かった。
ローゼンゲヴェクスなる名称から推測するに、畑はリューデスハイマー・ベルク・ローゼンエックなのだろう。
まだVDPの規格に準拠せず独自の基準・カテゴリーで瓶詰めしていた時期のものだったのか
或いは樹齢が若い木からの収穫だったとか、単にGGに相応しい基準をクリア出来なかったキュヴェなのか
とにかくこの醸造所では、たまにこの畑からのGGを造らない年があるのは以前から知られている。
因みに調べた範囲ではこの「ローゼンゲヴェクス」、2009年や2012年にも造られているようであった。
キャップではなく水色のシール封。軽く黄金色がかったやや暗い色調のイエロー。
香りはナッティーでペトローリーだが、スワーリングすると蜂蜜やブランデー、ココナッツサブレ、
加えてマンゴーや熟したパイナップルなどの果実が顔を覗かせる。
口当たりも蜂蜜感のある肉厚・濃厚な果実味が印象的で、酸は相対的にマイルド。
舌の上にズッシリと乗る苦汁のような収斂感のあるミネラル味とその余韻。
重厚で飲み応えはあるが、もうちょっと繊細さが欲しいところ。尤ももっと瓶熟させると面白いには違いない。
同じラインガウの生産者、ヨゼフ・ライツのEGのイメージかな。
今夜の麻婆豆腐に負けないようにチョイスしたつもりだが、負けないもののさほど合いもせず。
抜栓3日目。相変わらず濃厚でやや甘く苦み走った味わい。
フルボディだが、粘土のように単純に重い訳ではないのでテロワール的には粘土よりも黄土を感じる。
石灰感は無く、千枚岩や粘板岩って感じでもない、エストリッヒあたりのワインに似たテロワール感。88/100
2016 Rosengewaechs Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut August Kesseler (Assmannshausen/Rheingau)
A P Nr 22 016 009 17,Alc 12.5%vol
3年ぶりのフォム・シーファー
今夜はアンスガー・クリュッセラートのグーツヴァィンを。
2022年産リースリング・トロッケン「フォム・シーファー」。
調達ルートの不調で2ヴィンテージ続けて手に入らなかったので、開けるのは3年ぶりになる。
このベーシックな辛口キュヴェは、いずれも風化したトンシーファー土壌の畑
トリッテンハイマー・アルテルヒェン(Altaerchen)と
やや粘土質のノイマーゲナー・ローゼンゲルトヒェン(Rosengaertchen)からの収穫で造られているとのこと。
スクリューキャップ。薄めのライムイエロー。
青リンゴや梨系のアッサリとした果実香。スワーリングすると軽いペトロール。
口当たりは優しく、スマートな果実味にスッキリ透明感のある当たりの穏やかな酸、
そしてサクッと軽やかなミネラル感。
グレープフルーツを思わせるサッパリ淡白な味わいで、一言で表現するなら「静」のワイン。
2杯めに入ると少しシーファー風味が前に出て来てモーゼル・リースリングらしくなる。
開栓4日目はやや平凡。まぁベーシックなキュヴェだからこんなもんかな。85/100
(過去のヴィンテージ→2019、2018、2017、2016、2015、2014、2013、2012、2011、2010、2009、2008)
2022 Riesling Qualitaetswein trocken - vom Schiefer -
Weingut Ansgar Cluesserath (Trittenheim/Mosel)
A P Nr 3 607 269 14 23,Alc 11%vol