テロワールヴァイン3本 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

テロワールヴァイン3本

2本は入手出来ても、3本全部を揃えるのはなかなか難しいレープホルツの「テロワールヴァイン(Terroirwein)」。

それが2016年産は久しぶりに3本とも揃ったので、ブラインドで同時に開けてみた...と、ここまで書いて

はて、いつ以来だったっけな?と改めて調べてみると、全部揃って手に入ったのは後にも先にも2011年産のみ。

しかも3本同時に開けるのは、実はこれが初めて。

う~ん、何度かやってた筈だと記憶していたのだが、我ながら実にいい加減な記憶である。σ(^_^;)

 

 

因みに3種類のテロワールヴァインとは、醸造所の所有する3つの異なる典型的土壌からの辛口リースリング。

フォム・ロートリーゲンデン(vom Rotliegenden,ロートリーゲンデス、赤底統)

フォム・ブントザントシュタイン(vom Buntsandstein,雑色砂岩)

フォム・ムッシェルカルク(vom Muschelkalk,貝殻石灰)

 

 

外観はいずれも軽く緑色がかったレモンイエローで、ほとんど差は無く

香味をあれこれ吟味しているうちに、時間とともに1本だけ毛色の異なった味わいが明らかとなり

これがロートリーゲンデンであると判る。

あとは「土壌に石灰が入っているのか入っていないのか」、実質2本の利き分けであった。

 

最終的には簡潔に「脱力系」、「小ざっぱりと素朴」、「飲み映えする」という印象に落ち着き、この通りに正解。

やっぱりブラインドは当たると楽しいなぁ。(^ε^)♪

お決まりの個別記録は以下の通り。

 

*

 


洋梨やバナナを思わせる甘い果実香。

細身の果実味とシャープで伸びの良い酸の軽くサッパリとしたバランス。ミネラル感には乏しく酸の余韻が残る。

3本の中では最も柔らかくフルーティーでシンプルな印象。肩の力の抜けた「脱力系」の味わい。

時間とともに酸の伸びが良くなり、ヴィンテージの特徴なのか果実味は実にスマート。残糖1.3g/l、酸量8.0g/l。

 

抜栓2日目。洋梨の香りに少しフローラルなニュアンスが加わっている。

スマートな果実に伸びの良い酸、相変わらずミネラル感は平板で地味。非常に透明感のある造り。

綺麗に伸びた酸がアフターへと持続する。微かに余韻にメロンっぽさの片鱗があるか?

抜栓3日目。味の要素が混然一体となり、味わいは更に起伏に乏しく滑らかに。85/100

(過去のヴィンテージ→2015年産2011年産2009年産2008年産

 

2016 Birkweiler Riesling Qualitaetswein trocken - vom Rotliegenden -

Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)

A P Nr 5 069 105 005 17,Alc 11.5%vol,21.00€

 

**

 


 

注ぐとグラス壁に細かい気泡がパラパラと付着する。香りは藁っぽいニュアンスを伴う控えめな果実香。

これもスマートな果実味とシャープな酸、そして相対的に存在感のあるミネラル味。

砂っぽいサラッとした淡白なミネラル味と、乾いた苦汁系のミネラル風味の余韻。

小ざっぱりとしていて引き締まった「素朴な」味わい。最も好みのタイプ。残糖1.6g/l、酸量7.3g/l。

 

抜栓2日目。控えめながらも爽やかな青リンゴ系の香り。

酸の当たりは初日より幾分柔らかで、スマートな果実味と一体感のある、モッサリとしたミネラル味。

ムッシェルカルクと飲み比べるとその差は歴然。並べて交互に飲むと、残念ながら如何にも冴えない。85/100

(過去のヴィンテージ→2015年産2014年産2011年産2010年産2009年産

 

2016 Riesling Qualitaetswein trocken - vom Buntsandstein -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)

A P Nr 5 069 105 007 17,Alc 12%vol,18.30€

 

***

 

 

香りは仄かに土のニュアンスのある控えめな果実香で、スワーリングすると唯一ペトロール感あり。

凝縮された酸が印象的で、果実味は相対的に肉厚。3本の中では最も重量感がある。

少しフローラルな風味があって最も芳醇、複雑。酸が発散して他を圧倒する感あり。まさに「映える」味わい。

そう言えば主張の強い様なミネラル感が有るような無いような。残糖2.5g/l、酸量8.0g/l。

 

抜栓2日目。相変わらず香味ともにフローラル。発散系の酸と塩っぽいミネラル味。

3本並べて飲むと、主張が賑やかなので確かに「飲み映え」する。改めて石灰土壌恐るべしである。

ドイツのリースリングを飲んでこんな事を感じるのもナンだが

ブルゴーニュという地がある意味世界のワインの中心に存在する理由の一端がこんな所に垣間見えた気がする。

86/100  (過去のヴィンテージ→2014年産2011年産


2016 Riesling Qualitaetswein trocken - vom Muschelkalk -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)

A P Nr 5 069 105 023 17,Alc 11.5%vol,18.30€