2010年産の雑色砂岩「S」
こう毎日降られると、空のように寒々と気分も晴れず、ついアルコールの方へと現実逃避してしまいがちである。
定刻にスンナリ仕事が終わった後は一直線に家路を急ぐ。さぁ晩酌晩酌、今夜は何にしようか。
さほど悩むことなく選んだのは、プファルツのレープホルツ醸造所 フォム・ブントザントシュタイン「S」。
2010年産はカビネット を開けた後、諸般の事情でいきなりグローセス・ゲヴェクス(GG) に走ってしまったため
開けるのがすっかり後回しになってしまったが、今夜はじっくりこのシュペートレーゼと向き合ってみるとしよう。
長めの5cmコルク。色は明るいレモンイエロー。グラスに注ぐと細かい気泡がシュワシュワッと。
香りは洋梨、完熟リンゴ、青いバナナ、パイナップルなど。丸みを帯びた輪郭ながらもシャープな酸は強過ぎず
細身ながらもキュッと引き締まった果実味、そしてサッパリ淡白ながらも収斂味豊かなミネラル。
やや酸味が頭1つリードしつつも見事なバランス感である。
時間とともに酸は伸びが良くなり凝縮度を増すが、レープホルツにしては意外なほどの残糖感が引っ掛かる。
2010年産の強い酸とバランスを取るため、例年より心もち多めに残糖を残したのだろうか?
2日後。酸がやや鈍化して、残糖感を伴う果実味が前に出る。果実味に適度な青さが感じられるのが嬉しい。
但し2009年産 よりはポテンシャルで劣るか。それでも素晴らしいシュペートレーゼであることに変わりはない。
88/100
2010 Riesling Spaetlese trocken „S“ -vom Buntsandstein-
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 007 11,Alc 12%vol,15.88€