ロートリーゲンデス、お前もか
最近またワインの酸が歯に染みるようになってきた。
2011年産は酸の弱いモノが多かったため、一見知覚過敏が和らいだかのように錯覚していただけの事で
2012年産の新酒でそこそこ強い酸を口にする機会が多くなったが故に、結局症状が再燃したという訳だろう。
そろそろまた対策を講じないといけない。日々リースリングを飲むというのは結構大変な事なのである。
ということで、今夜は酸の穏やかなモノを。メインが焼き鳥なのでどちらかと言えば赤が良いのだが
少し落ち着いたリースリングなら合わせ難い事もない。フレッシュな物にもちょっと飽きて来たところだし。
そう考えてワイン庫に潜り込みゴソゴソやっているうちに
熟成したボトルではなく、春先に買っておきながら開けるのを忘れていたこの2011年産が目に付いた。
プファルツのレープホルツ醸造所 、リースリング・トロッケン「フォム・ロートリーゲンデンS」。
僅かに緑がかったレモンイエロー。注ぐとグラス壁に細かい気泡がそこそこ付着。
熟したアプリコット系の果実や綿菓子を思わせる少々ベタッとした甘い香りと、ハムっぽい燻製感、
そしてしっとりと落ち着いた木のニュアンス。
スワーリングするとペトロール香が目立ち、香り的には少々冴えない。
酸の輪郭は柔らかく、量感は程々、伸びも平凡。果実味もこの土壌にしては乗りが良いとは言えないレベル。
そんなこんなでミネラルの重心も低め。全体に溌剌とした若さに乏しく、瓶詰め1年とは思えない老成感がある。
やはり「Sシリーズ」の雑色砂岩Sや貝殻石灰S と同様、2011年産のレープホルツは「らしくない」出来に思える。
それに時間が経過しても緩い味わいは変わらず、香味はたそがれて行くばかり。
これでは経年させてもますますガッカリだろうと思う。GGの出来は決して悪くないのだが。
もちろん欠点ばかりでもない。飲み口が実に柔らかいと言うか優しいのだ。
おまけにこういうタイプの方が、焼き鳥だけでなくいろんな食事に合わせ易いのも事実。
翌々日。甘口古酒の後に飲んだせいで、香りは若々しく味わいもスッキリ辛口に感じる。84/100
(過去のヴィンテージ→2009年産
、2008年産
)
2011 Riesling Spaetlese trocken‘S‘ -vom Rotliegenden-
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 005 12,Alc 12.5%vol,16.39€