ハズして凹む土壌違い
久しぶりにエコノミーラート・レープホルツ醸造所のテロワールヴァィンを3本纏めて抜栓。
たまにはテイスティングの訓練もしておかないとね。(何の為かは知らんけど)
2019年産のフォム・ムッシェルカルク(貝殻石灰)、フォム・ブントザントシュタイン(雑色砂岩)、
フォム・ロートリーゲンデン(赤底統)...土壌違いのリースリング・トロッケン3本。
抜栓する際、1本だけが他の2本のコルクより少し長めのプレスコルクになっていてビックリ...
グラスに注いだワインの外観はほぼ似たようなものだが、1本だけ僅かに濃いかな?という程度の差。
3本とも例年より熟度が高い印象で、しかも香味にビオっぽいネガティヴな要素が無いのが嬉しい。
テイスティングしてみると、1本だけかなり残糖の少ない造りで、残りの2本は酸の出方が対照的。
この時点で他の2本とは少し毛色が異なると感じた1本を、ロートリーゲンと決めつけてしまったのが敗因。
何の事は無い、単にアルコール度数が低いのを「ちょっと独特な味筋」だと受け取ってしまっただけの話。
まだまだ修行が足りない...それにしてもアルコール度数1%の差とコルクの違い。何か関係あるんだろうか?
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2019 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Buntsandstein -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0007 20,Alc 12%vol,19.50€
このボトルだけがプレスコルク、少し長め。ワインの外観は黄色がかったレモンイエロー。
熟したリンゴやアプリコット系の華やかな果実香で、時間とともに少しハムっぽい燻製感が加わる。
口当たりから乾いたミネラル感が印象的で、酸もシャープ、果実味はスマート。舌の上に酸の余韻が長い。
塩味っぽいミネラル感。酸は奔放な感じで一番伸び、やや発散する印象。
なんか飲み口に弾力性があって個性的、残糖も一番少なそう...と言うか、明らかに他の2本とは異なる。
実はアルコール度数がこれだけ1%低かっただけの事なのだが、ロートリーゲン?とハズしてしまった。(T_T)
確かに最も辛口仕立てであるのは事実で、残糖0.4g/l、酸量7.5g/l。
抜栓2日目。スマートな果実味とシャープで攻撃的な酸、苦汁系のミネラル味のややフラットな味わい。
実にミネラリッシュでストイックな辛口。
抜栓4日目。相変わらずの辛口で酸がシャープ。86/100
(過去のヴィンテージ→2018、2017、2016、2015、2014、2011、2010、2009)
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2019 Birkweiler Riesling Qualitaetswein trocken - vom Rotliegenden -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0005 20,Alc 13%vol,19.50€
微かに黄金色っぽさの感じられるレモンイエロー。細かい気泡がグラス壁にパラパラと付着。
アプリコットや黄桃系の奥行きのある果実香、僅かに蜂蜜感、土っぽいニュアンスも。
アタックは凝縮感のある酸で、果実味は中肉からややスマート、ミネラル感はサクッと淡白。
酸の伸びが良く、これまた発散系の酸。雑色砂岩っぽい?と思ったがこれがロートリーゲンだった。
残糖1.3g/l、酸量7.2g/l。
抜栓2日目。やはり果実味はスマートで、ボリュームのある伸びの良い酸は発散する。
この日は塩っぽく感じるミネラル味。
抜栓3日目。リンゴ系のフルーティーな香り。果実味が肉付きを増しているのかジューシーで
酸もそこそこ凝縮感があって、それらに比べるとミネラル感は地味。骨格感の無いミネラル味と発散系の酸。
抜栓4日目。没個性的なミネラル感で、確かに緩い味わい。86/100
(過去のヴィンテージ→2018、2017、2016、2015、2011、2009、2008)
2019 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Muschelkalk -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 0023 20,Alc 13%vol,19.50€
黄色がかったレモンイエロー。リンゴ系の果実香に石灰っぽいニュアンス?これまた少し華やかな香り。
スワーリングすると香りにピュアな果実感が増す。
ジューシーな果実味は柔らかい触感。酸の凝縮度もまずまずで、ミネラル感は苦汁系。
大して骨格感がある訳でもないが、他の2本と比べると、酸が収束して引き締まった印象。
これは貝殻石灰で正解。残糖3.5g/l、酸量7.4g/l。
抜栓2日目も収束する酸。3本の中では一番ジューシーで、果実味・酸・ミネラル感のバランスが一番良い。
抜栓3日目。粉っぽい石灰感と発散しない酸。果実味はやや引っ込んで淡白な味わい。
抜栓4日目は一転、果実味がグッと膨らんでジューシーに。
こうなると酸もミネラル感も特徴が吟味し辛く、ブラインドで当てるのは至難の業。
やっぱり比較しながら飲まないと、違いなんてなかなか判らないものである。86/100