ワイン映えの差
久しぶりに真っ昼間から2本並べて飲み比べ。
エコノミーラート・レープホルツ醸造所の2018年産リースリング
フォム・ムッシェルカルク(貝殻石灰)と、フォム・ブントザントシュタイン(雑色砂岩)。
テロワールヴァィンのもう1本は先に飲んでしまったので、今回のお愉しみは2本で。
見た目にほとんど差は無いが、向かって左の「貝殻石灰」の方が僅かに濃いだろうか。
香りや味わいには、1本1本を単独で飲んでいたら絶対に判らないレベルの微妙な差が確かに存在する。
それが本当に土壌の差なのか、或いはこの生産者にしか当てはまらない差なのかは分からないけれども
一言で言い表すとしたら、「貝殻石灰は雑色砂岩よりもワイン映えがする」という事になろうか。
そう、だからシャンパーニュやブルゴーニュがひしめく他流試合のワイン会には
「映えない」非石灰系リースリングは、個人的に極力持って行かないようにしているのである。
それが何に起因しているのかを、ああでもないこうでもない...ぶつぶつと独り言つ
これぞまさにオタク道そのものである。(^^;)
2018 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Buntsandstein -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 007 19,Alc 12.5%vol,19.00€
黄色がかったレモンイエロー。アプリコット系の果実香だが、相対的に素っ気無いと言うか香りは素朴な印象。
アタックからインパクトのある凝縮感のある酸は伸びも上々で、アフターにも長く持続する。果実味はスマート。
ミネラル感はサクッとしていて淡白だが、舌を刺す様な苦汁系のミネラル味は酸と相俟って存在感充分。
ミネラリッシュな余韻も長い。比較して飲まないと判らないレベルだが、酸の質感は四方へと拡がる発散系。
酸が秀逸でサクッと軽やかで淡白だが透明感のある、とっても綺麗なリースリング。
抜栓翌日。酸が幾分引っ込み果実味がグッと肉付きを増す。
グレープフルーツの薄皮をしがんだ時のようなボリューミーなミネラル感のおかげで、飲み応え充分。
でも初日のシャープな方が好きなんだけど...。残糖0.3g/l、酸量7.8g/l。
抜栓4日目。酸の伸びは健在で、「貝殻石灰」に比べると果実味が疎で淡白な抜けの良い味わい。
「砂岩」らしいと言えばそう言えるかも。相対的に構成が緩いので、酸も四方八方へと拡がる感じ。87/100
(過去のヴィンテージ→2017年産、2016年産、2015年産、2014年産、2011年産、2010年産、2009年産)
2018 Siebeldingen Riesling Qualitaetswein trocken - vom Muschelkalk -
Weingut Oekonomierat Rebholz (Siebeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 069 105 023 19,Alc 13%vol,19.00€
黄色がかったレモンイエロー。相対的に僅かに濃いか。僅かに付着した気泡がパラパラ見える。
アプリコット系の黄色い果実香に、仄かにフローラルなニュアンス。
こちらも酸は凝縮感も伸びも文句無いが、口当たりの酸のインパクトに一日の長がある。
果実味にふっくらと肉付きが有って、そのぶん酸が前に出過ぎる事もなくミネラリッシュに過ぎる事もない。
それでいてガッシリとした骨格感があり、とにかく相対的に華やかな味わい。映える酸。
酸・果実味・ミネラル味のメリハリが効いていると言うか、味わいの構成に優れている。
抜栓翌日。バランス的には初日と似たようなもので、ミネラル感では「雑色砂岩」に後れを取る。
マッタリとやや過熟気味で、初日は「雑色砂岩」相手に僅差の判定勝ちだったが
逆に2日目は完敗といった感じ。残糖1.1g/l、酸量7.6g/l。
抜栓4日目。石灰感とは言い難いが、相対的に引き締まっていて
果実の肉付きに勝るぶん構成のしっかりした、収束した味わい。87/100
(過去のヴィンテージ→2017年産、2016年産、2014年産、2011年産)