<14th Jan Sun>

明日から又忙しくなるので、この週末に来週末のパリ小旅行の準備開始カバン。ご贔屓テノールがずっと前、ユーロスター確保前にキャンセルしたので凄く迷ったけど結局行くことにしたこのパリ旅行、オペラ遠征前の「キャンセルされたら悲しいわあ・・ショボーン」とハラハラしなくても良いので気がすごく楽だし、時間も経ってショックからも立ち直り、折角だからパリをしっかり楽しもうというポジティブな気持ちだけになってます。 で、その延長で、半年以上も迷ってた5月のオペラ遠征も駄目元で行く決心がついて、フライトを購入しました。ウィスバーデンのタンホイザー(勿論クラウス君)ですが、迷い疲れてたのがすっきりできただけでも嬉しいニコニコ

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3年前のROHとラウンドハウスの初コラボレーションのオルフェオに続くモンテヴェルディ第二弾の初日(1月10日)に行ってきました。Roundhouseの様子などはその時の記事(→こちら)でご覧下さいですが、電車のエンジンを倉庫内の色んな場所に収納するために使われていた丸いターンテーブルをそのまま舞台にしてます。

 

今回のウリッセの帰還(英語だとThe Return of Ulysses、原題は Il ritorno d'Ulisse in patria)古代ギリシャの英雄ユリシーズが長い流浪の末に戻ってきて、西洋では身持ちの硬い女性の代名詞である妻ペネロピーと再会する夫婦愛の物語グリーンハーツ

 

 

     

 

真ん中で演奏するオーケストラも円形の舞台もゆっくり回転します。

   

私の席はかなり後ろで(それでも30ポンドもした・・)、スピーカー使用なので音はちゃんと聞えますが、なんだか全て遠くで起こっているようで臨場感は無し。 でも、実はペネロピーのクリスティーン・ライスが体調悪くて口パク演技だったのでガーン、そんな不自然なのを近くで観なくて済んで良かったかも。

Music Claudio Monteverdi
Libretto Giacomo Badoaro
Director John Fulljames
Set designer Hyemi Shin
Costume designer Kimie Nakano
Lighting designer Paule Constable
Movement director Maxine Braham
Translator Christopher Cowell

Conductor Christian Curnyn

Ulysses/Human Frailty Roderick Williams
Penelope Caitlin Hulcup  Christine Riceの代役)
Telemachus Samuel Boden
Minerva/Fortune Catherine Carby
Eurycleia Susan Bickley
Melantho/Love Francesca Chiejina
Eurymachus Andrew Tortise
Eumaeus Mark Milhofer
Irus Stuart Jackson
Amphinomus Nick Pritchard
Peisander Tai Oney
Antinous/Time David Shipley
Orchestra Early Opera Company

 

私の好きなイギリス人若手テノール総出演だったのでラブサミュエル・ボーデン、アンドリュー・トーティス、ニック・プリチャード、スチュアート・ジャクソン)、彼らが歌ってる間はとても楽しめましたが、なんせちょい役ばかりでワクワクできた時間はあまりにも短い。 その中では、ユリシーズの息子役のサミュエル・ボーデンが得な役で目立ち、小柄ながらマッチョな上半身裸がビジュアル的にこの日のハイライトラブラブ 

ユリシーズ役のローデリック・ウィリアムスはベタ褒めされて上手だったけどちょっと線が細すぎ。 代役のペネロピー役が心配でしたが(「歌ったことないけど、この週末に覚えました」ってアナウンスあったし滝汗)オケピットの中で譜面を観ながら歌ったケイトリン・ハルカップは深みのある声で立派に急場を救ってくれました。黒人のアメリカ人カウンターテナーのタイ・オネイは全く駄目。

 

レビューはこちら(クリックで記事に飛びます)。直前に40%オフのオファーも出て、今もたくさん売れ残ってるけど、レビューさえ良ければ成功ってことでしょうか?

Independent ★★★★★
Arts Desk ★★★★
Telegraph ★★★★
What's On Stage ★★★★
Bachtrack ★★

 

脇役に至るまで充分に練習して臨んだのは明らかな熱演で拍手、概ね良いレビュー通り歌も演技も良かったのですが、オペラ自体には惹かれませんでした下差し。 音楽は典雅で美しいけれど、ゆったりし過ぎて退屈なのは古いスタイルに慣れてないせいでしょうから仕方ないとして、なんだか本筋のストーリーに関係ない展開が多くて凄く退屈ぐぅぐぅ。 インターバルでトンズラした人が続出したのも頷けます。走る人 英語翻訳なのも私は嫌イラッ(字幕あり)。

 

スーツエプロン衣装担当は中野キミエさんという日本人女性なのですが、初日なのに演出チームがカーテンコールに出てこなかったのも残念。 セットが全くないのでいわば衣装が主役なわけですが、時代を特定しない新旧混じりがタイムレスでなかなか良かったです。

 

 

オペラの元祖を言われるモンテヴェルディ、ここで3年前のオルフェオの他にバービカンでポッペアの戴冠を聴いたことがありますが(→こちら)、今回のが一番冗長で楽しめませんでしたむっ

 

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<18th Dec Mon>

クリスマスツリーバレエ今日はくるみ割り人形の2回目で、すっかりクリスマス気分になってます。 そう、実はバレエにも結構行ってるんですけどね、写真の整理する時間がないので全然記事に出来てません。 クリスマス休暇の間に出来るかしら? 無理であればバレエはスルーしちゃいますけど、オペラは記録しておかないと後で誰が出たかすらわからなくなるので、1ケ月近くも前に鑑たオペラですが、今更ながらではありますが、記録しておきます。

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ロッシーニには珍しい悲劇オペラ「セミラーミデ」は2016年9月のプロムスで聞いた時の記事をご覧下さいですが(→こちら)、まじかるクラウンセミラーミデは古代バビロニアの女王で、王権争いの話。 夫である王を殺したセミラーミデは若い将校に恋をするが実はそれは行方不明になっていた息子アルサーチェ。先王の幽霊が「わしを殺した者に復讐せよ」、というハムレットみたいな命を受けたアルサーチェは、「いや、でもさすがに自分の母親は殺せないよ」、と母子で仲直り。王殺害の共犯者で王位を狙うアッスールという悪者とアルサーチェが暗闇で戦った際に間違えてセミラーミデが刺されて死亡。若いアルサーチェが王位に付く、というお話。

 

枚数制限までして大騒ぎだったけど、結局11月22日に一回だけ行きました。ROHにとっては新プロダクションでも、すでに今年初めにミュンヘンでやってライブストリーミングもされたので言わば手垢がついたお古。お古でも素晴らしければいいけど、近代の中近東と北朝鮮風の妙なミックスで、好きではないです。 ひねり過ぎ。 アッパースリップから見下げると床ばかり見えたけど、巨大な銅像やトランプ米大統領ファミリーのポートレートのような不気味なものがかなり隠れたのが幸い。 これなら、プロムスのようにコンサート形式でやってくれて自分で古代バビロニアを想像する方がずっといいわ。

音楽は喜劇と同じような感じで、ロッシーニは大好きだけど、とにかく長くてしつこいので、居眠りするなと言う方が無理ぐぅぐぅ。 プロムスで長さにうんざりしたトーチャンは「あれは一度で充分」と一緒に行ってくれなかったので、起してくれる人もいなかったし。

Music Gioachino Rossini
Libretto Gaetano Rossi
Director David Alden
Set designer Paul Steinberg
Costume designer Buki Shiff
Lighting designer Michael Bauer
Choreographer Beate Vollack
Conductor Antonio Pappano
Semiramide Joyce DiDonato
Assur Mirco Palazzi (Ildebrando D'Arcangeloの代役)

Arsace Daniela Barcellona

Idreno Lawrence Brownlee
Azema Jacquelyn Stucker
Oroe Bálint Szabó
Mitrane Konu Kim
Nino's Ghost Simon Shibambu

 

レビューはこちら。
Telegraph  ★★★★★
Arts Desk ★★★★
Evening Standard ★★★★
Guardian ★★★★
Bachtrack ★★★★
Times (£) ★★★★

The Stage ★★★
WhatsOnStage ★★★

 

 

 

    

良いレビューがもらえたのは主にジョイス・ディドナートの功績で、たしかにこの難しいアリアばかりの役を歌も演技も文句なく素晴らしかったです。でも、ロンドンには来過ぎで聞き飽きた上に、重くなった彼女の声にはもう魅力を感じなくて、プロムスのアルビナ・シャギムラトヴァの方がテクニックは少々劣るけどうっとり聞惚れました。 車椅子で頑張ったセヴィリアの理髪師のはつらつとしたディドナートが懐かしい。

 

アルサーチェ役はプロムスと同じダニエラ・バルチェローナ。大柄な彼女はズボン役が似合うけど、プロムスの時の普通の衣装の方が素敵だったし、歌も調子良かったかな。

 

     

悪役はイルデブランド・ダルカンジェロがプロムス同様に降板し、代役はミケーレ・ペトルーシと発表されたけど、結局、プロムスと同じミルコ・パラッツィに。 同時期のルチアにも出てて大忙しだった中、無難にこなしたけど、小柄だし声に凄みもないので迫力不足。 エスポジートが救いに来られなくて残念でした。

 

    

テノール好きの私が一番楽しみにしてたのがROHデビューのローレンス・ブラウンリー。期待通りだったけど、彼のダークな顔は上手く写真撮れませんね。衣装は素敵なのに残念。つるっぱげ美女のジャクリン・ストッカーはちょい役だけど目立ちました。

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<15th Dec Fri>

ベルハリー王子の結婚式はウィンザーで5月19日(土)に決まったそうですが、祝日にするかどうかの議論を避けるために週末にしたのは正解でしょう。直系跡継ぎ以外の結婚式は普通は祝日にはなりませんが、それでもあーだこーだ言う人はいるでしょうからね。私はその日は南スペインに行ってるので、たとえ中継があっても観られませんが。

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12月14日はリゴレットの初日でした。 当初の予定は先月脳腫瘍で亡くなったホロ様(ディミトリー・ホロストフスキー)だったので、このパフォーマンスは彼に捧げられると開演前に舞台でアナウンスされ、キャストシートにホロ様に捧げる文章と写真も載ってました。

カーテンコールはちょっとしたスタンディングオベーションになりましたが、それはホロ様へのオベーションでしょう。だって、盛り上がらないパフォーマンスでしたもんえー?

 

Music Giuseppe Verdi

Libretto Francesco Maria Piave

Director David McVicar

Set designer Michael Vale

Costume designer Tanya McCalln

Lighting designer Paule Constable 

Movement director Leah Hausman

Conductor Alexander Joel
Duke of Mantua Michael Fabiano
Rigoletto Dimitri Platanias
Gilda Sofia Fomina
Sparafucile Andrea Mastroni
Maddalena Nadia Krasteva
Giovanna Sarah Pring
Count Monterone James Rutherford
Marullo Dominic Sedgwick
Matteo Borsa Luis Gomes

     

 

唯一の期待は公爵役のマイケル・ファビアーノだったのですが、9月のラ・ボエームでは歌も演技もあんなに丁寧で柔軟で圧倒的だったのに(→)、昨日は投げやりで声も乾いてました。途中で声がかすれてきて鼻声になったので、風邪引いてたんでしょうねカゼ、きっと。後半はかなり回復したけど、これまでの素晴らしいテノールが何人か思い出されて歯がゆいったら。これが初ファビアーノだったら「ふん、大したことないテノールだわ」と思ったでしょう。 絶好調ならトップクラスに入るべき実力のファビアーノなのに残念でした。

 

ファビアーノがこれでは良いレビューがもらえる筈はなく、そりゃあ3ツ星がやっとでしょう。
Telegraph ★★★
The Stage ★★★
Bachtrack ★★★

 

   

ジルダのソフィア・フォミナは、去年ホフマン物語(→こちら)で足を引っ張ったオランピアだったロシア人ソプラノ。この日は声はきれいだったけど、ビブラード過多の高音が気になりました。可憐な容姿と同情を買う真摯な演技があればまだ救われたかもしれませんが、ずんぐりむっくりのプラナニアス(リゴレット)と体型的にぴったりの父娘でブタ、それはまあ仕方ないとしても、表情が乏しかったのが致命的ショボーン

ジルダはダブルキャストで、もう一人はルーシー・クロウ。声がかすれてもう終わってるので切符買ってませんが。

リゴレットのディミトリ・プラタニアスは、2012年のリゴレットでROHデビューして以来、他にもいやと言うほど出てるギリシャ人バリトン。輪郭のないふにゃふにゃ声のバリトンは好きではない上に容姿も演技も全く惹かれないので今回は見もせず、代わりにここに出た他のリゴレット(ホロ様やレオ・ヌッチ)を思い出してました。

マッダレーナ役のナディア・クラスティーヴァはよく通る声でなかなか良かったですが、これまた肥満気味。

 

 

   

ビジュアル面で主役準主役が魅力ないので、もっぱら双眼鏡で愛でてたのはマルーロ役の英国人バリトンのドミニック・セドウィック。どっかで見たことあると思ったらJette Parker Young Artistで、彼らのコンサートでも特に印象残ってないので歌はおそらくどうってことないのでしょうが、これからちょい役でここにしょっちゅう出てくれるのが楽しみ。テノールでなくて残念だけど(テノールは隣に立ってるちっこいゴメス君)。

 

   

指揮者アレクサンダー・ジョエルはたしかビリー・ジョエルのハーフ・ブラザーで、前にも振ったことあるけど上手くないねえ・・

 

という、次元の低い楽しみ方しか出来なかった残念なリゴレット初日が、今年最後のオペラ観賞になりそうです。 まだセミラーミデのこと書いてないですが、今シーズンはろくなパフォーマンスがなくて、やっぱりあちこち遠征しないと良いオペラは聴けないのかと凹んでしまいそうなロイヤルオペラの今日この頃・・しょぼん

 

昔はこんなじゃなかったってことを証明するために、これまでのROHのリゴレット記事をリストアップしておきます。クリックで記事に飛びます。

 

リゴレット  2005年6月 Aネトレプコ、Pガヴァネッリ、Pベッツァーラ

リゴレット  2005年7月Dホロストフスキー、Rヴィリャゾン、Eシウリーナ

リゴレット 2007年7月 Pチョーフィ、Wキム、Fグルンドヒバー

リゴレット(これまでの公爵比較)  2007年7月 ROH

リゴレット(これまでのリゴレット親娘比較)  2007年7月 

リゴレット 2009年2月 Lヌッチ、Fメリ、Eシウリーナ、Kリドル

リゴレット  2010年10月 Dホロストフスキー、Pチョーフィ、Wキム

リゴレット(リハーサル) 2012年3月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット  2012年3、4月 Vグリゴーロ、Eシウリーナ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット (ジルダ代役) 2012年4月 Vグリゴーロ、Lクロウ、Dプラタニアス、Cライス

リゴレット(中村恵理さんの写真)   2014年9月 中村恵理

リゴレット   2014年9月 Dプラタニアス、中村恵理、Sピルグ

リゴレット   2014年9月 Sキーンリーサイド/Dプラタニアス、Aクルザク/中村恵理、Sピルグ

 

 

最後に、ホロ様へのトリビュートとして、今年5月にニューヨークのメトロポリタンオペラのガラにサプライズ登場して歌ったリゴレットのアリアを貼っておきます。 最後の力を振り絞って歌うホロ様の姿からはどれだけリゴレットをもう一度歌いたかったかが伝わってきて、涙なくしては観られない壮絶な映像ですしょぼん

 

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<11th Dec Mon>

昨日の雪で果たして今日は着物で出掛けられるかどうか心配だったけど、雪は解けたのでなんとかなりました。ムスメもベルリンから今日予定通り戻ってきました。昨日だったらきっとフライトがキャンセルになって面倒なことになるところだったので、ラッキー。 トーチャンは昨日、猫の面倒みるためにムスメの家に行ったのですが、あんな少しの雪で交通マヒになってしまうロンドン、大変だったようです。

今月すでに5回着物着てますが、ブログのいわばオマケである着物記事ばかりではなく、主テーマのオペラ観賞の記録も残しておかないとね。

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12月2日(土)はお馴染みの二本立てCav&Pag(カヴァレリア・ルスティカーナと道化師)の初日でした。

 

2年前にプレミエだったミキレットの演出は、全く関連のない二つのオペラを同じ村で続けて起こった出来事にして繋がりをもたせたところがポイントで、それによってお互いのストーリーに広がりを持たせたのは上手いなあと今回あらためて感心。例えば、「カヴァレリア」で息子が殺されるきっかけを作った恋人を憎んで終わった母親が「道化師」で登場して彼女を許し、更に今回は(先回はそうじゃなかったと思うけど?)彼女の妊娠を知って喜んで終わるので観客も「よかったね」と暖かい気持ちになって救われるし、「道化師」の奥さんの浮気相手はそのお母さんの所で働いてた若者という想定にして二人の出会いのシーンを目撃することによって状況が更に明らかになって納得できます。

プレミエ(→こちら)と同じ歌手も何人もいますが、重要な役に新しい人も何人か出たので、主に先回との比較にしてみます。 良いレビューがもらえたのは前回より歌手が良かったからですから。

Bachtrack ★★★★★
Telegraph ★★★★
Times (£) ★★★★
Arts Desk ★★★

 

 カヴァレリア・ルスティカーナのカーテンコール 

 

道化師のカーテンコール

最後は皆さん勢揃い

CavのガランチャとPagのキーンリーサイドが手に手を取ってお隣同士だったので、思わぬツーショットが撮れました。今回の注目はなんといってもこの二人ですから。

 

Cavalleria rusticana

 

Music Pietro Mascagni

Libretto Giovanni Targioni-Tozzetti and Guido Menasci

Director Damiano Michieletto 

Set designer Paolo Fantin

Costume designer Carla Teti 

Lighting designer Alessandro Carletti

 

Conductor Daniel Oren

Santuzza Elīna Garanča

Turiddu Bryan Hymel

Mamma Lucia Elena Zilio

Alfio Mark S. Doss

Lola Martina Belli

 

カメラ小さい写真はクリックで拡大。

     

サントゥッツァ役のエリーナ・ガランチャの美しさと上手さが際立って、良いレビューは彼女によるところが大きい筈。先回のウエストブルックよりうんと良かっただけでなく、地味でダサい衣装でも神々しいほど艶やかだし、ナチュラルな素晴らしい演技と歌唱で捨てられた女の哀しみが伝わってきました。 わざとらしかったカルメンよりずっと良いわクラッカーラブ

 

ガランチャを泣かせるトゥリッドゥ役はブライアン・ハイメル。ここには出過ぎの上(つい最近もシチリア島の夕べの祈りに出たばかりだし)、あのベチャーっとした声が好きではないけど、客観的にみれば声はよく出てるし芝居もちゃんとこなして、先回の大根役者アントネンコよりもずっと良かったです。見る度に太ってるのは二枚目役としては心構えがなってなくて落第だけどパンチ!。 折角大柄なガランチャと並んでサマになる背丈もあって顔も悪くないのに勿体ないったら。

     

お母さん役とローラ役は先回と同じなのは面白みないけど、二人とも上手なので不満はなし。ローラの旦那アルフィオは初めて聴く人だけど、なかなかダンディで、先回のずんぐりむっくりのプラタニアスより妻に嫉妬する役柄には向いてるルックス。ドラマとしての信憑性が大事ですからね、このオペラは。

 

   

 

Pagliacci

MusicRuggero Leoncavallo
Libretto Ruggero Leoncavallo
Director Damiano Michieletto
Set designer Paolo Fantin
Costume designer Carla Teti
Lighting designer Alessandro Carletti
 
Conductor Daniel Oren
Canio Bryan Hymel

Tonio Simon Keenlyside

Nedda Carmen Giannattasio
Silvio Andrzej Filończyk
Beppe Luis Gomes

 

    

道化師の奥さんに横恋慕するけど拒絶されるトニオ役のサイモン・キーンリーサイドは、前回のプラナニアスと全く違うキャラに見えました。 私にはどうあるべきかわからない役だし、もちろんサイモンの方が見映えはして歌唱も変化に富んでるけど、これがロールデビューのサイモン自身もどういう役作りにしていいのか迷っているのか、正体不明のトニオでした。 第一、私の目にはサイモンは知的過ぎて、人妻をものにしようととするしがない旅芸人にはみえないのです。 サイモンに向いてるとも思えないし、なんか照れてるように見えたし、ドラマとしてしっくり来ないトニオでしたえー?

 

妻に浮気されて見境がなくなる道化師役は、違うテノールの予定だったのに、間際になってからブライアン・ハイメルが代役になって、出過ぎにも程があるでしょうがガーン、と一気にテンション下がりました。二役歌えるスタミナは凄いと思うし、そつなくこなしたけど、カヴァレリアのトゥリッドゥ程役作りがしっかり出来てないようにみえました。 私がサイモンにばかり注目してハイメルを見てなかったせいかもしれないけど、ええ加減うんざりだから見たくないし聴きたくもないので、ガランチャはもう一度聴きたいけど、もう一度行く気が失せたのはハイメルのせいです。

道化師の妻とねんごろになるシルヴィオのおにいさんは、太めだけどなかなか素敵で、ネッダが惚れるのも理解できました恋の矢

 

   

ネッダが先回と同じカルメン・ジャンナタッシオだったのが一番つまらなかった。特に上手でもないし、他に誰かいないのか?むっ

   

写真はガランチャとサイモンを主に狙ってたくさん撮ったので、どっさり載せちゃいますね。

    

 

 

 

    

先回はパッパーノ大将だった指揮者はダニエル・オレン。 ま、特に・・。

<29th Nov Wed>

ハリー王子の婚約者の諸々の問題が取り沙汰されてますが、全て承知で結婚を許した女王様の判断を信じましょう。あり得ないと思われたチャールズ皇太子の再婚だって結局は幸せになってるわけだし、本人同士の気持ちが大事。

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1年半前のプレミアで物議を醸し出したランメルモールのルチアの初リバイバルに2回行ってきました(10月27日のリハーサルと11月20日のBチーム)が、墓場でのセックスシーンとルチアの妊娠&流産というショッキングなルチアだったのに大幅に緩和されてすっかり毒気がなくなってました。 2016年4月のプレミエはダムラウとカストロノーヴォ(→こちら)、同じ年の5月のクルチャクとコステロ(→こちら

 

ナイフ Lucia di Lammermoor ラブラブ

 

Music Gaetano Donizetti

Libretto Salvadore Cammarano

Director Katie Mitchell

Designer Vicki Mortime

Lighting designer Jon Clark

Movement director Joseph Alford

Conductor Michele Mariotti
Lucia Lisette Oropesa
Edgardo Ismael Jordi/ Charles Castronovo (rehearsal)
Enrico Ashton Christopher Maltman 
Raimondo Bidebent Mirco Palazzi /Michele Petrusi (rehearsal)
Normanno Andrew Tortise
Arturo Bucklaw Konu Kim
Alisa Rachael Lloyd

 

 

ルチアの妊娠と流産はそのままですが、いやらしい場面は普通のラブシーンに変わってたので、「えーっ!二人はそんなことしてたんだ・・」と初めて見る人はそこで驚くわけですが、これじゃあつながりが悪いしインパクトも弱いぞ。普通は出てこない新郎殺害場面もやけにあっさりになってて、前はナイフだけではなかなか死ねなくてのた打ち回り最後は枕で窒息死したのに今回はナイフで一突き。どちらも大勢に影響はないのでどっちでもいいですが、それならもうひとつ是非変えて欲しかったのは、お風呂の水をジャージャー垂れ流す音みずがめ座。テノールの一番良いアリアが水の音で台無しになるって、オペラに対して一番失礼じゃないの? ムキー

 

The Stage ★★★★★
Times (£) ★★★★
Express ★★★★
Guardian ★★★★
Evening Standard ★★★★
Arts Desk ★★★★
WhatsOnStage ★★★★

 

  

 

プロダクション自体は評価されずパフォーマンス重視のリバイバルで4ツ星が並んだのは、ルチア役の若い無名のソプラノのおかげでしょう。小柄で可憐でか細くてまさに周囲の人々に翻弄されるルチアそのものリセット・オロペサは、印象が地味で声量もちょっと不足気味だった部分もあったけど、細い高音がきれいに出てとても良かったです。今後はもっとゆったり大袈裟に振舞って魅せ方をマスターし、大舞台での求心力を増しスターの貫禄を付けて欲しいものです。

 

     

 

恋人エドガルド役は二人いて、先回と同じチャールズ・カストロノーヴォのバリトンみたいな野太い声よりも、テノールらしい細い声のイスマエリ・ジョルディの方がずっと好きですが、これに関してはカストロノーヴォの余裕ある歌唱と演技が客観的にみて勝ってました。私が聴いた日のイスマエリ君は声がずっと硬くて演技も照れてるように見えてしまいましたから。
 
ルチアのお兄さん役は実力派クリストファー・マルトマン。凄みのあるギョロ目と楽々と出る深い声で先回のテジエに負けてませんでした。
ということで、随分穏やかなプロダクションになってしまいましたが、楚々としてルチアにはこの方が合ってるし、肝心のルチアの歌唱力は魅力的だったので良いことにしましょう。有名な狂乱の場面が今回はグラスハーモニカではなくフルートだったのは凄く残念だったけどえー?