だけど・・・自分を信じられないことは、とても悲しいことです。
サロマ挑戦を決めてから、私は平原綾香さんのJupiterを何度も何度も繰り返して聴きました。
♪夢を失うよりも 悲しいことは
自分を信じて あげられないこと
サロマ挑戦に当たって私は自分に誓いました。どんなことになっても、私は自分を信じ抜くと。サロマ完走にかけたこの思いはホンモノだと。だからどんなに苦しくなって足が出なくなっても、私はゴールまでたどり着く自分を信じて走り抜くと。
そんなことを心に誓ってこの場に立ったというのに、私はそのことを忘れかけていました。
70km関門まで走るためにサロマに来たんじゃありません。おしるこを食べるためにサロマに来たんじゃありません。
俺は・・・ゴールするために来たんだ!1歩も足が出なくなるまで走ったのならばともかく、俺はまだ走っているじゃないか!何を寝ぼけたことを言ってるんだ!
いける・・・。いける・・・。俺は絶対にいける!!!北海道マラソンでも仲間たちの予想を裏切ってゴールしたように、自分のここ一番の強さを信じて俺は走る!
足はますます動かなくなってきましたが、気持ちは再び蘇りました。この先、何が起こるかわかりませんが、ただゴールだけを目指して走ります。足は出なくなるかもしれませんが、気持ちだけはずっと前を向いて諦めたりはしません。
70kmの手前で浜佐呂間の市街地に入ります。市街地に入ると沿道の応援の人も増えるので、応援をエネルギーとして走る私としてはとても助かります。サロマの名物となっている大規模な私設エイドもあり、おしぼりで顔を拭いてさっぱりします。屋根の上で大漁旗を振って応援している民宿もあります。それらの応援に力をもらって、私も大きく両手を振りながら応えて通過します。
70km関門を越えると体はますますつらくなりました。コースはまた湖畔を走る道になりましたが、景色を楽しむような余裕はなくなっていました。
バックナンバー
1.無言の抗議
2.思い上がり
3.初フルでの挫折
4.ホームページ開設
5.北海道マラソン、奇跡の完走
6.そしてサロマへ・・・