うつ病ランナー サロマを走る(第10回) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 無事にソロデビュー戦を終えた私。8月、9月、10月と、近郊で行われるレースにはどんどんエントリーしていきました。まずは5km、または3kmというレースばかりです。そしてこの年の最後のレースに予定していたもこと山ふきおろしマラソンには10kmにエントリーしました。


 走るたびに記録も伸び、5kmは25分台で走れるようになりました。そして迎えた10月のもこと山ふきおろしマラソンです。この大会はハーフマラソン、10km、5km、3kmといった種目が行なわれて、ハーフと10kmのコースは下りワンウェイになっています。そのコースにも助けられて、47分08秒という好タイムでゴールすることができました。途中、5km地点の通過タイムが24分を切っており、5kmの自己ベストよりも早いタイムでした。この先どうなるのだろうと不安に思いましたが、その後もペースが落ちずに走り切れたのは、下りワンウェイというコースのおかげだったのでしょう。


 走っていて変わってきたのはタイムだけではありません。最初のうちは、苦しいのを我慢して走っているだけでした。走っている間は苦しくとも、目標達成をするためには走らなければならないという、いわば苦行のような感覚でした。


 ところが毎日走っているうちに、走ることそのものが楽しくなってきたのです。体そのものが、走れる体に徐々に変化してきます。そうすると、ゆっくり走っている分には苦しさもさほど感じなくなるのです。むしろ走っているときは自分の世界に浸りきることができ、爽快さすら感じるようになりました。


 こうなってくると、今度は抗うつ剤の存在が邪魔に思えてきます。薬を飲まなくても、今までに感じたことのないような爽快感を感じられるようになったのですから。走ることでせっかく気分が晴れ晴れとしてきているのに、抗うつ剤を飲んでいると逆にその爽快感を抑制しているように感じてしまい、勝手に薬の服用をやめてしまいました。そのことを主治医に知られると叱られると思い、病院へも行かなくなりました。


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