6月の大会で屈辱を感じ、それから1ヶ月あまり走り続けてきました。1ヶ月前と比べると、格段に走れるようになってきました。とはいえ、大会で5kmを最後まで歩かずに走りきれるのかどうか、というと半信半疑です。しかもレースのペースは、後方を走っているというのに練習よりもはるかに速いペースなのですから。両側に畑が広がっている道を走りながら、そんなことをいろいろ考えていました。
やがて5kmの部の折り返し点に達します。すでに呼吸も足も苦しくなっています。でもまだまだ半分以上の距離が残っているはずです。このあと来た道を戻り、スタートした競技場の横を通過し、市街地の中心部で行われているお祭り会場を目指さねばならないのですから。
お祭り会場・・・きっと大勢の人が出ていることでしょう。そんなところで歩いたりしたら・・・。
ヘルシーマラソンのゴール前の記憶が蘇ります。陸上競技場のスタンド前で、息子に引きずられるように走ったあのみじめさが・・・。もうあんな思いはしたくありません。この大会では絶対に歩くわけにはいきません。絶対に・・・。
いつしか私の頭の中を「走る」ということではなく、「歩かない」ということが大きく占めるようになっていました。
競技場の横を通り過ぎ、徐々にお祭り会場が近づいてきます。それにつれて、呼吸はますます苦しくなり、足はどんどん重くなります。もう少し、ゴールまではもう少しのはずです。私はなかなか見えてこないゴールを目指してもがき続けました。
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1.無言の抗議