ランニング雑誌で見て尊敬するランナーと思っていた事務局長さんに対する無礼な態度をとってしまったことへのお詫びの気持ちを綿々と綴りました。まだ走り始めたばかりの新米ランナーだというのに、自分が偉い存在になったような思い違いがあったこと。そのため、こうして大会を支えてくれる人たちのことを軽視していたこと。知らぬ間に、そんな思い上がった気持ちが自分の中に生まれていたこと。それがこうした傍若無人な態度をとってしまった原因に思えました。
そう考えてみると、この大会は地元のランニングチームの皆さんが、他のランナーが楽しく走れるようにと運営にあたっていただいている大会です。事務局長さんを始め、運営にあたっている皆さんもランナーですから、本当は自分たちも走りたいはずです。そんな気持ちを抑えて、この日ばかりは裏方に回ってくださっている。そんな皆さんの苦労と思いを、私は全く考えていませんでした。そんな皆さんに対する感謝の気持ちを、私はすっかり忘れていました。そんな感謝の気持ちを持っていたら、あんな態度を取れるはずがありません。
詫び状を書きながら、そんなことが次々とわき上がってきます。私はそれらを手紙に認めました。いつしか涙も頬を伝わっていました。
償いとして、そして自分への戒めとして、私はそこに一つの約束事を書きました。今回の反省を踏まえ、感謝の気持ちを忘れず、日本一マナーのいいランナーになることを目指すと。便箋に3枚くらいになったでしょうか。その手紙を、すぐに投函しました。
手紙は送ったものの、やはりそれだけでは気が済みません。翌日の昼近くなってから、ご自宅にも電話してみました。
あいにくご本人は不在で、奥様が出られました。私は昨日の出来事を奥様にお話しして、丁寧にお詫びを言いました。奥様によると、前夜ご自宅に戻られた事務局長さんは、さすがに意気消沈していたそうです。これまでもマラソンやクロスカントリースキーの大会運営の中でいろいろなトラブルはありましたが、今回はその中でも1番応えていたようで、もう運営のお手伝いはやめようかとすっかりしょげかえっていたそうです。私は自分のしでかした事の重大さを改めて感じました。
それから30分くらい奥様と電話でお話をしましたが、私は何度も繰り返してお詫びを言うほかはありませんでした。
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1.無言の抗議
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