うつ病ランナー サロマを走る(第17回) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 ここからゴールまでの区間は河川敷のほぼ平坦なコースです。ここまでは下りと怒りを利して闇雲に走ってきましたが、さすがに平坦になると今までのようなペースでは走れません。下流に向かって走っているのですから緩やかな下り坂のはずなのに、逆に上り坂のようにも感じます。1kmのラップも5分/km前後に落ちています。でもペースアップをしたおかげで、一時は諦めかけていた2時間切りも可能なペースになっていました。せっかく訪れたチャンスです。最後まで気持ちを切らさずに走ってなんとか2時間を切ろうと、気合いを入れ直しました。なによりも、ペースが落ちて先ほど心の中で罵声を浴びせながら抜いてきたランナーたちに抜き返されるということだけは絶対に避けたいことです。


 1kmごとにラップを確認しながら必死で走りました。そしてそのままペースを落とさず、ついに初ハーフのゴールに飛び込みました。


 初めてのハーフマラソンは1時間58分17秒。スタート前からいろいろなことがあったレースでしたが、どうにか目標の2時間を切ることができました。


 でも、いいことばかりが続いたわけではありません。走れるようになるにつれ、私は知らず知らずのうちに思い上がった気持ちを持つようになっていたようです。そのことがとんでもない事件を引き起こしてしまいました。


 私はハーフマラソンも完走できたことで、もういっぱしのランナーになったような気持ちになっていました。そしていつの間にか、大会で車道を走っている自分が歩道で応援している人たちよりも一段上の存在であるかのような感覚を持つようにさえなっていたようです。「頑張れ~」という沿道からの声援を受けて、「オレは精一杯頑張っているよ。本当に頑張らなきゃならないのは、歩道から応援することしかできないオマエたちの方だろう」などという傲慢な気持ちを持っていました。


 そんなある日、事件が起きました。


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