うつ病ランナー サロマを走る(第15回) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 スタートロスがあり、集団でペースが上がらず、挙げ句の果てにはランナーストップ。もう序盤から目標達成は厳しい情勢です。でも、やるだけやってみなけりゃ結果はわかりません。GOサインが出てからは、予定よりもちょっとペースを上げて、5分10秒~20秒/kmのペースで走りました。


 やがてコースは林道に入ります。前日からの小雨のためちょっとぬかるんだ道を、私は走りました。スタート直後ほどの混雑でもなくなり、私は自分のペースで走ることができました。そのままのペースで中間点を通過し、折り返しました。序盤は思うように走れなかったことが逆にオーバーペースになることを防いでくれたようで、まだまだ余力を感じながらの走りができていました。


 あれは14kmを過ぎたあたりだったでしょうか。林道を抜けて道道を横断してサイクリングロードに入る部分があります。そこには2カ所目のランナーストップが設けられています。


 ランナーストップ地点まで100mくらいに差しかかった頃だったでしょうか。「止まれ」と書かれたプラカードが掲げられ、コース上にロープが張られました。


 ああ、またか・・・ついてないなあ。そう思った次の瞬間、私は信じられない光景を目にしたのです。


 そのロープに差しかかったランナーたちが、係員の制止を振り切って、次々とロープをくぐっていくではありませんか。群集心理でしょうか、1人がやればみんなが続く。そんな感じで誰1人として止まろうとせず、次々とロープの下をくぐり抜けていきます。


 その姿は、蜘蛛の糸を上っていくカンダタに続いて我も我もと上っていく地獄の亡者たちのようにも見え、汚らわしささえ感じました。


 とうとう私がそこにたどり着くまで誰1人として止まろうとせず、ロープの下をくぐり抜けていきました。しかし面白いものです。私がそこで止まると、今度は後ろから続いてきたランナーたちは誰1人としてくぐり抜けようとせず、ロープの手前で立ち止まりました。