2.思い上がり
この年の9月には、千歳日航マラソンで初めてのハーフマラソンにも挑戦しました。フルマラソンから3kmまでさまざまな種目があり、6千人を超える大勢の人が参加している大会でした。フルマラソンとハーフマラソンの完走者には、フィニッシャーTシャツも贈られます。背中にFinisherと書かれたTシャツがほしくて、この大会を初ハーフに選びました。
でも10kmまでのレースしか経験がないため、その倍以上の距離となるハーフマラソンを走るということには、楽しみであると同時に大きな不安を感じていました。そのためでしょうか、前夜は夜中に何度も目を覚ましたため明らかな睡眠不足でした。しかも神経性の下痢にまでなってしまったのか、スタート30分前まで何度もトイレ通いが続く始末です。一時はこんな状態でハーフマラソンなんて走れるのだろうかと、出走をとりやめることさえ頭に浮かぶほどでした。
スタート10分前にどうにかスタートラインには並んだものの、不安いっぱいでスタートを迎えました。
何度か走った10kmのレースは50分を切って走っています。そこでここは2時間切りという目標を立てて臨みました。練習では15kmくらいまでしか走っていませんでしたから、ハーフマラソンの距離に対する実感はまだありませんが、5分40秒/kmのペースで走れれば2時間を切ることができます。そのくらいのペースでなら走れるのではないかと思っての目標設定でした。
ところがスタート地点は大変混雑しており、なかなかスタートラインまで行けません。2分あまりが経過してようやくスタートラインを越えたものの、その後もコース幅いっぱいにランナーが広がっているため、思うようにペースが上がりません。
さらに、この大会のコースは車道を横断する部分が3カ所あり、そのそれぞれで車を通過させるためランナーストップを実施する場合があると注意事項にも記されていました。4km付近で行われていた最初のランナーストップ。私は見事に引っかかりました。