うつ病ランナー サロマを走る(第39回) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 中間点を過ぎてもまだまだ余力を感じます。すると気持ちも徐々にハイになってきてしまいました。知らず知らずのうちに自分のペースが速くなってしまったのでしょうか。それとも仲間のペースが落ちてきたのでしょうか。前方に見える仲間の背中が徐々に大きくなってきました。しかもそこには別の仲間たちも吸収され、3人の集団となっています。


 ここが思案のしどころです。このままの差を保って走るか。それとも下手に抑えたりせず、一気に追いついて、自分もその集団の一員となるか。でも、私はまだまだマラソンの怖さを心底からは理解していなかったようです。ハイになった気持ちに任せて、そのまま追いついていきました。


 しばらくは4人の集団で話しながら走りました。でも追いつくためにひとたびペースを上げたせいでしょうか、その集団のペースに合わせて走るのが走りづらく感じてしまいました。そのため私1人が集団から飛び出すような形になってしまったのです。


 ひとり旅となった私は、30km過ぎまではサブフォーペースを維持していました。頭の中に刻み込んでいた北海道マラソンの関門制限時間もクリアしています。今までは30km地点というと完全に失速していた私ですが、いよいよサブフォーが現実味を帯びてきました。


 ところが32kmを過ぎると、急に体全体が動かなくなってしまいました。あとから考えると、エネルギー切れだったようです。朝食のとり方、そして給食のとり方が不十分だったのでしょう。また体そのものがまだまだマラソンランナーの体といえず、余分な体脂肪は抱えていても、使えるエネルギーが十分に蓄えられていなかったのでしょう。


 今までのフルマラソンの失速は、いずれも足の痛みが襲いかかってきました。でも今回は、足の痛みはそれほどではありませんでした。でも足が痛いわけでもないのに、ペースはどんどん落ち始めていきます。自分の思い通りに動いてくれない体がとてももどかしく思えます。


 20kmを過ぎてから抜いてきた仲間たちがひとり、またひとりと、声をかけながら私を抜いていきます。何とかついていこうと思うのですが、気持ちとは裏腹に体は全然言うことをきいてくれません。またしてもサブフォーは遠のいてしまいました。


 第40回へ


バックナンバー


1.無言の抗議

 第1回   第2回   第3回   第4回   第5回

 第6回   第7回   第8回   第9回   第10回

 第11回   第12回   第13回

2.思い上がり

 第14回   第15回   第16回   第17回   第18回

 第19回   第20回   第21回   第22回

3.初フルでの挫折

 第23回   第24回   第25回   第26回   第27回

 第28回   第29回   第30回   第31回

4.ホームページ開設

 第32回   第33回   第34回   第35回   第36回

 第37回   第38回