中間点を過ぎてもまだまだ余力を感じます。すると気持ちも徐々にハイになってきてしまいました。知らず知らずのうちに自分のペースが速くなってしまったのでしょうか。それとも仲間のペースが落ちてきたのでしょうか。前方に見える仲間の背中が徐々に大きくなってきました。しかもそこには別の仲間たちも吸収され、3人の集団となっています。
ここが思案のしどころです。このままの差を保って走るか。それとも下手に抑えたりせず、一気に追いついて、自分もその集団の一員となるか。でも、私はまだまだマラソンの怖さを心底からは理解していなかったようです。ハイになった気持ちに任せて、そのまま追いついていきました。
しばらくは4人の集団で話しながら走りました。でも追いつくためにひとたびペースを上げたせいでしょうか、その集団のペースに合わせて走るのが走りづらく感じてしまいました。そのため私1人が集団から飛び出すような形になってしまったのです。
ひとり旅となった私は、30km過ぎまではサブフォーペースを維持していました。頭の中に刻み込んでいた北海道マラソンの関門制限時間もクリアしています。今までは30km地点というと完全に失速していた私ですが、いよいよサブフォーが現実味を帯びてきました。
ところが32kmを過ぎると、急に体全体が動かなくなってしまいました。あとから考えると、エネルギー切れだったようです。朝食のとり方、そして給食のとり方が不十分だったのでしょう。また体そのものがまだまだマラソンランナーの体といえず、余分な体脂肪は抱えていても、使えるエネルギーが十分に蓄えられていなかったのでしょう。
今までのフルマラソンの失速は、いずれも足の痛みが襲いかかってきました。でも今回は、足の痛みはそれほどではありませんでした。でも足が痛いわけでもないのに、ペースはどんどん落ち始めていきます。自分の思い通りに動いてくれない体がとてももどかしく思えます。
20kmを過ぎてから抜いてきた仲間たちがひとり、またひとりと、声をかけながら私を抜いていきます。何とかついていこうと思うのですが、気持ちとは裏腹に体は全然言うことをきいてくれません。またしてもサブフォーは遠のいてしまいました。
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1.無言の抗議
2.思い上がり
3.初フルでの挫折
4.ホームページ開設