二つ目は給水の紙コップやスポンジはゴミ箱に捨てることです。市民マラソン大会の給水所付近は、紙コップやスポンジなどが散乱しています。それはある程度やむを得ないとしても、ゴミ箱が設置されているにもかかわらず、そのゴミ箱を無視して路上に捨てていくランナーも大勢います。
子供たちと練習をしていたある日のことです。子供たちは家の中からテーブルと紙コップを持ち出し、家の前に給水所を設けました。そんな光景を笑ってみていたまではよかったのですが、約1kmのコースを1周してきて給水所に差しかかった彼らは、その紙コップの水を飲むと、空いたコップを道路に捨てたのです。
「ちょっと待て」
私は2人を呼び止めました。
彼らには何の悪気もありませんでした。テレビのマラソン中継では、ランナーは飲み終えた紙コップを路上に捨てています。彼らはマラソンではそうすることが当然と思い込んでいたのです。
彼らの言うとおりです。マラソン中継の中では紙コップを路上に捨てるのは当たり前のことです。でも日常の生活では、それは明らかに間違ったことです。私はその違いを子供たちに教えるのに苦労をしました。
私は私の姿勢として、家の中でしないことはコース上でもしない、ということを貫きたいと思いました。誰も家の中ではところかまわずつばを吐いたりはしないでしょう。ところかまわずゴミを捨てたりはしないでしょう。だから道路でも同じことをしたい。自分の家を愛しているように、こうして走らせてもらう道を愛したい。そういう姿勢です。幸いなことに、子供たちもそんな私の姿勢を理解してくれました。
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1.無言の抗議
2.思い上がり
3.初フルでの挫折
4.ホームページ開設