なにしろ100kmの長丁場。13時間もの長時間のレースです。前半から飛ばす必要はまったくありません。オーバーペースだけは禁物です。そのため、スタートエリアは最後尾の方に回っていきました。するとそこには同じような考えの仲間も何人かいて、ここでもみんなと談笑して過ごしました。
エントリーしてからの5ヶ月間。このレースのことばかりを考えてきました。そのため気負い過ぎも心配だったのですが、仲間と一緒にいるおかげで気負いもまったくありません。
3分・・・2分・・・1分・・・。
スタートゲートの下にある時計は、スタートの時刻が刻一刻と迫っていることを告げています。私は大きく深呼吸をしてスタートを待ちます。正面の時計がスタート時間になったことを表示すると同時に号砲が鳴り響きました。いよいよ13時間の長く、苦しく、そして最高に楽しい旅の始まりです。
約2千人の選手が一斉にスタートするわけですから、号砲が鳴っても後ろの方はなかなか動き出しません。でも13時間もの時間があるわけですから、何も慌てる必要はないでしょう。100kmという距離を考えた場合、スタートでの1~2分のロスよりも、オーバーペースの方がずっと重大な問題となるはずです。焦る必要はまったくありません。
みんな万歳をしながらスタートゲートをくぐっていきます。私も同じように、スタートゲートをくぐるときは両手をあげていました。スタートロスは2分10秒。たいした時間じゃありません・・・と、このときは思っていました。
スタート後、まずは湧別町内をぐるっと回ります。ちょうどウォーミングアップをしているような感覚でした。そして市街地まで戻ってきて、私は驚きました。
まだスタートしたばかりです。午前5時を回って間もない時刻です。普段この時間に私が起床していることは滅多にありません。そんな時間だというのに、多くの町民の皆さんが沿道を埋めて応援しているじゃありませんか!自分の足で100kmを走ろうなどというとんでもないことを考えている変人達のために・・・。
そんな皆さんの暖かい声援に、早くも目がうるうるとしてしまいました。この先、何度涙を流すことになるのでしょう。涙で脱水にならないよう、水分と塩分は十分に補給しなきゃいけません。
バックナンバー
1.無言の抗議
2.思い上がり
3.初フルでの挫折
4.ホームページ開設
5.北海道マラソン、奇跡の完走
6.そしてサロマへ・・・