うつ病ランナー サロマを走る(第55回) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 なにしろ100kmの長丁場。13時間もの長時間のレースです。前半から飛ばす必要はまったくありません。オーバーペースだけは禁物です。そのため、スタートエリアは最後尾の方に回っていきました。するとそこには同じような考えの仲間も何人かいて、ここでもみんなと談笑して過ごしました。


 エントリーしてからの5ヶ月間。このレースのことばかりを考えてきました。そのため気負い過ぎも心配だったのですが、仲間と一緒にいるおかげで気負いもまったくありません。


 3分・・・2分・・・1分・・・。


 スタートゲートの下にある時計は、スタートの時刻が刻一刻と迫っていることを告げています。私は大きく深呼吸をしてスタートを待ちます。正面の時計がスタート時間になったことを表示すると同時に号砲が鳴り響きました。いよいよ13時間の長く、苦しく、そして最高に楽しい旅の始まりです。


 約2千人の選手が一斉にスタートするわけですから、号砲が鳴っても後ろの方はなかなか動き出しません。でも13時間もの時間があるわけですから、何も慌てる必要はないでしょう。100kmという距離を考えた場合、スタートでの1~2分のロスよりも、オーバーペースの方がずっと重大な問題となるはずです。焦る必要はまったくありません。


 みんな万歳をしながらスタートゲートをくぐっていきます。私も同じように、スタートゲートをくぐるときは両手をあげていました。スタートロスは2分10秒。たいした時間じゃありません・・・と、このときは思っていました。


 スタート後、まずは湧別町内をぐるっと回ります。ちょうどウォーミングアップをしているような感覚でした。そして市街地まで戻ってきて、私は驚きました。


 まだスタートしたばかりです。午前5時を回って間もない時刻です。普段この時間に私が起床していることは滅多にありません。そんな時間だというのに、多くの町民の皆さんが沿道を埋めて応援しているじゃありませんか!自分の足で100kmを走ろうなどというとんでもないことを考えている変人達のために・・・。


 そんな皆さんの暖かい声援に、早くも目がうるうるとしてしまいました。この先、何度涙を流すことになるのでしょう。涙で脱水にならないよう、水分と塩分は十分に補給しなきゃいけません。


 第56回へ


バックナンバー


1.無言の抗議

 第1回   第2回   第3回   第4回   第5回

 第6回   第7回   第8回   第9回   第10回

 第11回   第12回   第13回

2.思い上がり

 第14回   第15回   第16回   第17回   第18回

 第19回   第20回   第21回   第22回

3.初フルでの挫折

 第23回   第24回   第25回   第26回   第27回

 第28回   第29回   第30回   第31回

4.ホームページ開設

 第32回   第33回   第34回   第35回   第36回

 第37回   第38回   第39回   第40回   第41回

 第42回   第43回

5.北海道マラソン、奇跡の完走

 第44回   第45回   第46回   第47回   第48回

 第49回   第50回   第51回   第52回

6.そしてサロマへ・・・

 第53回   第54回