3週間前から続く
急性の上腹部の激痛発作の整体治療
患者Tさん=44才-女性・自営業/主婦の症例
● 逆流性食道炎の総合案内はこちら
● JHSC整体院の総合治験例はこちら
① Tさんの病歴・・・
患者Tさんは、約3週間前に何の前触れも無く上、突然上腹部の激痛に襲われたそうです。それは夕食後だったのでその日は痛みに一晩耐え抜いたそうです。この時市販の胃腸薬、その他を服用したそうですが、全く効果は無かったそうです。翌日に病院で検査されたそうですが、胃カメラではほとんど異常は無く、胃や食道は綺麗だったそうです。また膵臓や胆嚢など、他の異常所見は無かったそうです。ただ胃粘膜のごく一部に軽度の潰瘍らしきものがある、との事でタケキャブを処方されたそうです。しかしその日からも主に食後に激痛が続き、やはりタケキャブは効果が全く無く、その状態がこの三週間ずっと続いていたそうです。痛みが激しい時は動けないくらいの激痛だったそうです。
② Tさんの診察
・最初の急激な上腹部痛の発症状況は、夕食後2時間程した時に何の誘因も無く突然みぞおちを中心とする上腹部に持続性の激痛が生じたそうです。その時は就寝するまで側臥位で丸くなって寝て(胎児の姿勢)、痛みに耐えていたそうです。上腹部の激痛以外には嘔吐や悪心あるいは背中痛などは無かったそうですが、お腹からつき上がる様な「えずき」が何度もあったそうです。下痢や血便は無かったそうです。翌朝病院を受診し、軽度の胃潰瘍ではとの事でタケキャブを処方されましたが、その後3週間経った今でも痛みは軽減していないそうです。
・発症二日目の起床時は、昨晩の激痛がウソのように快調だったそうです。ただ昼食後2時間ほどたった頃に、昨晩と同様の機序で上腹部に激痛が生じたそうです。タケキャブを服用しても効果は無かったそうですが、約2時間後には次第に軽減してきたそうです。しかしその後も、食後にはその2時間後くらいに決まって上腹部痛が生じるようになり、このパターンが当院来院時まで3週間ほど連続しているそうです(痛みの持続期間はいずれも1~2時間)。Tさんはこの様な事が続くので食事するのが怖くなり、食事量を減らす様にしたそうです。すると最近になって、その上腹部痛は少し緩和しているそうです。ただやはり、少し食べ過ぎると約2時間後にはやはり激痛が生じるパターンは続いているそうです。
・呑酸や胸やけ、ゲップは無いそうです。
・元々便秘症だそうですが、便秘薬を服用しているので、排便や放屁は毎日あるそうです。ただそれで上腹部痛は改善しなかったそうです。
・尿や便の色に変化はなく、眼瞼粘膜は通常のピンク色でした。皮膚色は普通で、掻痒感などは無いそうです。
・血圧は正常範囲だそうです。血液検査で特段の所見は無かったそうです。
・Tさんは元来健康で、元気に活動するタイプだそうです。また食欲も旺盛で、今までほとんど胃腸のトラブルは無かったそうです。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音は通常通りに聴取されました。
・腹部触診上、十二指腸上行部と十二指腸空腸曲に極めて著明な緊張と圧痛がありました。また十二指腸下行部と幽門洞付近にも著明な緊張と圧痛がありました。心窩部の腫瘤感、抵抗感はありませんでしたが、軽度の緊張と圧痛がありました。肝叩打痛は無く、マーフィーサインは陰性でした。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 十二指腸空腸曲そして幽門洞から十二指腸全般の緊張/疲弊を解放して同部の蠕動運動機能(筋力)を回復し、通過障害を改善する
・十二指腸空腸曲解放テクニック
・幽門洞解放テクニック
・十二指腸平滑筋テクニック
・胃平滑筋テクニック
「施術中はメチャクチャ痛かったですが、(初診の)翌日には痛みが7/10くらいにまで軽くなっていました。さらにそれから次第に軽くなっていき、ここ数日は以前の2~3/10程度にまで軽くなっています。今まで食後2時間後くらいに決まって激痛がしていましたが、その回数も減ってきていて、最近では痛くならない事の方が増えています」と仰っていました。ただ触診上は、上腹部(主に十二指腸流域)には著明な緊張と圧痛が残存していました。施術後はこれらの緊張と圧痛はかなり軽減していました。
・3診目来院時(前回治療より九日後)、
前回治療後四日間くらいは調子がよかったそうですが、五日目くらいから上腹部に違和感ないしは軽度の鈍痛が生じるようになっていたそうです。そんな中、九日目の朝食で脂物の食材を食べたところ。その数十分後に上腹部に痛みが生じ、それが次第に増強して、従来の様に激痛になった為二時間ほど寝ていたそうです。吐き気や便意、下痢などは無かったそうです。ただ軽度の呑酸的な症状は少しだけあったそうです。そんな中で連絡があり、急遽来院する事になりました。その施術後は、その痛みはほぼ解消していたそうです。
・4診目来院時(前回治療より七日後)、
「絶好調にはもうひとつですが、かなりいい状態でした。」と仰っていました。施術後「いや~、最初の時は施術されるところの全てがメチャクチャ痛かったですが、(今回は)部分的に痛い所があるくらいで、大分マシになっています」とも仰っていましたので、これで様子を見て頂く事にし、今回の集中治療を終了する事にしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
Tさんの上腹部痛は激痛だが器質的病変では無い ?!
・今回のTさんの上腹部痛ですが、胃カメラ的には胃粘膜にごく軽度の潰瘍が認められるだけで、特段の器質的な病変は認められませんでした。また上腹部の突然の激痛で注意しなければならない疾患は数々ありますが(中でも胆石症や急性膵炎、動脈瘤など)、それらを示唆する器質的な所見も特に見当たりませんでした。しかしTさんの上腹部痛はかなり激烈なものでした。
Tさんの上腹部痛は通過障害が原因 (一種の腸閉塞的状態) ?!
・以上の事から、今回のTさんの突然の上腹部痛は、器質的というよりは機能的な病態の可能性が高いのでは、と考えられました。そして機能的な上腹部痛原因の中で激痛に見舞われるような病態といえば、最初に思い浮かぶものは消化管の通過障害的な病態でした。
・つまり上部消化管の一部で一時的な通過障害が、言い換えると一種の部分的な腸閉塞的状態が生じているのでは、と推測できました。これだと激痛が生じえます。この考えは、Tさんの所見である「発症二日目の起床時は、昨晩の激痛がウソのように快調だった」という事からも推測できます。つまり、発症の翌朝は消化管内の食物残渣が通過し終わった後だからこそ、痛みの原因は雲散霧消してしまい、それこそ” 昨晩の激痛がウソのように快調”になったのでは、と思われます。
上腹部痛の発症が食後2時間後、、、
これが治療の大きなヒント !!
・ところでその一時的な腸閉塞部分は、触診所見から十二指腸空腸曲が最有力と思われました。この考えは、Tさんの上腹部痛発症が食後2時間前後してから始まる事を考えれば、至極整合性があるのでは、と思われました。何となれば、食後2時間後といえば、胃内に滞留していた大量の飲食物が十二指腸に入り、その出口である十二指腸空腸曲に集積する時間とほぼ同じだからです。
・この事は(☚病変の主座が十二指腸などの上部の消化管にある事は)、Tさんは毎日排便や放屁がある事からも、そして排便や放屁で上腹部痛が解消されない事からも推測されます。つまりこの事は、その病変の主座が大腸などの下部の消化管ではない事を示唆しているからです。またTさんの付随所見として、”お腹からつき上がる様な「えずき」”がありますが、これも上部の消化管の病態を示唆する所見と考えられるからです。
食餌通過の難所…十二胃腸空腸曲とは、、、
・ところで十二指腸空腸曲は消化管の中でも特異的な部位といえます。それは、同曲は180°Uターンする部位であり、かつそれまでの後腹膜から腹膜を貫通して腹膜内に入る難所的な部位だからです。つまりこの解剖学的特殊性から同曲は食餌が通過しにくい部分の代表格とも言えるのです。
飽食の時代、、、
誰もが疲弊している可能性のある十二指腸空腸曲…
・現代の様に大量の飲食物を常に飲食できる飽食の時代にあって、言い方を変えると、年がら年中大量の食餌が十二指腸を通過する時代にあって、十二指腸空腸曲とその口側である十二指腸上行部や水平部の筋肉はかなり疲弊し、その通過が困難になっている事は容易に推測できます。
・ですからTさんの様に、食餌が十二指腸空腸曲で通過障害を起こし、それを無理やり空腸側に押し出そうとして十二指腸上行部や下行部が強縮する事で同部に腸閉塞様の激痛が生じる事も、充分にあり得る事と考えます。
胃の出口=幽門洞も疲弊していた ?!
・さらに加えて、Tさんの上腹部痛には幽門洞付近の疲弊も関係しているのでは、と推測されました。それは同じく触診所見で「十二指腸下行部と幽門洞付近にも著明な緊張と圧痛」があったからです。
Tさんの治療方針と結果・・・
・以上の事から、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、
⑴ 十二指腸空腸曲そして幽門洞から十二指腸全般の緊張/疲弊を解放して同部の蠕動運動機能(筋力)を回復し、通過障害を改善する
を設定し、その対応テクニックとして
・十二指腸空腸曲解放テクニック
・幽門洞解放テクニック
・十二指腸平滑筋テクニック
・胃平滑筋テクニック
を施術したわけです。
・Tさんは主婦であり自営業もされているので、通院時間がなかなか取れずに治療間隔がかなり開きました。ですからその回復はスムーズにいかず、多少の揺り戻しはありましたが、しかし3週間も続いていた食後の激痛発作は次第に解消していき、4診目にはほぼ完治に近い状態だったので、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。
● 逆流性食道炎の総合案内はこちら
● JHSC整体院の総合治験例はこちら
● 治療のお問い合わせは下記ま
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
付属治療室
●診療時間 【予約制】
・午前診…10時~13時
・午後診…15時~18時
●診療日
・月曜日~金曜日
(水曜日=午前診のみ)
・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ
●休診日
・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日
●治療費
・初 診 7,500円
・2回目以降 5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880
● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2年制整体学校
次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。
1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880
●メールでのご相談、資料請求、体験入学…受付中
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、和歌県、紀の川市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県、三田市、八王子市、福島市、津市、さいたま市、藤沢市、加古川市、豊田市