【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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耳管開放症(自声強聴)と顎関節症の整体治療
14診目で両方とも改善した症例の解説です

患者Yさん=33才-男性・会社員の症例

 

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①    Yさんの病歴・・・
患者Yさんは、
鼻詰まり、後鼻漏尿漏れ下痢、歯の知覚過敏など、多彩な愁訴がありましたが、耳管開放症による自声強聴もあり、仕事や商談などにかなり支障がでているので、本件と関連のある顎関節症についても併せて整体治療することになりました。
【Yさんは遠方にお住いのため、一度の来院で2枠分の施術時間を設けたり、あるいは一度の来院で、午前診は二枠分、午後診で二枠分の施術時間を設けて(合計4枠分)治療したりしました。またYさんは会社員であるので、会社に1か月の休暇を取られ、その間で治療が完了する集中治療計画を立てて施術しました。その際、施術による副作用に細心の注意を払いながら、施術を進めていきました。】

 



②    Yさんの診察
・右耳で自声強聴が初めて出たのは5年前で、近医を受診すると「耳管開放症」と診断を受けたそうです。自声強聴は毎日出るのではなく、数日に一度の割合で出るそうです。ただ運動後やエレベーターの昇降時には生じやすいそうです。左耳で自声強聴が生じることは無いそうです。耳鳴りや難聴は無いそうです。
・幼稚園の頃に右耳が痛くなったので近位を受診すると、中耳炎と診断されたことがあるそうです。それ以降、時折右耳の奥にボコボコとした違和感を感じる時がたまにあったそうです。
・近視ですが、眼圧などは正常で、今まで眼科医から異常を指摘されたことは無いそうです。
・鼻がつまるのは右鼻だけで、左鼻はあまりつまらないそうです。鼻閉はあっても鼻水はほぼ出ないそうです。ただ後鼻漏はあるそうですが、サラサラとした液体調でほぼ無色透明だそうです。これらの症状はどちらも10年ほど前から毎日のように続いているそうです。耳鼻科の担当医から「治すには手術しかありません」と言われているそうです。
・今までの検査の中で、花粉症などのアレルギーや鼻腔、副鼻腔、上咽頭などに炎症所見が確認されたことは無かったそうです。
・虫歯や歯肉炎(歯周病)は無いそうですが、歯をかみしめる癖、歯ぎしりがひどいそうです。歯科医より歯のすり減りを指摘されていて、それは左右ともあり、5年前からマウスピースの処方を受けているそうですが、よくマウスピースをつぶしてしまうそうです。
・5年ほど前から、上下左右の小臼歯付近に知覚過敏があり、冷たい飲食物やドレッシングなどの酸っぱい飲食物で知覚が過敏になるそうです。今までいろいろな治療を受けたそうですがどれも改善するには至らず、知覚過敏の原因はよく分かっていないそうです。
・10年以上前から左の顎関節症があり、顎関節付近の軽度の疼痛と、顎の開閉時のクリック音、および口の開閉時の非対称(右顎が先に動く)があるそうです。また左の奥歯のかみ合わせが悪く、両方の歯をかみ合わせたとき、左の上下の奥歯の間が1~2mmほど開いているそうです。
・高校生の時に3年間ほど歯科矯正をしていたそうです。その際に左右上下の奥歯(4本)を抜歯しているそうです。
・下顎を前方に突き出す検査ではほぼ正常でしたが、下顎の左右側方への運動については、左側方への運動は、かなり制限されていました。
・いびきがひどく、両親や奥さんからよく指摘されるそうです。睡眠時に無呼吸があるかどうかは不明だそうです。
・発声や構語の異常は無いそうですが、嚥下時にむせる事(誤嚥)は度々あるそうです。鼻腔への逆流は無いそうです。
・カーテンサインは陰性でした。
・頭顔面の視診上、気管は正中にあり、甲状腺の腫脹、委縮はありませんでした。鼻梁は「し」状に右側凸で軽度彎曲していました。左右の上・下眼瞼に、かなり濃い「くま」があり、顔面全体がくすんでいました。
・残業があると頭が全体的に痛くなることが多いそうです。
・左の後頚部から左肩甲骨上角にかけて、しびれに似た疼痛が常時あるそうです。
・血圧は正常で、血液検査で異常を指摘されたことは無いそうです。
・頚胸部聴診上、血管雑音は無く、心音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音はやや弱めで聴取されました。
・頸頬部触診上、第5,6棘突起(C5,6)の押圧で著明な圧痛がありました(特にC6)。左右の下顎切痕部や頬骨弓下方(側頭下窩)にも著明な緊張と圧痛がありました。左右の眼窩下孔やオトガイ孔に圧痛・放散痛はありませんでした。しかし眼窩下孔の下部とオトガイ孔の上部に軽度のしこり(硬結部)と圧痛がありました。頸部の筋肉群は、前後左右の筋肉全般が緊張し、圧痛がありました。特に右側の頸椎(C1~C7)横突起前後には数mm大のしこりを伴う緊張がありました。また同部の押圧により、右耳の奥のほうで「パコパコ」といった振動(?)が誘発したそうです。
・腹部触診上、回盲部で著明な緊張と圧痛がありました。特に右上前腸骨棘(ASIS)から右鼠経靭帯~恥骨結合にかけて、数mm大のしこりと緊張および強い圧痛がありました。特に恥骨の直上部位は極めて硬く、かつ極めて強い圧痛がありました。心窩部や左季肋部(十二指腸空腸曲)でも緊張と圧痛がありました。打診上、臍より下方は全般的に濁音で、かつ触診的にも下腹部全般的にかなり硬めの粘土状の感触がありました。
・Yさんの身長は170cmで、体重は55kgだそうです。



➂ 治療目標と整体治療

⑴    耳管軟骨の緊張を解放し、耳管を閉鎖する
⑵    耳管-耳管軟骨周囲の血流を改善し、代謝を改善する
⑶    関節円板に停止する外側翼突筋の過緊張を解放し、関節円板の前方偏位を矯正して顎関節機能の齟齬を解消する
⑷    顎関節構造体の循環を改善し、新陳代謝を促進して、可能な限り同構造体の復元を期待する
 
   ・耳管咽頭筋解放テクニック
     ・口蓋帆張筋/口蓋帆挙筋解放テクニック
     ・耳神経節解放テクニック
     ・咽頭神経叢解放テクニック
     ・外側翼突筋解放テクニック
     ・翼突筋静脈叢解放テクニック
     ・蝶口蓋&翼突管&上鼓室動静脈(顎動静脈)解放テクニック
     ・上行咽頭動脈解放テクニック
     ・上口蓋動静脈解放テクニック

 





④    経過と結果・・・
【Yさんは遠方にお住いであり、また数多くの愁訴がある方でしたので、今回の来院でそれらを一括して整体治療を受けたいとの事でした。その為に、会社に一か月間の休暇届けを出され、その間にまとめて整体治療することになりました。この様な状況ですので、下記の経過にはそれらの愁訴の経過がランダムに記されていて、本件(耳管開放症(自声強聴)と顎関節症)については分かりにくくなっているかと思います。そこで本件については
青字で記しています。】
・初診治療後、

「施術の途中から右鼻が通ってきて、今も鼻の通りは良いです」と不思議そうに仰っていました。また左側方への下顎の移動は、かなり改善されていました。


・2診目来院時、

「鼻が通っていたのは(治療終了後)3時間くらいでした。それからはいつもと同じく鼻がつまりました。その他の症状も元に戻りました。ただ歯の知覚過敏についてはかなり楽で、普段の2/10程度が今でも続いています」と仰っていました。また「治療後すぐに体がだるく、眠気も強くなったので、ホテルに戻ってからすぐに眠りました。それと頻尿気味になりました」とも仰っていました。


・6診目来院時、

後鼻漏や自声強聴はありませんでしたが、鼻閉はつまったり通ったりの繰り返しでしたただ通っているとしても6~7分くらいの間でした歯の知覚過敏は、(初診以来)ありませんでした。」と仰っていました。また「下痢便はなくなりましたが、やはりまだ軟便ですね」とも仰っていました。


午前診後の休憩後、

「さっき食事をしている時に気が付いたのですが、左の歯の”かみ合わせ”が良くなりました! 十年以上もかみ合わせが悪かったのに、急に良くなってビックリしています」と仰っていました。また「”知覚過敏がどこまで良くなっているかな~”、と思い、思い切って氷で満たしたお水を飲んでみましたが、ほんの少し違和感がある程度で無理なく飲めました。つい先日までは、こんな事をすると飛び上がるほど歯に響いていましたが、今は全然ましです」とも仰っていました。


・8診目来院時、

後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはあり、それが強くなったり弱くなったりしました。それとこれは関係ないかもしれませんが、昨晩の就寝中にオデコに汗をいっぱいかいていました。こんな事は今までに記憶がなかったですが、これも治療と何か関係があるのでしょうか」と仰っていました。お通じについては、まだ軟便が続いているそうです。しかし「そう言えば、下腹部痛は気にしなくなりましたね」とも仰っていました。


・10診目来院時、

「鼻つまりは今週もやはりありましたが、一時止まっていた後鼻漏や自声強聴も今週は時折ありました。それと前回の治療で良くなっていた歯の開き具合とかみ合わせが、今週は元に戻りました。でも歯の知覚過敏は無かったです。」と仰っていました。尿漏れについてお聞きすると「そういえば、今週はあまり気にすることは無かったですね。いつもの半分くらいかもしれません。」とも仰っていました。お通じについてはやはり軟便ですが、下腹部痛はここのところ感じていないそうです。


施術後、

「顔面の治療中、右耳の奥のほうで”パコパコ”とした音が鳴っていました。今は、さっきまであった自声強聴が無くなっています。それと左歯のかみ合わせも良くなって、さっきより大きく開く気がします」と仰っていました。鏡で口の開閉を確認していただくと、治療前は左右の顎関節が非対称的に開閉していましたが、治療後は対照的にバランスよく開閉していました。


・12診目来院時、

後鼻漏や自声強聴、歯の知覚過敏は無かったですが、鼻つまりはありました。尿漏れについても、漏れそうになった感じはありましたが、結局一度も漏れずに済みました。それと、今日はまだ一度しか排便はありませんが、軟便でなく比較的硬い便が久しぶりに出ました」とも仰っていました。


・14診目来院時、

後鼻漏、自声強聴、歯の知覚過敏は非常に調子よくなり、ほとんど無かったです。左顎の痛みやクリック音もほとんど感じませんでしたし、かみ合わせも良好です。ただ鼻つまりだけはありました。」と仰っていました。また「便は硬めの普通の便で、最近は緩い便が出なくなってきています。そう言えば、尿漏れも一度も無かったですね」とも仰っていました。施術後、「今は鼻がスッキリと通っています」と仰っていました。


この段階で、鼻づまりに関しては少し不充分でしたが、その他の愁訴(知覚過敏、耳管開放症、尿漏れ、下痢、顎関節症)については日常生活的に問題の無いレベルにまで大幅に改善していました。またYさんの休暇期間がほぼ満了に近かったので、今回の集中治療は一応の終了としました。

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
耳管開放症と顎関節症は”一石二鳥”的に同時に整体治療できる?!
・一般的に眼の症状は眼科で、耳や鼻の症状は耳鼻科で、歯や顎の症状は歯科あるいは口腔外科などで、別々に治療を受けるのが通例です。ただ左記に掲げた臓器は顔面という狭い領域に集まっているので、それぞれが近接していて影響しあったり、あるいは様々な”解剖学的なインフラ設備”を共有したりして、悪化するにも、あるいは改善するにしてもお互いに影響しあうことがあるようです。


・ちなみに”解剖学的なインフラ設備”とは、例えば動脈(=往路or上水道)や静脈(=復路or下水道)、あるいは神経(=電線・電話回線)や筋肉(=モーター・エンジン)などをイメージしていただければよいと思います。


・今回のYさんの症例もその好例の一つでした。つまり、一種類の整体テクニックを施術することで、一石二鳥的に別の愁訴(本ケースでは耳の愁訴と顎の愁訴)が同期して改善していくことがある、という事です。簡単に言うと、Yさんの主訴である耳管開放症(自声強聴)に対する整体テクニックは、同時に顎関節症に対する整体テクニックと極めて近似しているため、ほぼ”一石二鳥”的に改善していった、、、という事です。当院では、この様な事例は結構多くあります。
次項からその点について詳述していきたいと思います。

 

 


Yさんの症例による耳管開放症と顎関節症の治療経過の比較・・・
・Yさんの症例で時系列的に説明すると、下記の様な経過になります。
1.    初診治療後…
耳管開放症については変化はありませんでした。

顎関節症について、左側方への下顎の移動は、かなり改善されていました。


2.    6診目来院時…
耳管開放症については、自声強聴は治まっていました。
顎関節症については「さっき食事をしている時に気が付いたのですが、左の歯の”かみ合わせ”が良くなりました! 十年以上もかみ合わせが悪かったのに、急に良くなってビックリしています」と仰っていました。


3.    10診目来院時…
耳管開放症については、一時止まっていた後鼻漏や自声強聴も今週は時折ありました。
顎関節症については「前回の治療で良くなっていた歯の開き具合とかみ合わせが、今週は元に戻りました。」と仰っていました。


4.    10診目施術後…
耳管開放症については、「顔面の治療中、右耳の奥のほうで”パコパコ”とした音が鳴っていました。今は、さっきまであった自声強聴が無くなっています。」と仰っていました。

顎関節症については、…「左歯のかみ合わせも良くなって、さっきより大きく開く気がします」と仰っていました。鏡で口の開閉を確認していただくと、治療前は左右の顎関節が非対称的に開閉していましたが、治療後は対照的にバランスよく開閉していました。


5.    14診目来院時…
耳管開放症については、「後鼻漏、自声強聴、歯の知覚過敏は非常に調子よくなり、ほとんど無かったです。」と仰っていました。
顎関節症については、「左顎の痛みやクリック音もほとんど感じませんでしたし、かみ合わせも良好です。」と仰っていました。

 

 


耳管開放症と顎関節症の治療経過は、悪化するのも改善するのも一緒?!
・興味深いことは、上記3(10診目来院時)では、耳管開放症(自声強聴)と顎関節症が一緒にその症状が逆行していて、上記4(10診目施術後)には、両者とも一緒に改善していることです。つまり悪化するのも一緒で、また改善するのも一緒だったのです。これはただの偶然の一致かもしれませんが、ひょっとしたら何らかの因果関係が両者にあるのかもしれません。

ではまず最初に、耳管開放症がなぜ整体治療で改善していったのかから見ていきたいと思います。
 

◎ 耳管開放症について・・・     

 


 

 

耳管開放症の一般的な原因とは、、、
・ところで耳管開放症の主な原因は、ダイエットなどで痩せることで耳管周囲の脂肪組織が減少し、そのために耳管が開放してしまう、、、というのが通説です。
また他の原因として、下記の様なものもあります。
     ストレス
     中耳炎
     顎関節症
     三叉神経障害

 


当院が考える耳管開放症の原因(仮説)とは、、、

耳管から起始する三つの筋肉の過緊張が原因?!
・ところが当院としては、これまでに来院された耳管開放症の患者さんで痩せている方はほぼゼロでした。ですから当院的には上記の主な原因=痩せによる脂肪減少=は、あまり当てはまらないのでは、、、と思っています。ただ中耳炎の既往歴のある方や、顎関節症をお持ちの方は時折りお見受けするので(☚Yさんは中耳炎の既往歴と顎関節症がある)、これらは何らかの関係があると考えます。


・この様に、耳管開放症については様々な原因が言われていますが、当院としては耳管開放症の原因として、次のような仮説を持っています。
◆ 耳管開放症の別の原因とは…三つの筋肉の過緊張が原因 ?!

(左図) 口蓋帆張筋などの弛緩により閉鎖している耳管軟骨と耳管

(右図) 口蓋帆張筋などの緊張により解放している耳管軟骨と耳管


・当院では耳管開放症について単純-率直に考えています。それは耳管を閉塞する役目を担っている耳管軟骨が”何らかの要因”によって引っ張られ、その結果耳管が開きっぱなしになり、耳管開放症が生じているのでは、と考えています。

そしてその何らかの要因”とは、嚥下などの際に耳管を開ける筋肉である「口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋、耳管咽頭筋」の慢性的な過緊張にあるのでは、と考えています。

ちなみに上記三つの筋肉の神経支配は、前二者が咽頭神経叢(舌咽、迷走、副、交感神経)の支配で、後一者が三叉神経(耳神経節)の支配です。

 


口蓋帆挙筋や口蓋帆張筋は耳管軟骨に起始している

これらの筋肉の慢性的な過緊張が耳管を開放させている?!

 


【上記仮説の参考資料】
10年前から続く耳管開放症の整体治療
患者Mさん=58才-女性-主婦/パートの症例 14診目で改善した症例の解説です。




 

 当院が考える耳管開放症の整体治療とは、、、
・以上の事から、耳管開放症の治療については、耳管(軟骨)を解放する三つの筋肉の過緊張を想定し、そしてその筋肉群の緊張を緩めて耳管軟骨の開放状態を解消する、、、といった整体治療目標を設定しています。

つまり、これらの筋肉群への整体手技と(但し口蓋帆張筋と口蓋帆挙筋への直接施術は難しいので、介達的な整体手技を施術)、その支配神経である咽頭神経叢や耳神経節の緊張を緩和する整体手技を取り入れています。
(最近になって、耳管咽頭筋、口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋への施術もかなり可能になってきました)


・当院では耳管開放症については上記の様な考え方を持っているので、当然Yさんに対してもこの治療方針で施術しました。
すなわち「➂ 治療目標と整体治療に掲げる治療目標、

⑴    耳管軟骨の緊張を解放し、耳管を閉鎖する
⑵    耳管-耳管軟骨周囲の血流を改善し、代謝を改善する

を設定し、それに対応する整体テクニック、
・耳管咽頭筋解放テクニック
・口蓋帆張筋/口蓋帆挙筋解放テクニック
・耳神経節解放テクニック
・咽頭神経叢解放テクニック
・蝶口蓋&翼突管&上鼓室動静脈(顎動静脈)解放テクニック
・上行咽頭動脈解放テクニック
・上口蓋動静脈解放テクニック

を施術したわけです。

 


・その結果は良好で、6診目には自声強聴は解消し、10診目にはや若干の揺り戻しがあったものの、それ以降は最終診の14診目まで自声強聴は全くなく、ほぼ完治と言ってよい状態に安定していました。その意味では、少なくともYさんの耳管開放症(自声強聴)に関しては上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 


◎ 顎関節症について…     

 


 

顎関節症原因の昔と今・・・
昔…歯の咬合(嚙み合わせ)不全、、、今…外側翼突筋の過緊張(オーバーユーズ)

・次に顎関節症についてですが、顎関節症学会的には、ずっと以前は顎関節症の主因は”歯の咬合不全”、つまり「歯の噛み合わせが悪いとその影響が顎関節に及び、顎関節症が発症する」的な説が有力だったようです。従って顎関節症患者に対しては、歯の咬合調整がプライマリケア的な治療となっていたそうです。


・ところがその後の研究で、「歯の咬合調整をしても顎関節症の改善にはほとんどつながっていない」といった説が主流になり始め、今では顎関節症患者に対してはほとんどのケースで咬合調整はしていないそうです。


・では「何が顎関節症の主因なのか???」についてですが、これは次の二説が有力のようです。


1.    顎関節頭と関節窩の間に位置する関節円板に停止する”外側翼突筋”の過緊張により、関節円板が関節頭の関節面から主に前方に逸脱し、その結果関節の機能(開閉)に齟齬が生じることで関節頭(軟骨)・関節窩(軟骨)・関節円板・外側/内側側副靭帯、関節円板後部組織・関節包などの顎関節構造体が変性する
(就寝時の歯ぎしり癖や歯を食いしばる習慣による外側翼突筋のオーバーユーズ者に多いとされている)


2.    関節円板後部組織の浮腫により、上記1と同様の経過をたどる
(関節円板後部組織が遺伝的に浮腫しやすい体質者に多い、とされている)
当院も、この説(特に1)に賛同しています。

 

 

 


 当院が考える耳管開放症の整体治療とは、、、
・ですから当院では、顎関節症患者に対しては、上記「➂ 治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、

⑶    関節円板に停止する外側翼突筋の過緊張を解放し、関節円板の前方偏位を矯正して顎関節機能の齟齬を解消する
⑷    顎関節構造体の循環を改善し、新陳代謝を促進して、可能な限り同構造体の復元を期待する

を設定し、それに対応する整体テクニックである、
・外側翼突筋解放テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック

を施術することにしました。

 

 


本症例の整体治療結果
耳管開放症と顎関節症が同期して改善、、、

・この結果も先述の耳管開放症(自声強聴)と似たような経過をたどりました。

まず初診治療直後から、左側方への下顎の移動は、かなり改善されていました。

6診目には十年以上も悪かった歯の噛み合わせが急に良くなり、そして興味深いことに10診目にはそれが若干後戻りし、その治療直後にはまた改善するなど、耳管開放症と同期した経過をたどった事は先述済みです。

そして最終的には(14診目)、顎の痛みやクリック音も無くなり、さらに歯の噛み合わせも良好な状態に改善していました。その意味では、この件についても上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 


本症例(耳管開放症と顎関節症治療)の整理・・・
・ここで改めて、当院が考える耳管開放症と顎関節症の原因と整体治療について整理すると、次のようになります。
【原因】
耳管開放症…耳管に一部起始する口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋、耳管咽頭筋の慢性的な過緊張
顎関節症…関節円板に停止する外側翼突筋の過緊張

 

  
 

【整体治療】
上記の各筋肉の緊張を解放する整体テクニックを施術する

 

 


耳管開放症の整体治療と顎関節症の整体治療は酷似する・・・
だから両者は同期して改善する ?!

・ここで興味深いことは、耳管に起始する口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋と関節円板に停止する外側翼突筋は、その間に狭小な隙間(傍咽頭間隙)が部分的にあるだけで、ほぼ直接して横並びになっている、、、という解剖学的な事実です。すなわち、口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋などに対する整体テクニックは、同時に外側翼突筋に対する整体テクニックと極めて近似した手技になる、、、という事です。


・上記の様な解剖学的事実と近似した整体テクニックが、先述のように耳管開放症と顎関節症をほぼ同じ整体テクニックで”一石二鳥”的に治療してしまう、といった結果につながっているのでは、思います。

 

 


なぜ、口蓋帆張筋/口蓋帆挙筋/耳管咽頭筋(耳管開放症)と外側翼突筋(顎関節症)が同期して過緊張するか、、、は不明です
・ところで、いくら口蓋帆張筋・口蓋帆挙筋と外側翼突筋が横並びに近接しているからといって、両者が同一の原因によって同時に過緊張になるのか、それとも両者が過緊張になるのは単なる偶然なのか、、、についてはよく分かりません。
何となれば、前者は嚥下時に作動する筋肉ですが、後者は開口運動、閉口運動および臼摩運動(☚下顎を左右に回旋して食物をすり潰す運動)に際して作動する筋肉だからです。


・つまり、外側翼突筋の過緊張は就寝時の歯ぎしり癖や歯を食いしばる習慣のある方に多い事は先述しましたが、その際には口蓋帆張筋や口蓋帆挙筋などは作動しないのですから、これらの癖や習慣で口蓋帆挙筋、口蓋帆張筋のオーバーユーズは生じないはずなのですから。またその逆も然りです。
今後、この点についてはもっと勉強・研究して、その関係性を探っていきたいと思います。

 


Ps,,,

Yさんの顎関節症のグレードについて、、、
・余談ですが、Yさんは顎関節のMRI検査などをされていないのではっきりとしたことは分かりませんが、グレード的にはそれほど悪化した状態ではなかったのでは(おそらくグレードⅢ-A or Bくらい)、と思います。その理由としては、まだクリック音があった事や、意外と短期間で改善したことなどがあります。

 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。

 

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