1年前から続く家中に響き渡る「超特大のシャックリ」と整体治療 食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎・F | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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1年前から続く、

家中に響き渡る「超特大のシャックリ」と整体治療

食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎・FDとの関係 ?!
患者Mさん=35才-女性-会社員(現在長期休職中)の症例

 

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①    Mさんの病歴・・・
患者Mさんは、別件(自律神経失調症、不眠症、FD、パニック障害、他)で当院に通院されていましたが、その過程で「家中に響き渡る様な”超特大のシャックリ”が毎日のように生じる」との事で、本件も併せて治療する事になりました。

 




②    Mさんの診察
【シャックリに関する所見のみ記載】
・Mさんの自宅は二階建ての一軒家だそうですが、Mさんが1階のリビングでシャックリをすると、1階の部屋やリビングなどだけでなく、2階の全部屋にまで響き渡るほどの大音量のシャックリだそうです。
・Mさんがこの超特大のシャックリが毎日出るようになったのは、今から1年ほど前からだそうです。そのほとんどが食後に生じるそうで、食後5~10分後に腹の底から抉り出される様な衝撃と共に、「エグッ!!」という超特大シャックリが出るそうです。食後以外ではほとんど出ないそうです。
・Mさんは元々自律神経失調や不眠症、FD、他の件で病院あるいは漢方医を受診されていましたが、この特大シャックリの件については原因がよく分からず、改善しなかったそうです。
・Mさんは2年近く前から重度の自律神経失調症、不眠症、機能性胃腸症(FD)、パニック障害、その他の愁訴によって会社を休職されていて、この間に数々の医療機関で心電図や血液検査、画像検査などの検査および加療を受けておられました。しかしこれまでのところ、特段の異常の指摘は無く、また上記愁訴の改善もほとんど無かったそうです。
・Mさんは数年前からFD(機能性胃腸症)に罹患されていますが、食欲および食事量は健康な時の1/3以下にまで減っているそうです。
・飲水による噴門(食道下部括約筋)の排泄音聴取検査では、排泄音は聴取出来ましたが微弱で、その最大聴取部位は剣状突起付近でした。
・胸腹部聴診上、心音や呼吸音に特段の所見は無く、また血管雑音は聴取されませんでした。




➂ 治療目標と整体治療

⑴    胸腔に脱出していると推定される噴門部(下部食道括約筋)を腹腔に引き戻す
⑵    横隔膜および横隔神経の緊張を解放する

    ・食道裂孔ヘルニア解放テクニック
    ・下部食道括約筋解放テクニック
    ・横隔膜解放テクニック

 

 

 


④    経過と結果・・・
本件の治療は、Mさんの本来の主訴である「自律神経失調症、不眠症、機能性胃腸症(FD)」治療時間の隙間に数分間だけ追加する、という形式で臨みました。そしてシャックリの強さが軽くなり始め、その治療効果が出てきたのは5~6診目くらいからでした。以下、7診目の状況から記していきます

・(シャックリ治療を始めて7診目)、「特大のシャックリはほとんど無くなって小さくなっています。また回数も減っています」と仰っていました。


・(シャックリ治療を始めて10診目)、「そういえばこの二日間は、シャックリは一度も出ていませんでした」と仰っていました。また11診目来院時も「シャックリは小さなのが一度出ただけでした」と仰っていました。


・(シャックリ治療を始めて13診目)、「今週は一度もシャックリは出ていません」と仰っていました。

◆Mさんの主訴である「自律神経失調症、不眠症、機能性胃腸症(FD)」の治療は今回以降も続けていましたが、この13診目以降より一度もシャックリは出なくなっていましたので、20診目でシャックリの整体治療を取りあえず終了する事にし、様子を見て頂く事にしました。

 





⑤     今回の症例の概説、、、
シャックリ・・・横隔膜の急激な収縮と横隔神経の刺激源とは、、、
・シャックリの正式名称は「吃逆(きつぎゃく)」と言うそうですが、その直接的な原因は「横隔膜が急激に収縮し、胸腔が広がってその内圧が低下することで肺内に空気が急速に吸い込まれ、その時に声帯が閉じて「ヒック」という音を発する」事で生じます。


・この横隔膜の急激な収縮は、横隔膜を支配する横隔神経、あるいは迷走神経(胸腔および腹腔臓器を支配する副交感神経)、または呼吸中枢からの刺激が原因する、と言われています。

 

 


・上記横隔膜(神経)が刺激される原因は広い意味では多くあり、横隔膜自体の疾患はもとより、脳梗塞などの中枢神経疾患を始め、循環器疾患、呼吸器疾患、代謝異常、精神疾患など多数あります。ただ現実的に日常出くわす一般的なシャックリの多くは、何らかの理由による横隔神経の痙攣的発作が主なものと言われています。


・Mさんについては、前出の中枢神経系や循環器系などの病態は確認されていないので、やはり一般的な原因、つまり「何らかの理由による横隔神経の不随意的な痙攣的発作」の可能性が一番高いのでは、と思われました。ただMさんのケースで特異な事は、Mさんのシャックリは2階建ての家中に響き渡るほどの超特大=大音量のシャックリ、という点だと思います。

 

 


Mさんの超特大シャックリの原因は何か…FD ? 逆食 ? それとも、、、
・この事を現象的に考えれば、「横隔膜の収縮と胸腔内圧低下~空気の吸息が”最大限”に起こっている」事が推測されます。でないと、それだけの大音量にはならないからです。従ってMさんのシャックリの治療目標(orシャックリの原因)は、そのメカニズムを推測する事で解決するのでは、と思われました。


・そこでまず最初に注目した事は、MさんがFD(機能性胃腸症)である、と言う事です。ちなみにFD患者さんは、比較的な高確率で逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアも合併している事が多いと思います。すなわち両疾患は横隔膜に隣接した部位の病態ですから、横隔膜あるいは横隔神経(or迷走神経)を直接刺激する可能性が高いと考えられ、かつ上記の「横隔膜の収縮と胸腔内圧低下~空気の吸息が”最大限”に起こっている」という可能性も高まるのでは、と思われたからです。

 

 


食道裂孔ヘルニアの可能性とその検査手技、、、
・上記の考え方からそれを確かめる為に、Mさんに対して飲水による噴門部(下部食道括約筋)の排泄音検査を施術したわけです。この検査法は、聴診器を噴門(下部食道括約筋)付近に当てた状態で患者さんに飲水して頂き、水が噴門を通過する際に生じる下部食道括約筋の開口による排泄音を聴取する事で、その下部食道括約筋の開閉状況や、あるいはその凡その位置を推測する検査法です。この検査法は絶対的な方法ではありませんが、胃カメラや画像検査ができない我々の様な整体師にとって、それなりに参考となる所見を手に入れることが出来るので、意外と重宝しています。

 


 

・Mさんについては、その排泄音は微弱であった事と、そしてその位置が剣状突起付近で聴取された事が気になりました。つまり「下部食道括約筋の筋力が弱まり、噴門部がシッカリと閉じていない可能性(☚逆流性食道炎の可能性)」と、噴門部(下部食道括約筋)の位置が腹腔内の定位置よりは上方に位置している可能性(☚食道裂孔ヘルニアの可能性)」が推測されました。

 

 


食道裂孔ヘルニアが特大シャックリに関係するのか ?!
・特に後者については興味深いものがあります。もし噴門部が横隔膜より上方に位置していれば、前述のようにそれ自体が横隔膜あるいは横隔神経(or迷走神経)の刺激源になり、シャックリの引き金になる可能性が高まるからです。

 

・そしてその刺激は、噴門の上方への逸脱部位/状況(☚例えばその逸脱部位が横隔神経に接する状況)によっては非常に強力な刺激源になる可能性があり、従って「横隔膜の収縮と胸腔内圧低下~空気の吸息が最大限に起こる」可能性があり、それはMさんのシャックリが家中に響き渡るほどの大音量になる原因では、と考えられるのです。

 

   

 


・またMさんの特大シャックリのほとんどは食後数分に起こっている事から、食物が入った胃袋もMさんの超特大シャックリに何らかの影響を与えている可能性もあります。

 

・例えばですが、食道裂孔ヘルニアは胃の噴門部が横隔膜を超えて胸腔に脱出している状態を指しますが、それが軽度の場合、その脱出が常時脱出しているとは限らず、状況によって胸腔に脱出していたり、あるいは腹腔に戻っていたり、、、を繰り返している可能性があります。

 


・Mさんがそのケースだと仮定すると、食事中は飲食による食道~噴門部への蠕動収縮により、胸腔に脱出していた噴門部が一旦は腹腔に戻っていますが、食後になると胃袋内に入った食餌を攪拌する為に胃の幽門ポンプと呼ばれる蠕動運動が始まりますので、その刺激によって腹腔に戻っていた噴門部が横隔膜の食道裂孔を「スポン!!」勢いをつけた状態で胸腔に向かって脱出するケースが考えられ、それこそがMさんの「超特大シャックリ」の源となっている可能性も考えられます。


【幽門ポンプとは】
胃庭(左上方)から幽門方向(右下方)に向かう蠕動波。1分間に三度のペースで生じる。この蠕動波で胃袋内の食物と胃液を攪拌する。

 

 


Mさんの超特大シャックリの治療方針とその結果・・・
・ここまでの考察は憶測ですが、Mさんに軽度の食道裂孔ヘルニアがあり、上記の様な状況があると仮定すると、Mさんの超特大シャックリがある程度説明できる事から、この考えを元にしてMさんのシャックリ治療に当たる事にしました。


➂ 治療目標と整体治療
⑴    胸腔に脱出していると推定される噴門部(下部食道括約筋)を腹腔に引き戻す
⑵    横隔膜および横隔神経の緊張を解放する

  ・食道裂孔ヘルニア解放テクニック
  ・下部食道括約筋解放テクニック
  ・横隔膜解放テクニック

 


 

・結果的に5診目くらいから少しずつその効果が見え始め、7診目には特大シャックリは解消して小さくなり、10診目には小さなシャックリも含めてシャックリが一度も出ない日が出始め、そして13診目以降はずっとシャックリは出なかったので、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と思います。

 

 

 

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