膝痛と膝の弾発音の整体治療 タナ障害の可能性 ?! | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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膝痛と膝の弾発音の整体治療
タナ障害の可能性 ?!
患者Sさん=66才-男性・自営業の症例
 

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①    Sさんの病歴・・・
患者Sさんは、2年ほど前から右膝の奥の方で「パチ」という弾ける様な音(弾発音)がするようになったそうです。その弾発音が生じる状況ですが、Sさんはかなり以前から様々なトレーニングをされているそうですが、足の屈伸運動の際によく鳴ったそうです。またコタツの中で膝を動かす時などにも鳴っていたそうです。その時は痛みが無かったのであまり気にされていなかったのですが、半年ほど前から足の屈伸時に痛みが生じる様になり、さらにはその痛みが強くなりだし、そして最近では安静時にも膝痛が続くようになったので、今回の来院となりました。
(Sさんは本件について整形外科などを受診されていません)





②    Sさんの診察
・弾発音がする部位は右膝の膝蓋腱のやや内側深部で「パチ」という弾ける様な音(弾発音)がするそうです。2年前は小さな音だったそうですが、次第にその弾発音は大きくなり、今では隣の部屋の家人にも聞こえるくらいにまで大きくなっているそうです。
・膝痛の部位は、半年前は右膝の膝蓋腱付近で、軽度の鈍痛だったそうです。しかしその後次第にその部位は内側に移動し、やはり弾発音と同じ部位(膝蓋腱のやや内側深部)に移動したそうです。その範囲は百円玉大だったそうです。ところが痛む部位はさらに広がり、最近では右膝の内側面から膝窩全域にまで痛みが広がっていて、この頃には安静時にも痛みが生じるようになっていたそうです(☚膝を伸ばすと痛みが増強し、少し曲げると軽減する)。膝の屈伸運動は痛みにより制限され、やはり正座も痛みのためにできなくなっているそうです。歩行時は、若干の痛みがあるそうですが、気をつけて歩いていれば、歩行そのものに影響は無いそうです。
・Sさんの身長は182cmで、体重は87kgだそうです(中胚葉タイプ/筋肉質)。Sさんは元来健康で、ほぼ毎日30分以上の筋トレ、その他をしているそうです。
・下肢の知覚検査で左右差はありませんでした。
・膝の視診/触診上、変形や紫斑、発赤、腫脹、熱感はありませんでした。膝の屈伸時に疼痛による運動制限はありますが、可動域そのものの制限はありませんでした。膝蓋骨、膝蓋腱に圧痛は無く、膝蓋骨の動きに異常はありませんでした。内外の関節裂隙に緊張や圧痛はありませんでしたが、右膝の膝蓋腱のやや内側で軽度の圧痛がありました。膝窩全域に著明な緊張と圧痛がありました。
・膝蓋跳動テスト、膝蓋骨圧迫テスト、内転/外転テスト、前方/後方引き出し徴候、アプレー圧迫/牽引テストは陰性でしたが、ヒューストンテストは陽性でした。

 




➂ 治療目標と整体治療
⑴    膝窩動脈の循環を回復し、タナ付近への血流を改善して同部の局所免疫力と細胞再生力促進を期待する
⑵    膝窩静脈の循環を回復し、関節包内に滞留する滑液の排出を促進し、膝内側~膝窩の疼痛軽減を図る
⑶    屈伸運動など、弾発音が鳴りそうな膝の運動/動作を禁止する
⑷    念の為に専門医での精査を勧める

     ・膝窩動静脈解放テクニック

 

 

 

 


④    経過と結果・・・。
・初診治療後、

「少し膝の裏(膝窩)と内側が楽になった感じがします」と仰っていました。念のため、整形外科での精査を勧めておきました。


・2診目来委員時、

「膝裏の(膝窩)の張り感がかなり減って楽になりました。膝前面の痛みはマシになっていますが、まだ少し残っています」と仰っていました。


・3診目来院時、

「安静時の痛みがかなりマシになったようです。」と仰っていました。


・4診目来院時、

「こないだ、恐る恐る膝の屈伸をしてみたのですが、痛みはほとんどありませんでした。またバキッという音もしませんでした。正座もほぼ支障なく出来ました」と仰っていました。


・5診目来院時、

「安静時痛も無く、膝の屈伸でも痛みやパキバキ音はありませんでした。もう95%くらいにまで改善したと思います」と仰っていましたので、これで様子を見て頂く事にし、今回の集中治療を終了する事にしました。ただ、トレーニングの再開において、膝関節の屈伸運動などについては細心の注意を払う事と(弾発音がしたら運動を休む)、今後再発する可能性もあるので、その際には整形外科で受診される事をお勧めしておきました。

 



⑤     今回の症例の概説、、、
Sさんの膝痛の原因は、、、
・Sさんは今回の件で整形外科などを受診されていないので、正確な診断名は不明です。膝にも様々な病態があり、中には膝痛が重大な疾患の一部であるケースもあるので、専門医での精査は必要です。ですからSさんには、出来るだけ早期に整形外科などの専門医での受診を勧めておきました。ただSさんは昔からの”病院嫌い”だそうで、あまり行きたがらなかったようです。


・とはいえ、当院では当院なりに診て、よほど危険な兆候があれば別ですが、それなりに整体院レベルで解決できそうであれば、それなりの施術をする、という考えでいるので、Sさんを診ていく事にしました。

 

 


Sさんの所見から最有力の疾患は「タナ障害」?!
・そこで今回のSさんの膝痛所見をみると、それ程重大疾患の予兆的な所見は認められませんでした。逆にSさんの所見全般を鑑みれば、その最右翼の疾患は「タナ障害」の可能性が高いのでは、と思いました。ところでタナ障害とはあまり耳なれない疾患名ですが、まず初めにタナ障害の”タナ”について説明することにします。

 


タナ障害、、、って何 ??
・関節を包んでいるのは「関節包」という閉鎖された袋状組織で、その閉鎖された空隙を「関節腔」といいます。そして関節包の内張り(内面)は「滑膜」と呼ばれる組織で、栄養やO2に充ちた「滑液」を分泌し、半月板や軟骨に栄養を供給し、あるいは関節面の摩擦を緩和して滑らかな関節運動に寄与しています。

 


 

出生時の膝関節の関節腔は一つの空隙ですが、しかし胎児期では滑膜が幾つかの隔壁を形成して、膝関節を三つの空隙に分割している時期があります。

胎児の成長とともにこの滑膜による隔壁は退縮して一つの空隙になるのですが、しかし出生後も一部残存する事があります。それを「滑膜ヒダ」と呼び、膝関節には四つの滑膜ヒダが残る事があります。


膝関節に残存する滑膜ヒダ
     ・膝蓋内側滑膜ひだ (☚日本ではタナと通称されるヒダ)
     ・膝蓋外側滑膜ひだ
     ・膝蓋上滑膜ひだ
     ・膝蓋下滑膜ひだ

 


・これらの滑膜ヒダは多くの人で残るので、これ自体は異常とは言えません。しかしこれらの中で膝蓋内側滑膜ひだ(タナ)はその長さや厚みに個人差(A~D型の四種類に分類される/大きい人ほど障害されやすい)があり、タナ部分に破損や炎症が生じやすく、それを「タナ障害」と言います。ですからタナ障害は「滑膜ヒダ炎」と呼ばれる事もあります。

 

 


タナ障害の最大原因とは、、、
・ところでタナに炎症が起こる最大要因は「膝の過度の屈伸運動」で、その運動の際にタナが膝関節の間に挟まれたり、あるいは過度の摩擦を生じたりする事で炎症をおこす、とされています。言い換えれば、膝の運動を繰り返すスポーツ選手などに好発する、といえます。

Sさんはスポーツ選手ではありませんでしたが、数十年前から筋トレなどのトレーニングをされているので、この範疇に準じるのでは、と思われます。

 

 


タナ障害の主要症状とは、、、膝痛と弾発音 !!
・膝屈伸時の弾発音についてですが、これは前出しましたが、タナが関節に引っかかったりする事で発生するのでは、と考えられています。

 

・疼痛の部位に関してですが、タナの位置が膝の前面やや内側にあるので、タナ障害による疼痛はこの位置に好発します。これもSさんの膝痛の位置と全く同じです。

 

 

・以上の事から、Sさんの膝痛はタナ障害である可能性が高いのでは、と推察したわけです。

 


膝痛と弾発音以外のSさんの症状、、、

ヒダの内側と膝窩の張り・痛みの原因とは・・・滑液の増量 ?!
・ただSさんは、その膝痛の位置が次第に広がり、膝の内側から裏側(膝窩)全域に広がっています。この原因は、おそらくは滑液が関節包内で増量したからでは、と推測します。

 


滑膜は半月板や軟骨等に栄養を供給し、あるいは摩擦を緩和して関節運動を滑らかにする目的で滑液を生成分泌する事は先述しました。

ですから滑膜(この場合タナ)に炎症が生じると、その滑液の生成は増えるので、滑液が関節包内で増量(関節包の膨満↗)される事になります。この関節包の膨満刺激が膝の内側から裏側(膝窩)にかけての疼痛原因になっていたのでは、と考えられます。

 

 


一般的なタナ障害の治療法とは、、、保存療法
・一般的なタナ障害の治療は、保存療法では、
     1.    スポーツ活動などの中止
     2.    膝の安静を保つ
     3.    上記1、2で炎症の消退を待つ

です。

また消炎鎮痛薬や、ヒアルロン酸、ステロイド剤、あるいはブロック注射などもあります。

 


タナ障害の手術療法の適応とは、、、Sさんもその範疇か ?!
・普通はこの保存療法で痛みが解消し、日常生活に復帰できます。しかし上記保存療法によっても痛みが引くことなく数か月間にわたって続いたり、あるいは一旦は痛みが解消してもまた再発し、それが繰り返されるようであれば、関節鏡によってタナを除去する手術が適応となります。

 


・Sさん関しては、上記セオリーに照らし合わせると、その膝痛は半年ほど続いているので(それだけでなく悪化傾向にあった)、保存療法ではなく手術が適応であったかもしれません。その意味ではやはり、整形外科での受診をもっと強く勧めるべきだったのかもしれません。

 


手術が適応だった可能性のあるSさんのタナ障害の整体治療効果とは、、、
・しかし初診治療直後で膝の内側と膝窩が楽になり、2診目来院時にはヒダ部分の疼痛も軽減していた事から、そして5診目には弾発音や痛みも無くなり、95%程度にまで改善した、とのSさんの報告から、ヒダ部分の血流を改善する整体治療でも、相当な治癒効果があるのでは、と思いました。

 

 


そもそも論…整体治療とは・・・お膳立て !!
・当たり前の事ですが、整体治療の様な保存療法は患者当人の自然治癒力に依存します。つまり自然治癒力が減って残り少なくなっていれば、最善の整体治療を施術しても、それ程効果は見込めません。自然治癒力が充分にあれば、その逆になります。つまり下手くそな整体治療でも、そこそこ治癒していくものです。


・ちなみに整体治療とは、その自然治癒力を発現させやすい様にお膳立てするのが、その目的です。今回の場合では、炎症あるいはタナの破損が起きているであろうSさんの右膝のタナでの自然治癒力(局所免疫力・細胞再生力)を発揮しやすい様に、タナ部分を支配する動静脈の循環を改善する、、、といったお膳立てをしただけなのです。

 

 


66才のSさん、、、まだまだ若いのか !!
・その意味で今回の症例では、この事を痛感した症例となりました。Sさんは66才ですが、元来健康体であるとの事で、まだまだ自然治癒力が残っていたのかもしれません。ですから、ひょっとしたら手術適応だったかもしれないタナ障害が、整体治療でも比較的早期に改善したのかもしれません。

 

 


とはいえ再発しやすいタナ障害、、、これからも注意が必要ですよ、、、
・ただ繰り返しになりますが、タナ障害は再発する事も少なくないので、ひょっとしたら手術適応だった可能性のあ
るタナ障害が、今回は運よく整体治療(保存療法)で改善しましたが、次回再発した時には、今回と同様に上手くいくとは限らないので、その旨をSさんによく伝え、もし再発の折には、今度こそ整形外科での受診を先にしておくことを強くお勧めして、今回の治療を終了する事にしました。

 

 

 

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