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【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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月経後、二週間以上も続く

強い眠気と吐き気の整体治療
患者Tさん=44才-女性-会社員/薬剤師/主婦の症例

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①    Tさんの病歴・・・
患者Tさんは、以前に
下船病疣状胃炎頭の中でパチパチ音がする膝の激痛、他の治療で来院されていましたが、今回それらのメンテナンス治療で来院された折、「2週間ほど前に月経が来たのですが、それから強い眠気が一日中あり、(月経が終わった)今でも続いていて、仕事になりません」と仰っていたので、今回は従来のメンテナンス治療ではなく、本件について整体治療することになりました。尚、本件については専門的な医療機関は受診していないそうです。

 




②    Tさんの診察
・本件のきっかけは、Tさんは2週間ほど前に月経になったのですが、その二日前から軽度の下腹部痛と強い吐き気が一日中続く様になっていたそうです。二日後に月経が来ると、そこに一日中続く強い眠気が加わるようになり、仕事にも支障が出る状態になっているそうです。また今回の生理痛は普段よりはかなり酷く、さらに経血量も1.5倍以上はあったそうです。
・今までの月経では生理痛や吐き気はごく軽度で、経血量も普通くらいだったそうです。ただ眠気はやや強くなることが時折あったそうです。しかし今回の眠気は半端なく強い眠気で集中力が続かず、それが月経が終わっても続いていて、かなり仕事に支障が出ているそうです。また、眉間の奥のほうも重だるい鈍痛がずっと続いているそうです。食欲は普通で胃痛や腹痛もなく、身体のだるさなどはあまり感じていないそうです。
・Tさんの普段の就寝時間は5時間前後だそうです。睡眠の状況は軽度の不眠症との事で、睡眠剤を服用しているそうです。しかしこの二週間は睡眠剤を服用せずともすぐに眠りにつくことが出来、就寝中に眼が覚めることもなく、起床時間を過ぎても目が覚めないことが多かったそうです。そして仕事中も「ウトウト」とすることがしばしばあるそうです。体のだるさなどは感じていないそうです。
・Tさんは血圧や酸素濃度などの身体データをモニターするスマートウォッチを装着されていて、就寝中の睡眠状態・他の医療データが把握できるそうです。そのデータによると、睡眠のリズムなどに特段の問題は無いそうです。また血圧や脈、酸素濃度なども正常で、体温も平熱だそうです。
・Tさんの身長は1535cmで、体重は41kgだそうです。
・眼瞼結膜は濃い目のピンク色でした。眼球運動に異常はなく、難聴や耳鳴りもないそうです。
・顔面の表情筋に異常は無く、構語や咀嚼、嚥下障害もありませんでした。
・今までに失神や意識障害、あるいは手指巧緻運動障害的な症状は無かったそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の腫脹や萎縮はありませんでした。
・胸頸部聴診上、血管雑音や心音、呼吸音の異常所見はありませんでした。
・問診上、今回の月経が発来する数日前から仕事に追われていた為か、首から肩にかけての凝りがひどかったので、肩凝り機などで肩-首などの筋肉をほぐしていたそうです。
・頭顔面触診上、頬骨弓下~側頭下窩や頸部筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。リンパ節の腫脹はありませんでした。頭蓋仙骨リズムはほぼ触診できませんでした。

 



➂ 治療目標と整体治療
⑴    頭蓋内からの静脈還流を促進し、頭蓋内圧(特に海面静脈洞、中脳水道など)を減圧する
⑵    各頭蓋骨縫合の緊張を解放してその可動性を回復し、もって脳脊髄液の循環を促進させ、脳脊髄液を浄化する
⑶    上記⑴、⑵でもって脳室近辺の睡眠覚醒中枢、およびCTZ(化学受容器引き金帯)の失調を改善する

      ・静脈還流促進テクニック
     ・翼突筋静脈叢解放テクニック
     ・椎骨動静脈解放テクニック
     ・顎動静脈解放テクニック
     ・頭蓋骨矯正法
     ・頭蓋仙骨療法 (オステオパシー)

 




④    経過と結果・・・
・初診施術中にTさんは吐き気を訴え、
一時施術を中断しました。しかしすぐに施術を再開し、その直後から施術終了後の数十分間は、ずっとTさんは睡眠しておられました。

覚醒後Tさんは「(寝起きのせいで)少し頭がボーっとしていますが、頭の中はスッキリしています、さっきまで眉間の奥が重痛かったですが、それも全くなくなって、眼がハッキリとよく見えます。。。。今は眠気は無いですね。スッキリとしています」と仰っていました。
ところで、もし当院の仮説に妥当性があるとすると、施術の翌日はかなりだるくなると思われるので、それだけ注意するように申し添えました。ただ、「その翌日からは楽になると思います」とも伝えました。


(この理由については、下記「⑤ 今回の症例の概説、、」の最終段「Ps、、、施術翌日にだるくなった理由(仮説)」に記していますので参照ください)


・2診目来院時、

「やはり先生が言っていた通り、翌日はかなりだるくてしんどかったです。でもその翌日からはだるさも無くなり、眠気も全くなく、快調に仕事できました」と仰っていました。

 

 



⑤     今回の症例の概説、、、
眠気の原因も多種多様、、、
・Tさんの様な強い眠気は、不眠症で悩まれている方々からすると、非常にうらやましい現象かもしれません。しかし、一日中強い眠気が続くのも大変辛いことだと思います。Tさんは、その一日中続く強い眠気が二週間以上も続いているので、かなり辛かったのだと思います。


・ところでTさんの様な一日中続く強い眠気の原因ですが、以下のように様々な原因があり、当然その治療法も異なります。中には整体治療に適さない病態もあるので、その意味では細心の注意でもって診ていく必要がある事は言うまでもありません。
【眠気の原因・・・】
  残業などによる極度の疲労
  睡眠不足や生活習慣の乱れ
  慢性疲労症候群
  甲状腺機能低下症
  睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  ナルコレプシー(居眠り病)
  過眠症
  酸素不足
  低血糖or高血糖
  低体温
  炎症や腫瘍
  PMS、月経関連過眠症
  てんかん
  自律神経失調
  発達障害やADHD
  薬の副作用、カフェインの離脱症状など
  ストレス・不安・うつ病、、、他

 

 


Tさんの強い眠気と吐き気の原因のヒントとは、、、

月経が関連する ?!
・今回Tさんは、本件について医療機関を受診されていないので、プライマリケア(急な病気への対応)としては、専門医への紹介も含めて、当院の様な整体院で初期治療できるか否かなどの決断をする必要がありました。そこで上記の様な「眠気」を起こす病態をあれこれ考えてみましたが、上記「② Tさんの診察」から、とりあえずは専門医へ紹介するような病態の可能性は低い、と考えました。


・とは言え、「では何が強い眠気の原因なのか? 当院で治療できるのか? 」については、すぐには特定できませんでした。しかし時系列的に現病歴を整理すると、
1.    今回の月経の二日前から強い眠気が発症し、月経終了後も二週間以上続いている
2.    今までの月経でも軽度の眠気は時折あった

などの問診所見が確認できたので、今回の強い眠気には月経が絡んでいる可能性があるのでは、と推測できました。


・また強い眠気だけでなく、次のような問診所見も確認できました。
3.    今回の月経では吐き気と生理痛(下腹部痛)が普段よりもかなり強かった
4.    経血量も今までの経血量の1.5倍以上あった

以上の事から、月経が関与している可能性がさらに強まりました。

 

 


プロスタグランジンが関係する !?!、、、
その種類は30種以上もある !!

 


 

・ところで、上記1~4をみていくと、ある化学物質(オータコイド≒局所ホルモン)が思いだされました。それはプロスタグランジン(PG)と呼ばれる化学物質です。プロスタグランジンは細胞膜の主成分であるリン脂質を材料として生成される化学物質ですので、全身のいたるところで生成されます。


・そしてこの化学物質には、その生成された部位の臓器(効果器)に対して何らかの作業を誘発させるメディエーターとしての役割があります。その種類は大きく5種(PGD2、PGE2、PGF2α、PGI2、TXA2)に分けられ、細かく分けると30種類以上にも細分でき、それぞれが特異な反応を誘発させます

 


月経時に分泌されるプロスタグランジン=PGE2の子宮収縮作用とは、、、
PGE2は生理痛の原因 ?!  陣痛にも必要?1

 

 

・話を元に戻すと、上記1~4をみてなぜプロスタグランジンを思い出したかというと、月経時にはこのプロスタグランジンが子宮から大量に分泌されるからです(☚子宮からは主にPGE2が生成される)。

その理由ですが、それはこのPGE2の主作用は子宮の収縮(&子宮頚管の弛緩)ですが、その子宮収縮作用によって子宮内でエストロゲンなどの女性ホルモン減少によって壊死し、剥がれかけている子宮内膜組織を体外に排出させるために分泌されるのです。つまりこのPGE2分泌とその後の作用そのものが月経なのですね。


(余談ですが、PGE2は出産時にも生成/分泌され、この子宮収縮作用を介して陣痛と分娩にも直接的に関与しています。またPGE2は、いわゆる陣痛促進剤として利用されることがあります)


・ところでこのPGE2が月経時に過剰に効きすぎると、子宮が陣痛様の過度な収縮を引き起こすため、生理痛がひどくなることがあります。今回のTさんの月経は、まさにこの通りであったのでは、と思います。おそらくですが、何らかの理由で今回の月経周期では子宮内に内膜組織が過剰に作られ、その排出のためにPGE2も過剰に生成/分泌されたので経血量も増え、かつ生理痛もひどかったのではないでしょうか。

 

 


睡眠中枢と同中枢を刺激するプロスタグランジン=PGD2、、、


 

・これとは別に、プロスタグランジンについてはもう一つ思い出すことがありました。それはPGD2と呼ばれる、別の種類のプロスタグランジンです。このPGD2は先述のPGE2とは少し効能が異なります。PGD2は脳内(☚特に視床下部前部に位置する腹外側視索前野)に作用すると、眠気を誘発するメディエーターとして知られています。ついでに言うと、この視床下部前部に位置する腹外側視索前野(そして、ここから中脳水道方向に下行する中脳の前部)は、脳内にいくつかある睡眠中枢の中でも最高位中枢と考えられている部位です。

 

 


Tさんの眠気についての仮説・・・
子宮由来のPGE2が脳内でPGD2に変換された ?!

 

   

 

 

 

・この様な解剖生理学的な関係を鑑みると、眠気については次のような仮説が考えられます。


子宮で分泌されるPGE2にはPGD2様の睡眠誘発作用はありません。しかし子宮から過剰にPGE2が分泌された場合、それが体内を廻り回って脳内の血中や脳脊髄液中に入り込む可能性は充分に考えられます。そしてここからは憶測となりますが、脳内の血中、あるいは脳脊髄中に入ったPGE2がPGD2に変換され、それが睡眠中枢である中脳水道から視床下部(特に腹外側視索前野)に作用し、それによりTさんに強い眠気が生じているのでは


・ちなみに脳脊髄液とは、脳の深部に第一から第四までの四つある空間=脳室=にある脈絡叢(☚脳室内に突出している毛細血管網)から漏出される体液で、クモ膜下腔はこの体液で満たされています。中枢神経(脳・脊髄)はそのクモ膜下腔内で「クラゲ」の様に浮いた状態で位置し、物理的に保護されています。

 

 

 


生理痛と吐き気についての仮説・・・
嘔吐中枢とCTZ(化学受容器引き金帯)について、、、

 

 


・次に、強い生理痛と吐き気については次のような仮説となります。


過剰な子宮内膜組織から大量のPGE2が分泌されることにより、子宮の収縮が強くなり、それが陣痛様の強い生理痛の原因となった。また同じく過剰な内膜組織が子宮内で壊死していく過程で様々な老廃物/毒素が過剰に生成され、その一部が脈管系を通じて脳内の血管や脳脊髄液中に入り、それが第四脳室にあるCTZ(化学受容器引き金帯)を刺激し、吐き気をもよおす原因となった


・ちなみにCTZ(化学受容器引き金帯)とは、延髄の嘔吐中枢で第四脳室に面した位置にある受容器で、血中の様々な老廃物や毒素などに反応し、嘔吐反射を誘発させる部位です

 

 


・・・残る問題は、月経が終了しても眠気や吐き気が続く理由 ???
脳脊髄液中にPGD2や老廃物/毒素が残っている ?!?

・ここまでの考察でTさんの主訴である強い眠気と吐き気、あるいは生理痛に関する仮説はある程度まとまりました。しかし問題が一つ残ります。それは強い眠気や吐き気が、月経が終了してもずっと続いている、、、という点についてです

つまり月経が終了したのですから、上記で考えた眠気や吐き気の原因になる様な因子=壊死した子宮内膜組織由来のPGE2⇒PGD2や老廃物/毒素=はもうすでに代謝/解毒され、消失しているはずだからです

 


 

・当院が考えた上記仮説が根本的に間違っているのなら、最初から考え直さなければなりません。しかし、もしある程度の妥当性があるのであれば、その問題について考えなければなりません。当然、当院としてはある程度の妥当性があると思っていたので、改めて次のような仮説を考えました。

それは、
月経が終了したので、壊死した子宮内膜組織由来のPGE2⇒PGD2や老廃物/毒素はTさんの体内から除去されている。しかし一部残存している部位があるのでは、、、。それは脳脊髄液中なのではあるまいか?! それによってTさんの強い眠気と吐き気が持続しているのではあるまいか・・・
です。

 


 

 

脳脊髄液中にPGD2や老廃物/毒素が残っている??? そんな事ってあるの???
この疑問を解くヒント、、、それは肩の凝りと首の凝りにあった?!

 


 

・そこで、この新たな仮説の確信を得るために、改めてTさんに問診を追加しました。それは肩凝りや首の凝りについてでした。するとTさんから「今回の月経が発来する数日前から仕事に追われていた為か、首から肩にかけての凝りがひどかったので、肩凝り機などで肩-首などの筋肉をほぐしていたそうです。」旨の回答がありました。


・さらに触診検査をすると、「頭顔面触診上、頬骨弓下~側頭下窩や頸部筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。リンパ節の腫脹はありませんでした。頭蓋仙骨リズムはほぼ触診できませんでした。」
との所見が確認できました。

 



月経が終了しても眠気や吐き気が続く理由についての仮説とは、、、
肩凝りや首の凝りがPGD2や老廃物が多く含まれた脳脊髄液の循環を妨げている?!?

 

 

 

 

・これで、Tさんの眠気や吐き気が長く続いた凡その原因の見当がつきました。それは下記のとおりです。


脳脊髄液は各脳室の脈絡叢から漏出され、中枢神経を保護しつつクモ膜下腔内を循環したのち、その多くは頭頂にある小さな突出部=クモ膜顆粒=から硬膜の外に出て静脈に流れ込み、心臓に戻ります。しかし、この静脈に流れ込む過程で”何らかの障害”があれば、脳脊髄液はクモ膜下腔内に滞留し、先述のPGD2や老廃物/毒素も滞留することになり、それが視床下部の睡眠中枢(腹外側視索前野)、および嘔吐中枢(CTZ-化学受容器引き金帯)を刺激し、その結果強い眠気や吐き気が持続しているのでは

 


・そして、その”何らかの障害”とは、上記問診で確認したTさんの”肩凝りや首の凝り”にあると考えます
この”何らかの障害”について説明する前に、脳脊髄液の硬膜外への排出機序について簡単に説明したいと思います。
何らかの障害とは・・・の前に、脳脊髄液の循環(生成から排出まで)についての解説です、、、

 

 


・先ほども脳脊髄液は脳深部にある四つの空間=脳室=に突出している脈絡叢、つまり毛細血管網から漏出されると記しましたが、この漏出される原動力は毛細血管の血圧にあります

この血圧によって毛細血管に開いている無数の小孔から血漿成分が漏れ出ることになります。この血漿成分が脳脊髄液となります


・この様にして各脳室の脈絡叢(毛細血管網)から血漿成分(脳脊髄液)が漏れ出ると、硬い頭蓋骨で囲まれた頭蓋内圧は上昇します。その上昇した圧は頭蓋骨の各縫合に圧をかけ、それぞれの縫合を開大するベクトルとして作用します。ちなみに頭蓋骨の縫合は、小さなものを含めると50か所以上にもおよびますが、それらを外方に向かって広げる圧力となるのです

 

 

 

 

 

 


頭蓋骨(縫合)はプラスティック製の下敷きと同じ!!
弾性力(位置エネルギー)が鍵””

 


 

・ここで重要な事は、外方に開いた各頭蓋骨-縫合は、それぞれ内方に向けての弾性力(位置エネルギー)を持つことになります。イメージでいえば、小学生の頃によく使ったプラスチック製の「下敷き」を思い出してください。この下敷きは平らなままだと何のエネルギーもありませんから微動だにしませんが、しかしそれを指で折り曲げると、折り曲げた方向と逆方向へのエネルギーが生じますよね。ですからこの時に指を離すと、折り曲げられた下敷きは元の平らな下敷きに戻ります。この際の元に戻るエネルギーが弾性力と呼ばれる位置エネルギーですね
これと同じ理屈が、頭蓋骨の各縫合についても言えるのです

 

頭蓋骨は開いたり閉じたりしている(頭蓋仙骨リズム)

 


頭蓋骨は、常に開いたり閉じたりしている!!!
・・・頭蓋仙骨リズム

・上記考察を整理すると下記の様になります。
1.    頭蓋骨(縫合)が元のフラットな位置にある状態 (☚弾性力-位置エネルギーはゼロの状態)
2.    脈絡叢から血圧によって漏れ出た血漿(脳脊髄液)は頭蓋骨の縫合を外方へ押し広げるエネルギーとなる
3.    頭蓋骨(縫合)が全体的に外方に向かって広がる 
4.    頭蓋骨(縫合)に内方に向かう弾性力(位置エネルギー)が生じ、上記3が広がれば広がるほど、この弾性力も強まる
5.    4の内方に向かう弾性力が脈絡叢の血圧を上回る (内方へ向かう弾性力>脈絡叢の血圧)
6.    頭蓋骨(縫合)の外方に向かっての広がりは停止し、逆に頭蓋骨(縫合)は内方に向かって動く
7.    頭蓋骨(縫合)は上記1のフラットな状態に戻る
8.    以下、1~7が繰り返される


・この様に、頭蓋骨-縫合は「外方⇔内方」といった動きが常に生じているのです。ちなみにこの「外方⇔内方」の動きは数秒で生じていて、オステオパシーではこの動きを「頭蓋仙骨リズム」と呼んでいます

 

 

 


頭蓋骨(縫合)の内方への動き(圧力)が脳脊髄液の排出エネルギーとなる?!
この内方への動きが妨げられると、脳脊髄液の循環も妨げられる・・・

・ここで重要な事は、この「外方⇔内方」の動きの持つ意味です

 

Tさんの眠気の症例に鑑みて言えば、この「内方」へ向かう頭蓋骨の動きの際に、その圧力によって脳脊髄液も圧力を受け、それが先述した「脳脊髄液は各脳室の脈絡叢から漏出され、中枢神経を保護しつつクモ膜下腔内を循環したのち、その多くは頭頂にある小さな突出部=クモ膜顆粒=から硬膜の外に出て静脈に流れ込み、心臓に戻ります。」の主要なエネルギーとなるのです

 


 

・言い換えれば、この「外方⇔内方」の動きが制限されると、脳脊髄液の循環は妨げられてクモ膜下腔に滞留することになります。つまり脳脊髄液中に先述したPGD2や老廃物/毒素が混じっていれば、それらも滞留することになり、長く睡眠中枢や嘔吐中枢を刺激し、眠気や吐き気が持続することになるのです

 

 


脳脊髄液の循環を妨げる”何らかの障害”について、、、
それは肩凝り、首の凝り!!!

・ここまで説明して、やっと先ほどの”
何らかの障害”について説明することが出来ます。

 

つまり、この頭蓋骨の「外方⇔内方」の動きを妨げる”何らかの障害”とは、頭蓋骨に付着している筋肉群、つまり首や肩周りの筋肉群が緊張して硬く凝っていると、頭蓋骨-縫合が外方に広がる時の抵抗となり、「外方⇔内方」の動きを制限する力となります。それは結果的には脳脊髄液の循環をも妨げることになります(☚縫合の癒着など他にも原因はありますが、一番多い原因は首・肩の凝りと考えられます)。

 

      

頭蓋骨に付着する筋肉が緊張すると、頭蓋骨の「外方⇔内方」の動き(頭蓋仙骨リズム)を妨げる要因となる


・そこで、この仮説を確かめるために、
問診上、今回の月経が発来する数日前から仕事に追われていた為か、首から肩にかけての凝りがひどかったので、肩凝り機などで肩-首などの筋肉をほぐしていたそうです。


頭顔面触診上、頬骨弓下~側頭下窩や頸部筋肉群に著明な緊張と圧痛がありました。リンパ節の腫脹はありませんでした。頭蓋仙骨リズムはほぼ触診できませんでした。
といった問診および診察をし、上記仮説の確認をしたわけです。

 

 


Tさんの眠気と吐き気の治療方針と整体テクニック・・・
・ここまで仮説が固まれば、後は簡単でした。
上記「➂治療目標と整体治療」に掲げる治療目標、

⑴    頭蓋内からの静脈還流を促進し、頭蓋内圧(特に海面静脈洞、中脳水道など)を減圧する
⑵    各頭蓋骨縫合の緊張を解放してその可動性を回復し、もって脳脊髄液の循環を促進させ、脳脊髄液を浄化する
⑶    上記⑴、⑵でもって脳室近辺の睡眠覚醒中枢、およびCTZ(化学受容器引き金帯)の失調を改善する

を設定し、それに対応する整体テクニック、
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・椎骨動静脈解放テクニック
・顎動静脈解放テクニック
・頭蓋骨矯正法
・頭蓋仙骨療法 (オステオパシー)

を施術するだけでした。

 


・結果は良好で、初診治療直後には眠気は解消していましたし、また2診目来院時には、「やはり先生が言っていた通り、翌日はかなりだるくてしんどかったです。でもその翌日からはだるさも無くなり、眠気も全くなく、快調に仕事できました」と仰っていましたので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。

 

 


Ps、、、施術翌日にだるくなった理由(仮説)
・本件の原因仮説の要旨は、月経血が普段より多かったことに由来する、大量の子宮内膜壊死産物(老廃物)、あるいはその際に分泌されるプロスタグランジンが脈管系を通じて脳内血流or脳脊髄液に侵入/滞留することで発症しているのでは、、、でした。従ってその治療目標は、脳内血流や脳脊髄液に滞留している老廃物やプロスタグランジンを排出することにありました


・であれば、脳内から排出された老廃物等は全身の脈管系を循環することになるので、それらが肝臓などで解毒されるまでの間(☚通常、数時間から24時間程度の間)、だるさなどを誘発する可能性がありました

この様な考察から、Tさんにはその注意喚起のために「施術の翌日はかなりだるくなると思われます」と、ご注意申し上げました。

そして、肝臓などで解毒された後は、そのだるさも解消するので、「その翌日からは楽になると思います」とも伝えた次第です。

 

 

 

 

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