生理痛と過多月経/貧血…
子宮腺筋症と子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の整体治療
子宮腺筋症とチョコレート嚢胞が縮小した症例
患者Sさん=46才-女性-事務職/主婦の症例より
Sさんの症例解説を読まれる前に・・・
本来、異物として除去されるはずの腺筋症やチョコレート嚢胞が除去されない理由について?!
・本来、腺筋症やチョコレート嚢胞は異物ですから、免疫機能によって排除されるシステムになっているはずです。ですからSさんの様に、腺筋症やチョコレート嚢胞が残存しているという事は、その局所的な免疫機能が低下しているのでは、と考えていいと思います。
ですから当院では、その局所的な免疫機能を増進する整体治療で、腺筋症やチョコレート嚢胞の治療に当たっています。その詳細は、下記の解説文に記していますが、長文ですのでその要点を記しますと、次の通りです。
不要な腺筋症/内膜組織やチョコレート嚢胞を除去するには、、、
各婦人科臓器と血管の癒着を解放し、
血流を改善して免疫細胞の浸潤を促進し免疫力を上げる
いたって単純ですが、この自然治癒力増進法は、意外と効果があります。
それでは長文ですが、Sさんの症例解説-全文をよろしくお読みください。
不明な点、ご質問等は当院お問い合わせHPかお電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
癒着を解放し、血流を増進する整体治療…衣服の上から施術します。
① Sさんの病歴・・・
患者Sさんは、12年前の第一子妊娠時に右卵巣にチョコレート嚢胞(3cm)がある事が分かりました。また、子宮腺筋症も確認されたそうです。これらが第二子の出産後から次第に悪化して生理痛は激痛になり、2年前からは毎回月経時にかなり多量の出血が生じるようになったそうです。現在は止血剤と鉄剤の処方をされています。今まで様々な治療をしてきたそうですが多量出血と貧血は改善されず、このままでは手術が避けられないそうです。どうしても手術は回避したい、との事で今回の来院となりました。
② Sさんの診察
・直近の検査では、右卵巣で65mm、左卵巣で15mmのチョコレート嚢胞があり、ブルーベリースポットも腹腔に多く散在しているそうです。また、子宮腺筋症も肥大しているそうです。子宮は後屈し、ダグラス窩や腸管と癒着し、その間に左右卵巣が挟まれているそうです。小さな子宮筋腫が1個だけあるそうです。
・月経血量は独身時代の2倍以上だそうです。また毎月経時に、ドロッとしたレバー状の血腫も酷い時では1時間に5~6度も排出され、その度に生理用品を交換しているそうです。レバー状の血腫は一度の月経で10個以上出るそうです。
・生理痛は毎回痛む部位が移動するそうですが、主な生理痛部位は下腹部と腰背部だそうです。排卵痛はそれほど感じたことは無いそうです。
・月経周期は28日で、月経期間は6~7日だそうです。基礎体温で高温期-低温気の明確な差は無かったそうです。
・結婚後、なかなか妊娠しなかったため不妊治療を数年間していたそうですが、効果が無く、また体調も悪化するので中止したそうです。ただその後に自然妊娠で二人の子供を授かったそうです。
・血液検査上、鉄欠乏性貧血があり、鉄剤の処方を受けておられますが、あまり改善していないそうです。ただ、肌荒れ・乾燥感と立ちくらみ的なめまい感以外の貧血所見は、あまり無いそうです。
・顔色は土色で、眼瞼結膜は蒼白でした。爪床は白色に近く、ひび割れが目立っていましたが、匙状ではありませんでした。爪圧迫テストは左右とも約2.0秒です。
・排尿痛は無く、排尿回数も普通くらいだそうです。
・排便は二日に一度くらいだそうです。便の性状は普通だそうです。
・食欲は普通だそうですが、食事毎にお腹が張って腹痛が生じ、ガスも増えるそうです。
・冷え症も酷く、特に左右の肩、手、足がつらいそうです。
・腹部聴診上、グル音が聴取され、血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、下腹部はやや陥凹していました。恥骨上方の最深部で子宮底が触診できましたが、可動性はありませんでした。左右の恥骨結節上方の深部で腫瘤感と圧痛がありました。さらに、臍の左右斜め上方部にも著明な緊張と圧痛がありました。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 卵巣と腸管やダクラス窩の癒着を解放する
⑵ ⑴により癒着間隙に隠れていた内膜組織のマクロファージによる貪食機能を助長し、異所性内膜組織を解消する
⑶ 卵巣動静脈、子宮膣静脈叢、子宮静脈叢の循環を回復する
⑷ ⑶により卵巣と子宮筋内の免疫機能を上げ、卵巣と子宮筋内の内膜組織(チョコレート嚢胞、腺筋症)を解消する
⑸ 門脈血流を亢進する
⑹ ⑸によりエストロゲンの代謝を促進し、子宮筋腫の増殖を抑える
⑺ ⑴~⑹によって肥大した子宮を元に戻し、出血量を減らす
⑻ 子宮後屈を前傾前屈位に回復する
・子宮底解放テクニック
・子宮内膜症解放テクニック
・平滑筋テクニック
・子宮円索テクニック
・卵巣動静脈解放テクニック
・子宮膣動静脈解放テクニック
・子宮静脈叢解放テクニック
・門脈解放テクニック
内膜症は赤点部分に蓄積-癒着しやすいので、同部の癒着を解放する整体治療を施術します。
④ 経過と結果・・・
・初診治療後、
左右大腿後面に軽度のしびれ感があったそうですが、すぐに治まったそうです。
・3診目来院時、
オリモノに少量の出血があったそうです。
・7診目来院時、
初診後1回目の月経がありましたが、その状況は「いつもの生理痛がほとんどありませんでした。こんな事は何年ぶりかです。」と仰っていました。また過多月経については「いつも1時間に5~6回も出るレバー状の塊が、今回は1度しか出ませんでした、かなり少なくなっていました」と、不思議そうに仰っていました。不正性器出血も無かったそうです。
・11診目来院時(初診後2回目の月経後)、
「若干、右の側腹部の違和感があったくらいで、生理痛はほとんどマシでした。過多月経も、レバー状の血塊は1~2個くらいで、いつもより全然少なめでした」と仰っていました。また「貧血も良くなっている感じがします。」と仰っていました。
その後3回目と4回目の月経がありましたが、両方とも出血は少量でレバー状の塊も1個あるかないかくらいだったそうです。また、血液検査でも赤血球数やヘマトクリット・他の血清鉄の値が大幅に上昇し、担当医より「鉄剤の服用は中止しても良いですよ」とまで言われるくらい改善していました。
・16診目より
「癒着性の子宮後傾後屈症」の整体治療を追加した結果、17診目来院時にSさんは「(今までの治療で過多月経が改善され、生理痛・月経血が改善していましたが)今回は久しぶりに月経血が増えていました。また下腹部(左右恥骨結節の深部付近)に生理痛がありました」と仰っていました。
・19診目来院時、
「生理痛はありませんでした。月経血も普通くらいで、ドロドロとした塊も出ませんでした」と仰っていました。
・さらに一か月後の20診目来院時、
「生理痛は全くありませんでした。月経血も普通で、塊は小さいのが一つだけでした」と仰っていました。
・22診目来院時、
「先日、婦人科の検診でチョコレート嚢胞は右が32mmで、大幅に小さくなっていました。しかし左は14mmで、変わりがありませんでした(治療前=右卵巣65mm/左卵巣15mm)。」と担当医から説明を受けたそうです。子宮腺筋症については「変わらずあるそうですが、それが小さくなっていて、子宮自体もかなり小さくなってきているそうです。」と、担当医から説明があったそうです。また生理痛と過多月経については「(今回も)生理痛は無く、塊は一つもありませんでした」と仰っていました。
・24診目来院時、
「(先日月経がありましたが)月経血は普通で、レバー状の塊は小さいのが1個だけでした。生理痛もありませんでした。」と仰っていました。この何か月の月経は、月経血量も生理痛も極めて安定していたので、一連の整体治療を終了することにしました。
(3か月後の婦人科での定期健診で子宮腺筋症は痕跡程度にまで消失し、子宮腺筋症のマーカーであるCA125も、正常範囲に改善したとの報告を受けました。)
⑤ 今回の症例の概説、、
◆ まずは、原因の特定から…
・Sさんの婦人科での検査では、小さな筋腫が一つだけあるだけですから(☚部位は不明)、過多月経に関して子宮筋腫が主要因とは考えにくく、その出血源は主に、子宮腺筋症により肥大した子宮由来の可能性が高いのでは、と思われます。
・生理痛に関しては、子宮筋内の内膜組織(腺筋症)や、卵巣内の内膜組織(チョコレート嚢胞)の可能性が一番高く、他にダグラス窩や他の腹膜、あるいは腹膜と腸管と癒着している部位などの異所性内膜組織などが月経時に溶ける事が生理痛の原因と考えられます。
◆ ブルーベリースポットなどの異物を自力で排除できない・・・
それは局所免疫力 & 血流低下などの自然治癒力低下が原因か ?!
その自然治癒力を回復させる整体法を施術する
・月経血や内膜組織(ブルーベリースポット)は、元々は自己組織とは言え、排泄された後は壊死し、もはや異物(抗原)ですから、マクロファージの様な免疫細胞に貪食・処理されるはずです。ところがSさんの様なケースでは、それらが何らかの理由で貪食-処理されずに「残存➡増殖」といった過程を経て数センチにわたるチョコレート嚢胞や子宮腺筋症に至っているものと推定しました。
・その原因の最右翼として、マクロファージ等の局所免疫機能が減弱している可能性があると考えます。具体的には、
1.卵巣の周辺臓器との癒着によってマクロファージが内膜組織部に浸潤しにくい➡卵巣の局所免疫力低下
2.卵巣動静脈の血流阻害によって免疫細胞が移動しにくい➡卵巣の局所免疫力低下
3.子宮動静脈の血流阻害によって免疫細胞が子宮筋内に移動しにくい➡子宮筋内の局所免疫力低下
4.ダグラス窩の癒着部や腸管との癒着部などにマクロファージなどが浸潤しにくい➡ダグラス窩/腸管部の免疫力低下
上記1~4によって、本来異物(抗原)であるはずの内膜組織などが残存-増殖し、そこが多量の出血源や生理痛の原因になっているのでは、と思われます。上記の事から、出血源である嚢胞を縮小-消失する事を目的とした整体手技で出血源を減少させて、過多月経を抑制する事に努めました。
◆ 生理痛の原因となる癒着を解放する?!
・生理痛については、いつもの様に月経血-内膜組織が挟まっていると推測される部位の臓器間の癒着を解放する手技を施術し、マクロファージなどがその間隙に浸潤しやすい環境を作る事で、痛みの原因となる異所性内膜組織の貪食を亢進する事に努めました。
内膜症は赤点部分に蓄積-癒着しやすいので、同部の癒着を解放する整体治療を施術します。
◆ 毎月10個以上あった月経血の塊がゼロに…そして生理痛も!!
・結果的に、初診後直後の月経時から月経血は減少し、同時にレバー状の塊も減少し、10個以上もあった塊も最近ではほぼゼロにまで激減した事。そして強かった生理痛もほぼ解消し、さらに婦人科の再検査では、治療前に65mmだった右卵巣-チョコレート嚢胞が32mmにまで小さくなっていた事(右卵巣はほぼ変化なし)、そして腺筋症自体は残存しているもののそれが減少し、子宮がかなり小さくなっていた事などからも、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思います。
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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。
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