皆さま、こんにちは!

 

今回は、古い航空写真を見たら

不思議なモノを見つけっちゃった駅の訪問記です。

書籍やネットで調べても、こちらの駅の

この歴史について触れた記事を見つけられなかったのですが…

久大本線・小野屋(おのや)駅です。

小野屋駅は久大本線の前身である大湯鉄道の手により、

大正4年に開設された駅でした。

大分市から湯平温泉を結ぶ目的で開業した大湯鉄道ですが、

建設資金の不足から大正4年に小野屋駅まで開通させたところで

工事はストップ。

大正11年に大湯鉄道が国有化されたことにより、

大正12年に晴れて湯平駅まで結ばれたそうですよ。

そんなことから小野屋駅は大湯鉄道時代の終着駅でしたの。

(久大本線が全線開通したのは昭和9年のことです)

大湯鉄道や久大本線の歴史を語る上で、

小野屋駅は絶対に外せない駅だったわけですね。

 

現在の駅舎は平成19年に建て替えされたモノだそう。

駅前にはこんな石碑が建てられてましたよ。

山頭火の詩碑です!

山頭火と言っても

豚骨スープが美味しいあのラーメン屋さんのことじゃありません。

俳人・種田山頭火のことですからね。

 

碑に記された「山頭火日記」によると、

山頭火は小野屋に昭和5年に訪れたようです。

列車で来たのか?それとも歩かれてきたのか?

鉄道ファンとしては、そんなどうでもいいことが気になりました。

山頭火はこの時期に俳句を詠みながら西日本を旅してますので、

その途中で寄ったのだと思いますけど。

 

それでは駅舎に入りましょう。

 

小野屋駅は市の職員さんが出札業務を行う駅だそうです。

…ということは簡易委託駅ってことかな?

自動券売機が無い簡易委託駅で入場券を求めると、

切符を買わなくても構内に通してくれることが多いですが、

せっかくなら「来訪証明書」的なグッズ(絵葉書とか)を

入場券代わりに売ってみてもいいのではないでしょうかね?

鉄道ファンは喜んでお金を落としてゆくと思いますよ。

 

小野屋駅の構内です。

列車の行き違いが可能な相対式ホーム2面2線構造でした。

 

駅舎寄りに保線車両の留置線が伸びてますが、

国鉄時代は駐車場がある場所に貨物ホームがあったみたいですね。

 

平成19年築の駅舎は、趣味的に見てあまり面白くありませんけど、

(地元の皆さま、ごめんなさい)

構内には古い駅施設もしっかりと残されてます。

駅舎と反対側のホームに注目ですよ。

レトロな待合所があるじゃないですか!

自分の「見る眼」が正しければ、この待合所は相当古いやつのはず。

大湯鉄道時代からある待合所なら鼻血ブーモノ間違いなしなのですけど…

 

そこで待合所に近づいてみました。

建物財産票があればラッキーなのですが。

 

あったあった!

財産票に記された待合所の建立年は昭和21年なり。

古い待合所であることは間違いありませんでしたけど、

国鉄時代に建てられたモノでしたわ。

 

待合所の中はこんな感じです。

列車のステップの高さに合わせてホームが嵩上げされてますが、

待合所の中だけは昔のままでした。

最近はホームが嵩上げされると

古い待合所が撤去されることが多いので、これはありがたい対処法です。

 

名所案内を見る。

長湯温泉の最寄り駅は確かに小野屋駅なのでしょうが、

バスで1時間はちょいと遠いなぁ。

 

小野屋駅は小高い丘陵の上にあります。

跨線橋の上から街を俯瞰することが出来ますよ。

 

さてさて、冒頭に書いた「小野屋駅の不思議なモノ」のことです。

小野屋駅は大正4年~大正11年までの7年間、

大湯鉄道の終着駅だったとのことで、

昔は構内に転車台や給水塔があったのではないかと思い

古い航空写真を見てたのですよ。

下は国土地理院のサイトから転載した昭和23年撮影の航空写真でした。

よ~く見ると、久大本線の線路とは別に

くにゃくにゃっと曲がった線路跡らしきモノが写り込んでたのですよ。

(赤いラインでなぞった個所です)

大湯鉄道は国有化される際に、

新線切り替えが行われた区間があることを

鬼瀬駅の訪問記でも書きましたが、

小野屋駅周辺も新線に移設されていたのではないでしょうかね?

だとすると、小野屋駅は国有化される以前は

現在地よりも東側にあったということになるのですけど。

 

昔はこの方向に線路が伸びていたのではないでしょうか?

 

それとそれと…

自分は小野屋駅を訪れたのは今から3年前のことです。

当時は駅前に古めかしい倉庫が鎮座してたのですよ。

 

間近で見るとわかりますが、倉庫はかなりの年期モノでした。

この倉庫がどのような用途で使われていたのかはわかりませんが、

実は大湯鉄道時代から残る駅前倉庫だったりして。

グーグルマップで確認したら現在は撤去されてしまったようですけど、

歴史的価値が高い建造物だったのではないでしょうかね?

 

最後は久大本線名物の車両マスコット付き駅名標で〆ます。

モチーフの車両はキハ47とキハ200でしたよ。

…以上、謎多き(そう思ってるのは自分だけ?)小野屋駅の様子でした。

駅が移転したことをご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください。

 

 

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