【夕顔360-3】古文常識「家鳩」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
毎日の学習の箸休めに、
この記事でプラスαの知識を身につけてね♪
【今回の源氏物語】
竹の中に家鳩といふ鳥の、ふつつかに鳴くを聞きたまひて、かのありし院にこの鳥の鳴きしを、いと恐ろしと思ひたりしさまの、面影にらうたく思し出でらるれば、
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今回出てきた古文単語
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■【竹の中】…竹藪のなか
■【に】…場所の格助詞
■【家鳩(いへばと】…家禽のハト
■【と】…引用の格助詞
■【いふ】…ハ行四段動詞「言ふ」の連体形
■【の】…主格の格助詞
■【ふつつかに】…ナリ活用形容動詞「ふつつかなり」連用形
※【ふつつかなり】…太くてしっかりしている。みっともない
■【鳴く】…カ行四段動詞「鳴く」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」の連用形
■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」の連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【かの】…あの(指示連体詞)
■【ありし】…前述の。例の
※【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【院(ゐん)】…夕顔が死んだ廃院
■【に】…場所の格助詞
■【この鳥】…家鳩のこと
■【の】…主格の格助詞
■【鳴き】…カ行四段動詞「鳴く」の連用形
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【いと】…とても
■【恐ろし】…怖い。恐ろしい
■【と】…引用の格助詞
■【思ひ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連用形
■【たり】…存続の助動詞「たり」の連用形
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【さま】…ようす
■【の】…主格の格助詞
■【面影(おもかげ)】…心に浮かぶ姿。幻影
■【に】…状態の格助詞
■【らうたく】…ク活用形容詞「らうたし」の連用形
※【らうたし】…かわいらしい
■【思し出で】…ダ行下二段動詞「思し出づ」の未然形
※【思(おぼ)し出(い)づ】…思い出しなさる
■【らるれ】…自発の助動詞「らる」の已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
◇ 今回は「らるれ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「家鳩」 ☆
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竹の中に家鳩といふ鳥の、ふつつかに鳴くを聞きたまひて、かのありし院にこの鳥の鳴きしを、いと恐ろしと思ひたりしさまの、面影にらうたく思し出でらるれば、
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.竹藪の中で家鳩が趣深く鳴くのを、光源氏は聞きなさって
2.竹藪の中で家鳩がしめやかに鳴くのを、光源氏は聞きなさって
3.竹藪の中で家鳩が図太い声で鳴くのを、光源氏は聞きなさって
4.竹藪の中で家鳩がしきりに鳴くのを、光源氏は聞きなさって
5.竹藪の中で家鳩が突然鳴いたのを、光源氏は聞きなさって
大学入試センター試験の古文単語は
重要古語としてあなたが覚えているものだけでなく
上記のように、古文常識に絡む問題も
よく出題されます。
(;゚;∀;゚;)
【ふつつかなり(不束なり)】
【形容動詞:ナリ活用】
①太くてしっかりしている様子
②ぶかっこうな様子。みっともない様子
③(細かい点まで)心が至らない様子。考えが浅く軽率な様子
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
って、現代でもよく使う言葉なので
選択肢2みたいなものを、つい選んじゃったりして…;
まあ、「ふつつか」の辞書的意味を知ってても
かっちり選べるかどうか…;;
ではどうすればよいか?
こういう場合、主語である「家鳩」にも着目してみましょう。
【家鳩(いえばと)】
【名詞】
…カワラバトの変種で、家禽 (かきん) 化した鳩。 どばと。飼いばと
*『国語goo辞書』より
現代の国語辞典をみると
よく公園とかにいる、あのハトを想像しますが…
この直後の記述に
竹の中に家鳩といふ鳥の、ふつつかに鳴くを聞きたまひて、かのありし院にこの鳥の鳴きしを、いと恐ろしと思ひたりしさまの、面影にらうたく思し出でらるれば、
とありますので
この家鳩のイメージは、決定づけられますよね。
1.竹藪の中で家鳩が趣深く(×)鳴くのを、光源氏は聞きなさって
2.竹藪の中で家鳩がしめやかに(×)鳴くのを、光源氏は聞きなさって
3.竹藪の中で家鳩が図太い声で(○)鳴くのを、光源氏は聞きなさって
4.竹藪の中で家鳩がしきりに(?)鳴くのを、光源氏は聞きなさって
5.竹藪の中で家鳩が突然(?)鳴いたのを、光源氏は聞きなさって
【答え】…3
竹の中に家鳩といふ鳥の、ふつつかに鳴くを聞きたまひて、かのありし院にこの鳥の鳴きしを、いと恐ろしと思ひたりしさまの、面影にらうたく思し出でらるれば、
● 過去記事リンク
■たまふ
■か・かの
■ありし
■いと
■らうたし
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