1.【原文】の音読
2.【現代語訳】の照らし合わせ
3.【イラスト訳】のイメージを入れる
この流れで学習を積んでいってください。
難解な『源氏物語』も含めた古文が、するする速読できるようになりますよ。
高校生・浪人生の方だけでなく、
小・中学生の方の勉強にも取り入れていただければ、
下手に古文を丸暗記するよりも、ずいぶん力がつくはずです。
YouTubeもありますので、日々の勉強にお役立てください。
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源氏物語イラスト訳【末摘花241】若紫の装束
無紋の桜の細長、なよらかに着なして、何心もなくてものしたまふさま、いみじうらうたし。
【これまでのあらすじ】
故常陸宮の姫君(末摘花)と逢瀬を迎えた光源氏。返歌もできない教養のなさや、雪明かりの朝に見た彼女の容貌に驚き、幻滅します。しかし、縁があって逢瀬を迎えたのだから、一生彼女の面倒をみようと心に決めます。光源氏19歳の年末に、へたな和歌と野暮ったい衣装が贈られ、源氏はさらに閉口します。正月過ぎた頃、気を取りなおして、末摘花邸に久々にやって来ました。
源氏物語イラスト訳
無紋の桜の細長、なよらかに着なして、
訳)無紋の桜襲の細長を、しなやかに着こなして、
何心もなくてものしたまふさま、
訳)無邪気にしていらっしゃるようすが、
いみじうらうたし。
訳)非常にかわいらしい。
【古文】
無紋の桜の細長、なよらかに着なして、何心もなくてものしたまふさま、いみじうらうたし。
【訳】
無紋の桜襲の細長を、しなやかに着こなして、無邪気にしていらっしゃるようすが、非常にかわいらしい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【無紋(むもん)】…冠・衣・帯・太刀などの地に模様のないこと。無地
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【桜(さくら)】…「桜襲(さくらがさね)」の略
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【細長(ほそなが)】…貴族の女性の衣服の一つ。「袿(うちき)」に似るが大領(おおくび)(=前襟)がなく、細長い形をしており、小袿(こうちき)の上に着てふだん着とする
■【なよらかに】…ナリ活用形容動詞「なよらかなり」連用形
※【なよらかなり】…(衣服が)柔らかだ。しなやかだ(「なよよかなり」に同じ)
■【着なす】…着こなす
■【て】…単純接続の接続助詞
■【何心もなく】…無邪気に
※【何心なし】…無心である。なにげない。無邪気である
※【も】…強意の係助詞
■【て】…単純接続の接続助詞
■【ものしたまふ】…いらっしゃる
※【ものし】…サ変動詞「ものす」連用形
※【ものす】…代動詞。ここでは「あり」の意
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)
■【さま】…ようす
■【いみじう】…シク活用形容詞「いみじ」連用形ウ音便
※【いみじ】…はなはだしい
■【らうたし】…かわいらしい
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