【夕顔246-3】古文単語「らうたし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔246-3】古文単語「らうたし」

ひどい豪雨災害でしたが、

被害のほどは大丈夫でしょうか?

わが家の近所も、甚大な被害で、断水状態です><;

源氏物語イラスト訳 重要古語ラブラブ 

 

【古文単語の覚え方】

チェックボックス1.現代語から想像して覚える

チェックボックス2.漢字のイメージで覚える

チェックボックス3.ゴロを利用して丸覚えする

の3つのどれかで覚えます。

 

今回は、【イメージの丸暗記】で覚えましょ♪

 

【今回の源氏物語】

さることなかりとて泣きたまふさまいとをかしげにらうたく見たてまつるいと悲しくおのれよよ泣き

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【さる】…そのような

■【も】…強意の係助詞

■【なかり】…ク活用形容詞「なし」已然形

■【つ】…完了の助動詞「つ」終止形

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【泣き】…カ行四段動詞「泣く」連用形

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【さま】…ようす

■【いと】…たいそう

■【をかしげに】…ナリ活用形容動詞「をかしげなり」連用形

※【をかしげなり】…風情がある

■【らうたく】…ク活用形容詞「らうたし」連用形

※【らうたし】…かわいらしい。いじらしい

■【見たてまつる】…拝見する

※【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

※【たてまつる】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【も】…添加の係助詞

■【いと】…たいそう

■【悲しく】…シク活用形容詞「悲し」連用形

■【おのれ】…自分

■【も】…添加の係助詞

■【よよ】…おいおい(しゃくり上げて泣く様子)

■【と】…引用の格助詞

■【泣き】…カ行四段動詞「泣く」連用形

■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形

  アップ

今回は「ぬ」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「らうたし」 ☆

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「さることもなかりつ」とて、泣きたまふさま、いとをかしげにらうたく、見たてまつる人もいと悲しくて、おのれもよよと泣きぬ。

 

問)傍線部は、誰の、どのような様子を表しているか、最も適当なものを一つ選べ。

 

1.光源氏の泣いている姿が見苦しく、とても変わっている様子。

 

2.惟光の泣いている姿が面白く、見ていていじらしい様子。

 

3.夕顔の泣いている姿がたいそう滑稽で、みっともない様子。

 

4.光源氏の泣く姿が優美で、見ていて胸が締め付けられる様子。

 

5.右近の泣いている姿が、とても愛らしくてかわいらしい様子。

 

照れ  チュー  びっくり

 

今回の「をかしげに」「らうたく」という重要古語は、

品詞をきちんと理解し、

 

● をかしげなり

● らうたし

 

という基本形を明確にしたうえで、

単語の意味を、まずは確認していきましょう。

キョロキョロ

 

【をかしげなり

【形容動詞:ナリ活用】

…いかにも趣がある。いかにも愛らしい。いかにもすばらしい

 

【らうたし

【形容詞:ク活用】

…かわいい。いとおしい。いじらしい。かれんだ

 

 ※Weblio古語辞典より

   

 

実は、この単語の基本の意味だけで判断すると、

 

 

1.光源氏の泣いている姿が見苦しく、とても変わっている(×)様子。

 

2.惟光の泣いている姿が面白く、見ていていじらしい様子。

 

3.夕顔の泣いている姿がたいそう滑稽で、みっともない(×)様子。

 

4.光源氏の泣く姿が優美で、見ていて胸が締め付けられる様子。

 

5.右近の泣いている姿が、とても愛らしくてかわいらしい様子。

   矢印

選択肢245が残ってしまいます。

びっくり

 

 

今回の傍線部では、

「をかし」「らうたし」の意味だけでなく、

 

「―たまふ」という尊敬動詞の主体にも

目を向ける必要があるんですね!

(灬ºωº灬)

 

 

 

…てことで、

泣いているのは光源氏

 

 

ですが、この光源氏に対して、

「をかしげなり」はともかく、

 

「らうたし(=かわいらしい)」って古語は、

ちょっとビミョーな気がしませんか?

(;・`ω・´)

 

 

【らうたし

【形容詞:ク活用】

…かわいい。いとおしい。いじらしい。かれんだ

 

 

「らうたし」は、

小さいものや弱いものに対して、

胸がキュンとなるほどの愛情を感じる古語。

 

 

無力無垢な子どもなどによく使われるので、

「らうたし(=かわいらしい)」というイメージが

染みついたのでしょうね。

ヽ(*'0'*)ツ

 

 

 

“かわいらしさ”を表す古語

 

【うつくし】
 かわいらしい、かわいい

 

現代語の美しいとは違って、小さいものや幼いものをかわいいと表現するときに使います。

 

【いとほし】
 ①愛しい
 ②気の毒だ

 

今はプラスの意味で用いるこの語は、古文では「らうたし」と同様、心が痛いほど愛しいという気持ちを表します。

【かなし(愛し)】

 …愛らしい。かわいい


今は「悲し」と書くこの言葉ですが、昔は「愛し」と書きました。
ちなみに古文で悲しみを表す語は「あはれ」「つらし」などです。

 

【らうたし】
 …かわいらしい

 

か弱く無力なので、心が痛いほど愛情を感じるといったかわいさを表す言葉です。

 

 

【解答】…

   

 

 

【夕顔(第5章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

さることなかりとて泣きたまふさまいとをかしげにらうたく見たてまつるいと悲しくおのれよよ泣き


 

過去記事リンク

さる(然る)

つ(助動詞)

とて

たまふ

さま(様)

いと

をかし

に(識別)

~げなり

らうたし

見たてまつる

たてまつる(補助動詞)

かなし

て(接続助詞)

己(おの・おのれ)

と(格助詞)

ぬ(助動詞)

 

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