源氏イラスト訳【夕顔246】さることも
「さることもなかりつ」とて、泣きたまふさま、いとをかしげにらうたく、見たてまつる人もいと悲しくて、おのれもよよと泣きぬ。
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【源氏物語イラスト訳】
「さることもなかりつ」とて、
訳)「そのようなこともなかった」と言って、
泣きたまふさま、いとをかしげにらうたく、
訳)泣きなさる様子は、とても風情があっていじらしく、
見たてまつる人もいと悲しくて、
訳)拝見する人もたいそう悲しくて、
おのれもよよと泣きぬ。
訳)自分もおいおいと泣いた。
【古文】
「さることもなかりつ」とて、泣きたまふさま、いとをかしげにらうたく、見たてまつる人もいと悲しくて、おのれもよよと泣きぬ。
【訳】
「そのようなこともなかった」と言って、泣きなさる様子は、とても風情があっていじらしく、拝見する人もたいそう悲しくて、自分もおいおいと泣いた。
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■【さる】
■【も】
■【なかり】
■【つ】
■【とて】
※【と】
※【て】
■【泣き】
■【たまふ】
■【さま】
■【いと】
■【をかしげに】
※【をかしげなり】
■【らうたく】
※【らうたし】
■【見たてまつる】
※【見】
※【たてまつる】
■【も】
■【いと】
■【悲しく】
■【おのれ】
■【も】
■【よよ】
■【と】
■【泣き】
■【ぬ】
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☆本日の『源氏物語』☆
「らうたし」という古語は、
「かわいらしい」意味の重要古語としてよく出てきますが、
ここでは、「かなし」と同等、
胸がきゅんと締め付けられる心情のようです。
光源氏が「らうたし」…って、
おかしいですもんね;;