【夕顔246-2】形容詞の活用☆偏差値48☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔246-2】形容詞の活用☆偏差値48☆

ひどい豪雨災害…みなさんは大丈夫でしょうか?

今夜は七夕…それどころじゃないですね;

ガーン

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。後の始末をつけるため、腹心の部下惟光(これみつ)を廃院に呼びました。

 

【今回の源氏物語】

「さることもなかりつ」とて、泣きたまふさま、いとをかしげにらうたく、見たてまつる人もいと悲しくて、おのれもよよと泣きぬ。

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夕顔246イラスト訳はこちら

 

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 ☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル48

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「さることも〔① なし 〕つ」とて、泣きたまふさま、いとをかしげに〔② らうたし 〕、見たてまつる人もいと〔③ 悲し 〕て、おのれもよよと泣きぬ。

 

問)〔①なし〕〔②らうたし〕〔③悲し〕を適切な形に直したものの組み合わせとして最も適当なものを選べ。

 

1.① なく   ② らうたしく   ③ 悲しく

 

2.① なき   ② らうたき   ③ 悲しかり

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

4.① なく   ② らうたき   ③ 悲しき

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

 

びっくり  チュー  キョロキョロ

 

高校1年レベルの問題☆

1学期の期末考査で出てきましたよね~!

ちゅー

 

 

第一段階
ク活用シク活用かを見分ける

 

 

【なし(無し)

【形容詞:ク活用】

①ない。いない。存在しない

②留守だ。不在だ

③死んでいる。生きていない

④世間から見捨てられている。ないも同然だ

⑤またとない。無類だ

⑥正体がない。正気を失っている

 ※Weblio古語辞典より

   矢印

いろいろ辞書に意味が書いてありますが、

要するに、「無い」ってことですよね!

ゲローゲローゲロー

 

① なし(無し)⇒ク活用

② らうたし  ⇒ク活用

③ かなし(悲し)⇒シク活用

 

 

①と③は、今でも用いる形容詞なので、

そのことが分かれば、第1段階クリアです☆

ウインク

 

 

 

 

②の「らうたし」は、現代にない古文特有語

明日の重要古語で確認しますが、

今回は、ク活用ということを押さえてください。

びっくり

 

 

1.① なく   ② らうたしく   ③ 悲しく

 

2.① なき   ② らうたき   ③ 悲しかり

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

4.① なく   ② らうたき   ③ 悲しき

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

 

 

 

 

 

第二段階
直後のつながり活用形を判別

 

 

「…〔① なし 〕つ」とて

   矢印

完了の助動詞「つ」が直後についていますね。

完了の助動詞「つ」「ぬ」「たり」は、活用語の連用形に接続します。

したがって、①「なし」は、連用形にします。

 

1.① なく   ② らうたしく   ③ 悲しく

 

2.① なき   ② らうたき   ③ 悲しかり

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

4.① なく   ② らうたき   ③ 悲しき

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

 

 

 

いとをかしげに〔② らうたし 〕、

   矢印

②の直後にあるのは、「、(読点)」ですね。

ゲロー

 

読点(、)というのは、文を次に続けるもの。

現代文でも古文でも、単純に文をつなげる場合は、

活用語の連用形が、読点の前にきます。

これを、連用中止法と呼んでいます。

 

1.① なく   ② らうたしく   ③ 悲しく

 

2.① なき   ② らうたき   ③ 悲しかり

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

4.① なく   ② らうたき   ③ 悲しき

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

 

③の、単純接続の接続助詞「て」の前も、

同様に連用形が来ます。

   下矢印

いと〔③ 悲し 〕て、

 

 

1.① なく   ② らうたしく   ③ 悲しく

 

2.① なき   ② らうたき   ③ 悲しかり

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

4.① なく   ② らうたき   ③ 悲しき

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

 

 

 

 

 

第三段階
本活用補助活用かを見分ける

 

   矢印

2つある活用形のうち、

左側に書いてあるほうを、本活用

右側に書いてある「カリ活用」のほうを、補助活用

と言います。

ねー

 

 

その字の通り、

原則的には、本活用のほうを用います。

(※たとえば、用言に接続する⇒連用形とか)

 

 

そして、助動詞などに接続する場合、

本活用のほうで不自然になるなら、補助活用を用います。

 

 

たとえば、②や③の連用中止法は、

しょっちゅう用いる形なので、本活用でいけますが、

 

①のように、助動詞に接続する場合は、

補助活用(カリ活用)を用いる。

 

といった具合です。

チュー

 

3.① なかり   ② らうたく   ③悲しく

 

 

5.① なかり   ② らうたく   ③ 悲しかり

   矢印

③の「―て」に接続する場合、

「悲しくて」「悲しかりて」のどちらでもいけそうな気がします。

 

漢文の場合は、カリ活用を用いる場合が多いのですが、

 

 

古文では、あくまで原則は本活用

 

不自然でなければ、助動詞以外は本活用と覚えておきましょう!

(o^-')b

 

 

 

 

【正解】…

 

 

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