【帚木348-3】「かなし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木348-3】「かなし」

ごきげんよう、あいですラブラブ 

センター試験まであと65日ですねっ!

古文の勉強がんばってますか?('-^*)☆

 

帚木348のイラスト訳はこちら⇒

 

【今回の古文単語】

■【いづれ】…どの、どれ

■【か】…疑問の係助詞

■【など】…引用の副助詞

■【―たまふ】…―なさる尊敬の補助動詞

■【に】…~と順接の接続助詞

■【これ】…この子

■【は】…提示の係助詞

■【故衛門督】…亡くなった衛門督(えもんのかみ)

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【末(すゑ)の子】…末っ子

■【にて】…~であって

※【に】…断定の助動詞「なり」の連用形

※【て】…単純接続の接続助詞

■【いと】…とても

■【かなしくす】…かわいがる

※【かなし】…愛しい、かわいい

■【はべり】…~です、ます丁寧の補助動詞

■【ける】…過去の助動詞「けり」の連体形

■【を】…~のだが、~のを単純接続の接続助詞

■【幼し(をさなし)】…おさない

■【ほど】…時、頃

■【に】…時を表す格助詞

■【後る(おくる)】…先立たれる

 

重要古語は、こちらの一覧から検索してください。


 

今日は、「かなし」についてです☆

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重要古語を覚える際、特に注意を要するものが、

今回のイラスト訳にも出て来ました、

 

現代語と意味の異なる古語です。

 

!щ(゜Д゜щ)


 

「かなし」は、現代では、


悲しい

「悲しい」「哀しい」という漢字を当て、

明らかに、マイナスイメージの単語です。


 

しかし、古文では、

「愛し」という漢字を当て、

プラスイメージになる場合もあるんです。


 

【かなし(愛し)】

①しみじみとかわいらしい

②すばらしい、心引かれる

 

【かなし(悲し)

①切なく悲しい

②ふびんだ、かわいそうだ

③くやしい、残念だ、しゃくだ

④貧しい、生活が苦しい

 

 (シク活用形容詞


まったく正反対な感じがしますが、

 

古語で重要なのは、イメージなんです。


かなし

 

きゅーん…

心が痛切に感じることって、ありますよね。


 

たとえば、かわいい赤ちゃんを抱いた時…

たとえば、生まれたばかりの小さな犬を見た時…

 

たとえば、片想いの彼が他の女と歩いているのを見た時…

たとえば、恋人に別れを告げられた時…

たとえば、あなたをとても愛しいと思った時…


 

小さなものに触れたり、

愛しいと感じたりした時って、

心がズキンと鳴ります。


 

切な…い


 

強く心が引かれ、痛切に愛着する気持ち

 

それが、「かなし」なんです。


 

ほら、もう一度古語辞典を見てください。

【かなし(愛し)】

①しみじみとかわいらしい

②すばらしい、心引かれる

 

【かなし(悲し)

①切なく悲しい

②ふびんだ、かわいそうだ

③くやしい、残念だ、しゃくだ

④貧しい、生活が苦しい

 

切ない、きゅ~んとするような気持ちが、

共通していますよね。

(´・ω・`)


 

現在では、「かなし」は「悲(哀)しい」のみの気持ちを示すようになりましたが、

 

古文の「かなし」のニュアンスを知ってたら、

「かなし」という言葉を使うときも、

少し奥深く、気持ちがこもりますよね。

('-^*)☆


イラスト訳を始めから読みたい人はこちらから→

本日の「源氏物語」まとめ

 

■帚木348(原文)

いづれいづれ

など問ひたまふ
これ故衛門督にていとかなしくしはべりける幼きほど後れはべり、…
 

本日の古語~過去記事リンク~

いづれ

疑問・反語の識別

こ、これ、この(指示語)

は(係助詞)

の(格助詞)

に(識別)

て(接続助詞)

いと

はべり

けり  けり②

ほど(程)

に(助詞)

おくる(後る)

 

 

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今日もご訪問ありがとうございました☆

お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b