【帚木181-3】強調の係助詞「は」について | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木181-3】強調の係助詞「は」について

今日も勉強お疲れさま~ラブラブ


このブログは、難関大学受験から初歩の初歩まで、

古文を勉強していく方ならどなたでも、

「ふ~ん!」って思ってもらえる箇所があるように、

読み応えのある記事構成にしています。


ぜひ古文学習の日課としてご活用くださいね音譜

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【限り(かぎり)】…限度、最後

■【未然形+ば】…~ならば(順接の仮定条件

■【かく】…このように指示語

■【わりなし】…無理に、どうしようもない

■【もの疑ひ】…邪推、嫉妬、懐疑

■【~は】…強調の係助詞

■【せよ】…サ変動詞「す」の命令形

■【行く先】…将来、行く末

■【見え(見ゆ)】…逢う、結婚する

■【む】…意志の助動詞「む」の終止形

■【未然形+ば】…~ならば順接の仮定条件

■【つらし】…つらい、いやだ

■【~とも】…~ても逆接の仮定条件

■【念ず(ねんず)】…我慢する

■【なのめ】…ありふれた、たいしたこともない

■【思ひなる】…思うようになる

■【~て】…~て単純接続

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

今日の古語詳解は、係助詞「」について☆

では行ってみよ~♪

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

先日、強調の係助詞「も」について説明いたしましたが
今回の「」も、まったく同類の係助詞なんですよ!

ヽ(゚◇゚ )ノ

 

係助詞というのは、

中学でも習う「ぞ」「なむ」「や」「か」「こそ」だけでなく、

 

この「は」「も」も、係助詞に分類されています。

 

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結びが終止形…というか、特に指定されない形なので、

現代の「こそ」などのように、係り結びの法則とはいえないのですが…


 

係助詞という品詞分類が、入試に出題されることもありますので、ぜひ覚えておいてくださいね♪

(o^-')b


 

さて、今回の係助詞「は」について☆

 

現代なら、主語を提示する「~は」という用法のみで考えてしまいそうですが、

古文の場合は、例に漏れず、幅が広くなってるんですよ!

(^人^)


 

【は】(係助詞)

①(特に取り立てて主題として示す)

 ~は

②(対比的に取り立てて示す)

 ~は、~の方は

③(内容を取り立てて強調・明示する)

 ~は

④(形容詞・打消「ず」等の連用形について仮定条件を示す)

 ~ならば

(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)

 


①~③の場合は、訳出の方向性としては同じなんですけど、

何のためにどういう意図で用いているのかを知ることで、

この文の位置づけをも理解することができます!



 

『限りと思はば、かくわりなきもの疑ひせよ』

訳)『もう最後と思うならば、このように理不尽な邪推するがいい』


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   ↑

この「」は、主語というよりも、

目的語の位置にあるのは、一目瞭然ですよね。


 

そして、以下にこう続きます。

 

『行く先長く見えむと思はば、つらきことありとも、念じてなのめに思ひなりて、…』


 

『限りと思はば、

  ↑↓

『行く先長く見えむと思はば、


 

この対比関係をとらえれば、左馬頭の意図が分かると思います。

 

②(対比的に取り立てて示す)

 ~は、~の方は

 

つまり、この「は」を用いることによって、

左馬頭は、妻に、「別れるのか?それとも続けるのか?」という対比を取り立てて提示しているんですね!

(o^-')b


 

このような用法、現代でも使います。


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※アニメ「のだめカンタービレ」での、黒木君のセリフ☆

 

大好きなのだめちゃんの作ったおみそ汁…

たとえマズくても、「おいしかったよ!」と訴えたいんですね;;

 

でも、正直者の黒木君は、ウソがつけません。

「ぼくは…」と言ってしまったことにより、

他のみんなは、マズいと言っていたことを、

対比的に取り立ててしまっちゃったんですねー^^;


 

現代文の「」は、日常あふれていますので、

どんな用法かなどということは、意識しないで用います。

 

なので、古文の中で、このように出てきたものを、

品詞の段階から意識していくことで、

現代文での「は」の使われ方も、再発見することにもつながるんですよ♪

(*^_^*)


 

ちなみに、前回出てきました「は」の用い方☆

   ↓↓

『かくおぞましく、いみじき契り深くとも、絶えてまた見じ』
訳)『このように気性が荒いならば、どんなに宿縁が深くても、もう二度と逢うまい』

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形容詞や形容詞型活用語の連用形

あるいは打消の助動詞「ず」の連用形について、

「~ならば」(仮定条件)を表すことがあります。


 

さらに、直前に格助詞「を」をともなって、

濁音化して「~をば」という形をとる場合もあります。

(※詳しくはこちら→


 

こういうの、参考書やノートにまとめたりして覚えるよりも、

生きた古文の中で理解していくほうが、身につきます。

 

それが、古文のセンスにつながっていくんですよ♪

 

(o^-')b

 

本日の「源氏物語」まとめ

 

■帚木181(原文)

「…『…限りと思はば、かくわりなきもの疑ひはせよ。行く先長く見えむと思はば、つらきことありとも、念じてなのめに思ひなりて、…』…」

     アップ

自力での現代語訳が難しい場合は、

下のリンクも復習してね♪

 

【帚木181-①】イラスト訳

【帚木181-②】イラスト解釈

 

 

 

本日の古語~過去記事リンク~

限りあり

ば(接続助詞)

かう・かく(指示語)

わりなし

見ゆ  見ゆ②

む(助動詞)  

つらし

ねんず(念ず)

なのめ

て(接続助詞)

(※その他重要古語一覧はこちら

 

 

あいでしたラブラブ