【帚木181-3】強調の係助詞「は」について
今日も勉強お疲れさま~
このブログは、難関大学受験から初歩の初歩まで、
古文を勉強していく方ならどなたでも、
「ふ~ん!」って思ってもらえる箇所があるように、
読み応えのある記事構成にしています。
ぜひ古文学習の日課としてご活用くださいね
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■【限り(かぎり)】…限度、最後
■【未然形+ば】…~ならば(順接の仮定条件)
■【かく】…このように(指示語)
■【わりなし】…無理に、どうしようもない
■【もの疑ひ】…邪推、嫉妬、懐疑
■【~は】…強調の係助詞
■【せよ】…サ変動詞「す」の命令形
■【行く先】…将来、行く末
■【見え(見ゆ)】…逢う、結婚する
■【む】…意志の助動詞「む」の終止形
■【未然形+ば】…~ならば(順接の仮定条件)
■【つらし】…つらい、いやだ
■【~とも】…~ても(逆接の仮定条件)
■【念ず(ねんず)】…我慢する
■【なのめ】…ありふれた、たいしたこともない
■【思ひなる】…思うようになる
■【~て】…~て(単純接続)
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今日の古語詳解は、係助詞「は」について☆
では行ってみよ~♪
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先日、強調の係助詞「も」について説明いたしましたが 、
今回の「は」も、まったく同類の係助詞なんですよ!
ヽ(゚◇゚ )ノ
係助詞というのは、
中学でも習う「ぞ」「なむ」「や」「か」「こそ」だけでなく、
この「は」「も」も、係助詞に分類されています。
結びが終止形…というか、特に指定されない形なので、
現代の「こそ」などのように、係り結びの法則とはいえないのですが…
係助詞という品詞分類が、入試に出題されることもありますので、ぜひ覚えておいてくださいね♪
(o^-')b
さて、今回の係助詞「は」について☆
現代なら、主語を提示する「~は」という用法のみで考えてしまいそうですが、
古文の場合は、例に漏れず、幅が広くなってるんですよ!
(^人^)
【は】(係助詞)
①(特に取り立てて主題として示す)
~は
②(対比的に取り立てて示す)
~は、~の方は
③(内容を取り立てて強調・明示する)
~は
④(形容詞・打消「ず」等の連用形について仮定条件を示す)
~ならば
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
①~③の場合は、訳出の方向性としては同じなんですけど、
何のためにどういう意図で用いているのかを知ることで、
この文の位置づけをも理解することができます!
『限りと思はば、かくわりなきもの疑ひはせよ』
訳)『もう最後と思うならば、このように理不尽な邪推はするがいい』
↑
この「は」は、主語というよりも、
目的語の位置にあるのは、一目瞭然ですよね。
そして、以下にこう続きます。
『行く先長く見えむと思はば、つらきことありとも、念じてなのめに思ひなりて、…』
『限りと思はば、
↑↓
『行く先長く見えむと思はば、
この対比関係をとらえれば、左馬頭の意図が分かると思います。
②(対比的に取り立てて示す)
~は、~の方は
つまり、この「は」を用いることによって、
左馬頭は、妻に、「別れるのか?それとも続けるのか?」という対比を取り立てて提示しているんですね!
(o^-')b
このような用法、現代でも使います。
※アニメ「のだめカンタービレ」での、黒木君のセリフ☆
大好きなのだめちゃんの作ったおみそ汁…
たとえマズくても、「おいしかったよ!」と訴えたいんですね;;
でも、正直者の黒木君は、ウソがつけません。
「ぼくは…」と言ってしまったことにより、
他のみんなは、マズいと言っていたことを、
対比的に取り立ててしまっちゃったんですねー^^;
現代文の「は」は、日常あふれていますので、
どんな用法かなどということは、意識しないで用います。
なので、古文の中で、このように出てきたものを、
品詞の段階から意識していくことで、
現代文での「は」の使われ方も、再発見することにもつながるんですよ♪
(*^_^*)
ちなみに、前回出てきました「は」の用い方☆
↓↓
『かくおぞましくは、いみじき契り深くとも、絶えてまた見じ』
訳)『このように気性が荒いならば、どんなに宿縁が深くても、もう二度と逢うまい』
形容詞や形容詞型活用語の連用形、
あるいは打消の助動詞「ず」の連用形について、
「~ならば」(仮定条件)を表すことがあります。
さらに、直前に格助詞「を」をともなって、
濁音化して「~をば」という形をとる場合もあります。
(※詳しくはこちら→ )
こういうの、参考書やノートにまとめたりして覚えるよりも、
生きた古文の中で理解していくほうが、身につきます。
それが、古文のセンスにつながっていくんですよ♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木181(原文)
「…『…限りと思はば、かくわりなきもの疑ひはせよ。行く先長く見えむと思はば、つらきことありとも、念じてなのめに思ひなりて、…』…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■限りあり
■わりなし
■つらし
■なのめ
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした