【桐壺59-③】「き」と「けり」の違い
おかえりなさいあいです。
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■あり
■すさび
■かかる
■にや
■見ゆ
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「にや」(=~であろうか)というのも、大切な文法ですが、
今後、何度も出てきますので…^^;
今日は、「き」と「けり」の違いについてお話したいと思います。
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【今回の和歌】
ある時はありのすさびに憎かりき亡くてぞ人は恋しかりける
同じ和歌の中に、種類の違う過去の助動詞がありますよね。
◆「き」…過去の助動詞
◆「けり」…過去・詠嘆の助動詞
どちらも、種類としては、過去の助動詞という位置づけです。
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では、「き」と「けり」の過去の違いを、もう少し掘り下げてみましょう。
◇「き」…直接体験の過去
◇「けり」…間接体験の過去
つまり、
・「き」…自分で見聞きしたことについての過去
・「けり」…人から聞いたりしたことについての過去
具体的には、
・「き」…日記や会話文に用いられる事が多い
(「~た」と訳出)
・「けり」…物語や説話などに用いられることが多い
(「~たそうな」と訳出)
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それなら…
和歌や会話などで、「けり」が出てきた時は、
いったいどのように訳出するのでしょうか??
ここで、「けり」の、もう1つの意味【詠嘆】が浮かびます。
☆和歌中の「けり」は 詠嘆☆
こういう法則だけ書いてある参考書もありますが、
国語力を培うあなたは、なぜそうなのか?という理由も含めて、理解して覚える必要があります!
あいでした
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■あり…ある、いる、生きている
■すさび…心がその方向に進むこと
■かかる…このような
■~にや…~であろうか
■見ゆ…見える、思われる
【原文】
「なくてぞ」とは、かかる折にやと見えたり。
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