【桐壺223-③】古文単語~「たまふ」とは?
こんばんはあいです。
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■【奏す(そうす)】…(帝や院に)申し上げる
■【長橋】…清涼殿から紫宸殿へ通じる板の長い橋
■【舞踏(ぶとう)】…宮中の儀礼の1つ
■【たまふ】…~なさる(尊敬の補助動詞)
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今日はこの中から、「たまふ」についてお話します☆
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「たまふ」は、源氏物語の初めから、何度も出てきておりましたので、今まで取りあげていなかったのですが、このブログでは、過去記事を辞書代わりにできるように、いろんな語を取りあげていきたいと思いますので、今日はあえて、「たまふ」について、ご説明しますね♪
「たまふ」という語を検証する時には、
自立語か、補助動詞か、また、四段活用か、下二段活用かを考える必要があります。
自立語というのは、それだけで1つの動詞になっている場合で、
補助動詞は、他の動詞について補助的に用いられるものです。
例)
大御酒たまひ、禄たまはむ。←自立語
起きあがりたまふ。←補助動詞
四段動詞は、ア段・イ段・ウ段・エ段の4つの段で活用する動詞です。
たまは / たまひ / たまふ / たまふ / たまへ / たまへ
この、活用してる部分だけを見たら、
「は・ひ・ふ・ふ・へ・へ」と活用していますね♪
これがハ行四段活用です。
それに対して、下側の二段、つまり、ウ段とエ段で活用する動詞を、下二段活用といいます。
たまへ / たまへ / たまふ / たまふる / たまふれ / たまへよ
「へ・へ・ふ・ふル・ふレ・へヨ」と活用しています。
「ル・レ・ヨ」とつきますが、活用してる部分の頭だけをみれば、「ふ」と「へ」ですよね?
これが、ハ行下二段活用です。
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【たまふ(四段活用)】
①(自立語)→お与えになる、お下しになる(「与ふ」の尊敬語)
②(命令形「たまへ」の形で)→いらっしゃい
③(補助動詞)→~なさる、お~になる(尊敬の補助動詞)
【たまふ(下二段活用)】
①(自立語)→いただく、頂戴する(「受く」「飲む・食ふ」の謙譲語)
②(補助動詞)→~させていただく、~ております(謙譲の補助動詞)
このように、「たまふ」は、よく出てくる分、使われ方もさまざまなので、単に、羅列的に覚えるのではなく、
■活用の種類はどうか
■自立動詞か補助動詞か
こういう文法的な特徴も、解釈のヒントになるんですね♪
(o^-')b
ただ、「~したまふ」という場合、
四段活用なのか、下二段活用なのか、判別がつかないこともありますよね~;;
(`・д´・ ;)
たとえば、
「~したまへば」
この場合の「たまへ」は、
【未然形+ば】なのか、【已然形+ば】なのか、によって、
尊敬の補助動詞「たまふ」の已然形とも、
謙譲の補助動詞「たまふ」の未然形とも、
どっちにもとれてしまいます><
じゃじゃじゃぁどうすればいいのぉ?
(°Д°;≡°Д°;)
実は、謙譲の場合は、ほとんどが会話や手紙の中で用いられ、地の文には出て来ません。
■直前直後をみて、文脈から判断する
文脈から、「~ば」が、確定条件なのか、仮定条件なのか、
また、会話文中なのか、地の文なのかを確認し、
文脈判断してください!
こういったことを総合的に考える力が国語力♪
(o^-')b
☆その他の重要古語☆
■「奏す」「啓す」についてはこちら→
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【古文】
と奏して、長橋より下りて舞踏したまふ。
今回の古文、一語一語、現代語訳できますか?
難しいようなら、イラスト訳や上の重要語句を復習してね♪
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あいでした