【夕顔232-2】基本の謙譲語~偏差値52☆
古文の用言・助動詞の活用を覚えたら、
次の関門は、敬語の識別です。
特に謙譲語の敬意方向は、何度も練習して身につけてね♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に執心し、女の家で一夜を明かした後、彼女を廃院に誘いますが、夜半、夕顔は物の怪に襲われて急死してしまいます。
【今回の源氏物語】
右近は、物もおぼえず、君につと添ひたてまつりて、わななき死ぬべし。
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル52 ☆
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右近は、物もおぼえず、君につと添ひたてまつりて、わななき死ぬべし。
問)傍線部の敬語の種類と敬意方向として、最も適当なものを一つ選べ。
1.尊敬語 右近から光源氏への敬意
2.謙譲語 光源氏から右近への敬意
3.丁寧語 右近から光源氏への敬意
4.謙譲語 作者から光源氏への敬意
5.尊敬語 作者から右近への敬意
「たてまつる」という古語を見て、
すぐに「敬語だな!」と分かれば、
第一段階はOK!
【たてまつる(奉る)】
【動詞:ラ行四段活用】
①差し上げる(「与ふ」「贈る」の謙譲語)
②お伺いさせる。参上させる(遣る」の謙譲語)
③召し上がる。お召しになる(「食ふ」「著る」の尊敬語)
④お乗りになる(「乗る」の尊敬語)
⑤~申し上げる(謙譲の補助動詞)
※Weblio古語辞典より
「たてまつる」は、
敬語のなかでも、尊敬・謙譲の両方の意味がある上に、
古文でもよく出て来る古語なので、
大学入試センター試験でも、出題される頻度は高いです。
ただし、
「~たてまつる」という補助動詞で用いられている場合は、必ず謙譲語となります!
…こういうことを、ちょっとずつ入れていくと、
古文の長文を読んでも、理解できることが
増えてくるんですよ!
(σ・∀・)σ
添ひたてまつりて、
(「~たてまつり」なので補助動詞⇒謙譲語)
1.尊敬語 ×
2.謙譲語 ○
3.丁寧語 ×
4.謙譲語 ○
5.尊敬語 ×
では、ここで敬意方向☆
添ひたてまつりて、
*地の文(会話文じゃない)なので、作者からの敬意
*謙譲語なので、動作の受け手(誰に寄り添ったか)への敬意
1.尊敬語(×) 右近から(×)光源氏への敬意
2.謙譲語(○) 光源氏から右近へ(×)の敬意
3.丁寧語(×) 右近から(×)光源氏への敬意
4.謙譲語(○) 作者から光源氏への敬意
5.尊敬語(×) 作者から右近へ(×)の敬意
【正解】…4