【帚木92-②】古典文法~「し」の識別☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木92-②】古典文法~「し」の識別☆

おはようございますラブラブあいです。

 

このイラスト解釈は、毎朝7時ごろに更新していきます。

途中からお越しの方は、【これまでのあらすじ】から♪



↓今日の源氏物語はコレ↓

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「…なよびかに女しと見れば、あまり情けにひきこめられて、とりなせば、あだめく。これをはじめの難とすべし。…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。ある五月雨の降る夏の夜、宮中の宿直所で、光源氏は頭中将(源氏の義兄)と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります。「品定め」とは、身分を定めるという意味。頭中将は、女性の身分を3つに分け、その品定めをします。左馬頭は具体的な女性の話をします。

今日は、「し」の識別☆では行ってみよ~♪
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「なよびかに女と見れば」の「し」の説明として正しいものを選べ。

 

1.動詞の連用形活用語尾

2.形容詞の終止形活用語尾

3.過去の助動詞の終止形

4.強意の副助詞


「し」の識別は、推薦入試等では基本事項として出題されています。

識別方法は、視点によっていろいろあるんですが、

今回は「し」の活用形で見分けていきましょー♪

(o^-')b
 

【「し」の識別】

 

■「し」が連用形の場合

 ・サ行変格活用動詞「す」の連用形

 ・サ行四段活用動詞「~す」の連用形活用語尾

 

■「し」が終止形の場合

 ・形容詞「~し」の終止形活用語尾

 ・助動詞「らし」「まほし「ごとし」「べし」等の一部

 

■「し」が連体形の場合

 ・過去の助動詞「き」の連体形

 

■「し」が活用しない場合

 ・強意の副助詞「し」



「し」の活用によって見分ける…ということは、

つまり、「し」の直後のつながりを意識するということなんです。


 

では具体的に見てみましょー♪

 

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例1.琴をほのかにかきなら給ふ。

 

 「し」の直後に着目。

 「給ふ」という用言に続いていますよね。

 「給ふ」は、「~し給ふ」という補助動詞になり、

 ここでの「かきならし」動詞の連用形です。

 


例2.おぼつかなとぞ思ふなる。

 

 「し」の直後に着目。

 引用の「と」があります。

 「トまるの原則」に従うと、直前の「~し」は、

 「おぼつかなし」という形容詞の終止形です。


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例3.式部の丈夫などいひがせなり。

 

 「し」の直後に着目。

 「~しが」「~しなり」というつながり。

 この場合の「し」は連体形になります。

 (※あとで説明しますね)

 また、「し」の直前が連用形という接続も、

 過去の助動詞を見分けるポイントです。


 

例4.はるばるきぬる旅をぞ思ふ

 

 「し」の直後に着目。

 「ぞ」でつながるので連体形みたいですが、

 「~ぞ思ふ」となっており、「し」がない方が

 つながりがいいですよね。

 このように「し」がなくても文意が通じる場合、

 「し」省略可能の副助詞と考えられます。

 

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このように、直後のつながりにより、「し」自体の品詞と活用形を見分けることが、まず第一の識別ポイント☆

(o^-')b


 

ちなみに、連体形であることを見分けるには、

 

①直後に体言(名詞)がくる

②直後に「が」「を」に」「より」がある

③直後に係助詞がある

 

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ただーし∑(゚Д゚)!

 

②③については例外もあるんで;

こういう覚え方ばかりに頼ってしまうと、

実践で解けないんですよね^^;



 

何度も書きますが、

古文は1つの識別だけで判断できるものばかりではありません;


 

上のような識別例として出てくる短文は、

オーソドックスなものばかりですが、

実際の入試問題は、そんな単純ではないはず。

 

特に、和歌などは、接続も見分けにくいのが常です><


 

なので、こうした「源氏物語」などで、実際の古文に接しながら、出てきたものから見分けられるようにしていくことが大切なんですよ♪

(o^-')b

 

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前置きが長くなりましたが、今回の場合☆


 

「なよびかに女と見れば」

 

 

直後に「と」があるので、「し」は終止形!?

…でも、「女」が直前にあるので…

(°Д°;≡°Д°;)


 

■「し」が終止形の場合

 ・形容詞「~し」の終止形活用語尾

 ・助動詞「らし」「まほし「ごとし」「べし」等の一部

 

なーんか;この見分けポイントにはあてはまらないような気がしますよねー;

(`・д´・ ;)



ここで…、

そう。あなたが文法問題集でがんばって練習してきた、


 

■「し」が連体形の場合

 ・過去の助動詞「き」の連体形

 

■「し」が活用しない場合

 ・強意の副助詞「し」

 


こちらの識別に目がいってしまいます。

 

シラー「お~!『し』は省略可能な副助詞じゃないかぁ!」


 

たしかに、


 

「なよびかに女と見れば」

     ↓

「なよびかに女と見れば」



うんうん。意味が通じそうです☆

 

・・・

・・・

 

・・・

 

と、ここが引っかけなんですね;

(;゚;∀;゚;)
 

実は…、


 

【女し(をんなし)】シク活用形容詞

いかにも女らしい


 

知らないですよねー(;゚;∀;゚;)


 

このような、古文単語集にも載ってないような単語の識別が、難関大学の入試問題では出てくる可能性があります。

 

その場合、多くの受験生は上のように引っかかってしまいます。


 

ですがあなたは、

 

「なよびかに女と見れば」

     ↓

「なよびかに女と見れば」

(なよなよと女と見ると)

 

うーん;訳出するとつながりが悪いか( ̄_ ̄ i)

     

こういう疑問を持つことから始めましょう♪


 

本番でいきなりやろうと思ってもムリムリ☆

 

ふだんの演習をこなしていき、

こういう引っかけ問題の落とし穴にハマらないよう、足場をかためていきましょうね♪

 

(o^-')b
 


今回の源氏物語イラスト訳はこちら→
 

 

あいでしたラブラブ

※夕方5時ごろに、【本日の重要古語】を更新しますね♪