「心が叫びたがってるんだ。」 ★★☆~狙い過ぎてて逆にシラける | そんなことより恋をしろ

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…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」



狙い過ぎてて逆にシラける

★★☆

心が叫びたがってるんだ。

(C)KOKOSAKE PROJECT




(2015年/日本/119分)

【 監督 】
長井龍雪

【 原作 】
超平和バスターズ

【 出演 】
水瀬いのり
内山昂輝
雨宮天
細谷佳正
藤原啓治
吉田羊




【あらすじ】

 幼い頃、地震のおしゃべりのせいで家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。彼女は、突然現れた“玉子の妖精”によっておしゃべりを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなる呪いをかけられてしまった。
 心を閉ざしたまま高校2年になった順は、学校の担任から“地域ふれあい交流会”の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、無気力な坂上拓実、野球部の元エース田崎大樹、チアリーダーの仁藤菜月という全く接点のない3人のクラスメイト。
 交流会の出し物はミュージカルに決定し、クラスは全然乗り魏ではなかったが、順たち実行委員の交流が深まるにつれ一致団結していく―


【コメント】

 三連休ともあろう楽しい楽しい休日なのに、こんな時に限ってなぜか目を惹く映画が公開されない。そんな土曜の夜、何かレイトショーで観たいなーとチョイスしたのが本作。
 本作は、涙を誘った2011年の名作アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の製作陣が再び贈る感動巨編ということで、ネットでも評判がすこぶるよさそうだし、よし久々に映画で泣いてみるかと「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。


心が叫びたがってるんだ。

(C)KOKOSAKE PROJECT



狙い過ぎてて逆にシラける

 あ~ごめんなさい、僕、全然ダメ、まったくもって泣けませんでした。
 (T_T)←こうなることを期待したのに、
 (・_・)←最後の最後までこんな表情でしたね、僕。
 なんか、泣かしにかかってきてるのが見え見えというか、「あ、これ確実に『あの花』ルートで狙ってきているな」と感じたあたりからどんどん気持ちがシラケちゃって全然共感できなかったですね~
 いや、決してつまらない話じゃないんです。それぞれのキャラがそれぞれの苦悩を抱えて、地域ふれあい交流会を通じてひとつ大人になっていくほろ苦い青春群像劇で、とても爽やかな心地のするアニメです。
 劇場に観に来ていた観客たちはまさにその世代ばかりの若者たちで、おじさんひとりぼっちの僕は少々肩身が狭かったですが、感じ方にジェネレーションギャップがあったのかも知れません。


クライマックスの盛り上がりに欠ける

 大号泣が期待できたはずのクライマックスであるミュージカルシーンも、どうも中途半端というか盛り上がりに欠ける展開でしたかね~
 ラストで順が意外な登場をする場面もどうも違和感アリアリで。本番すっぽかしたらクラスメイト総スカンですよ絶対。確実にいじめの対象になりますよ。だめですよ、あんなことしちゃあ。
 泣かせるなら泣かせるで、もっとクライマックスのミュージカルシーンはダイナミックに盛り上げてほしかったな~と。そこは順の心情とリンクする大事なシーンなわけだし、ちょっと肩透かしでしたね。


設定に凝り過ぎ、もっとシンプルでいい

 そもそも、お話の設定に凝り過ぎというか、ディテールを丁寧に仕上げているのは良い部分だと思いますが、細部にこだわり過ぎたせいなのか、クライマックスしかり全体的な抑揚がいまいち足りなかった気がしますね。ゆえに、劇中退屈した場面は何度かありましたしね。
 “タマゴの妖精”のアイデアも、なんかそれありきでストーリーが組み立てられた感じがして、おそらく本作の芯にあたる何かを象徴しているんだと思いますが、よく分からなかったです。
 ストーリー自体は全然悪くないのに、ディテールに凝り過ぎて全体を整えられていない感じがしましたね。もっとシンプルで良かったと思いますよ。


完全に「あの花」の二匹目のドジョウを狙った悪い例

 僕の勝手な想像ですが、「あの花」の大ヒットに気を良くしたフジテレビが「また『あの花』の路線で映画作ってくれや」との指令で作らされた感じがしてなりません。よくある“二匹目のドジョウ”狙いですね。
 ご多分に漏れず僕も「あの花」の最終回で号泣した口ですが、残念ながら本作は、あの最終回「メンマ見ぃーつけた!!!」の大感動には遠く及ばない感動であることは確かですね。


この路線でいくのか超平和バスターズ

 そんなわけで、「あの花」に続く“超平和バスターズ”原作による本作でしたが、にわかに若者を中心としたファンが急増していますね。
 これからもこの青春群像劇路線で突っ走っていくのでしょうけど、それはそれで全然アリだと思います。冒険やファンタジーなどのハチャメチャなアニメが大多数を占める中で、こういった等身大のドラマチックな展開をするアニメを専売特許として売りにしていくのも手だと思います。
 ただ、ムリに感動させようとか気合を入れて本作のようにスカしちゃわないように頑張ってほしいですね。新進気鋭のアニメ制作グループとして次回作に期待します。


心が叫びたがってるんだ。

(C)KOKOSAKE PROJECT



【2015年度 Myランキング】(10/10時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 サンダルの季節も終わりだな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
  2位:チャッピー ★★★★
  3位:フォックスキャッチャー ★★★★
  4位:映画 ビリギャル ★★★★
  5位:バクマン。 ★★★★
  6位:野火 ★★★★
  7位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
  8位:セッション ★★★★
  9位:プリデスティネーション ★★★★
 10位:キングスマン ★★★☆
  次点:おみおくりの作法 ★★★☆
     ナイトクローラー ★★★☆ 
     ムカデ人間3 ★★★☆


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:極道大戦争 ★
  2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
  3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★


<その他ランク外一覧>
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『心が叫びたがってるんだ。』公式サイトはこちら


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