「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
まさに平成の「まんが道」!!!
★★★★
(2015年/日本/120分)
【 脚本・監督 】
大根仁
【 原作 】
大場つぐみ
小畑健
【 出演 】
佐藤健
神木隆之介
小松菜奈
桐谷健太
新井浩文
皆川猿時
宮藤官九郎
山田孝之
リリー・フランキー
染谷将太
【あらすじ】
優れた絵の才能を持つ“サイコー”こと真城最高と、文才に長けている秀才の“シュージン”こと高木秋人。この二人の高校生は、漫画家になることを目指し、絶大な人気を誇る漫画雑誌“週刊少年ジャンプ”の門を叩く。
編集者・服部に才能を見出された二人は手塚賞に応募するが、そこには新進気鋭のライバルたちが立ちはだかる。そして、
同じ高校生で天才的な才能を発揮する漫画家・新妻エイジに二人はジャンプの頂点を賭けて対決する―
【コメント】
毎度映画館に足を運ぶ際はYahoo!映画をザーッと眺め、その週の目玉作品をピックアップしてあらかじめ目星を付けているわけですが、今週の目玉はこれだな~だけど原作読んだことね~な~と感じつつも鑑賞するに至ったのが本作『バクマン。』です。
存在自体は知っていたんですが、なにぶんジャンプを卒業して早や二十余年の月日が経っているので、果たしてついていけるかどうか心配しつつも劇場に足を運んだ次第です。
まさに平成の「まんが道」!!!
いやー面白かった!漫画家という題材を使ってジャンプのキーワードである“友情”“努力”“勝利”を見事に盛り込んだ、まさに“平成の「まんが道」”ともいうべき最高のサクセス青春ドラマでしたね!
本作の原作は読んでいませんが、それが逆に功を奏したのか、物語がすんなり入ってきて違和感はありませんでしたね。もっとも、サクセスストーリーにはありがちなトントン拍子の出世はうまくいき過ぎ感は否めませんが、そこは時間の制約もあるし許せる範囲。大根仁監督らしいポップな演出も輝いていてとても楽しめます。
なにより新進気鋭の若手俳優たちの競演もみどころで、主役である佐藤健と神木隆之介の絶妙なコンビプレイや、ライバルである桐谷健太、新井浩文、皆川猿時そして天才漫画家の染谷将太、編集者の山田孝之などなど、今を輝く俳優たちが生き生きとしていましたね。
エンドロールを見逃すな!
大根仁監督のセンスはエンドロールでも光り輝いていて、本作に関わったスタッフたちの退屈なロールを、あろうことか歴代のジャンプコミックスの背表紙でもって表現するという斬新な演出に驚きます。
よく思いつきましたよ、あれは。しかも「あの背表紙はあのマンガだ!」と分かっちゃうところが、週刊少年ジャンプの偉大さでもあるわけですね。
エンディングが始まっても絶対に席を立ってはいけません!エンドロールまで楽しめちゃう作品ですからね!
「まんが道」への多大なるオマージュ
僕は原作を読んだことがありませんが、藤子不二雄A先生の自伝的漫画である「まんが道」という作品は全巻コミックを所持していまして、何度も繰り返し読んじゃうくらい大好きなマンガなんです。
本作を観て感じたのは、筋書きの類似点が非常に多かったところで、主人公が二人組の漫画家という設定や、漫画の持ち込みから徐々に出世していくところ、良い意味でのライバルとの切磋琢磨した闘いや芽生える熱い友情、女の子との甘酸っぱい純愛模様となどなど、「まんが道」を思い起こさせるシーンが多々ありましたね。
実際、サイコーが一心不乱に漫画を描いている横の小さなフォトフレームには、「まんが道」の主人公である満賀道雄が「ワイの恋人はマンガや!」と叫びながら漫画を描いているワンシーンが貼られていて、本作が「まんが道」から多大なる影響を受けていることがよく分かりますね。
今も昔も変わらない、いばらの「まんが道」
本作「バクマン。」と「まんが道」の共通点として、今も昔も漫画家への道はいばらの道だな~と感じる部分ですかね。
日本マンガの創生期ともいうべき「まんが道」では、もともと漫画の才能がある若者たちが、出版社の編集者たちやライバルたちと切磋琢磨を重ねてさらなる磨きをかけて一人前になっていく物語で、本作でもそのストーリーが展開されています。
とてつもない才能を持った漫画家が登場したり、才能があるのに途中でまんが道を諦めて脱落していく者もいたり、あとから次々と新進気鋭の漫画家が誕生したりと、大物の漫画家になっても息を抜くことができない厳しい世界なんですね。
「まんが道」で例えるならば、主人公サイコーとシュージンは言わずもがな満賀道雄と才野茂、天才漫画家・新妻エイジは石森章太郎、まんが道を諦める中井巧朗は坂本サブローといったところでしょう。
今や漫画家なんてごまんとにいる漫画界ですから、「バクマン。」の世界は「まんが道」よりさらに厳しい世界なんでしょう。
世界に誇る“まんが”の火を消してはならない!
今やごまんといる漫画家、星の数ほどの漫画が存在する日本。そういったものたちがひしめき合い切磋琢磨した結果が、現在日本が世界に誇るポップカルチャー“まんが”なんですね。
本作ではジャンプでの読者投票1位を獲得するまでのサクセスストーリーを描いたものですが、その影には光りすら当たらないマンガ、漫画家たちが「次こそ俺の漫画が!」とチャンスを虎視眈々と狙っているわけです。実際、何が当たるかわからない世界ですからね。
中には光が当たらず脱落していった漫画家たちは多いと思います。しかし、そういった競争を繰り返してきたからこそ、“まんが”が日本の文化として世界的に認知されているわけで、更なる進化・発展を目指すために、今後も“まんが”の火は消してはならないと思いますね。
【2015年度 Myランキング】(10/4時点)
本作は、本年度のベスト10中5位(暫定)にランクイン。
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(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
2位:チャッピー ★★★★
3位:フォックスキャッチャー ★★★★
4位:映画 ビリギャル ★★★★
5位:バクマン。 ★★★★
6位:野火 ★★★★
7位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
8位:セッション ★★★★
9位:プリデスティネーション ★★★★
10位:キングスマン ★★★☆
次点:おみおくりの作法 ★★★☆
ナイトクローラー ★★★☆
ムカデ人間3 ★★★☆
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:極道大戦争 ★
2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★
<その他ランク外一覧>
96時間 レクイエムシン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日激戦 ハート・オブ・ファイトビッグ・アイズジョーカー・ゲームREC/レック4 ワールドエンドANNIE アニーミュータント・タートルズデッドハングマッハ!無限大アメリカン・スナイパーソロモンの偽証 前篇・事件AFFLICTED アフリクテッドシェフ 三ツ星フードトラック始めました余命90分の男ハネムーンイミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密エイプリルフールズジュピターソロモンの偽証 後篇・裁判バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ワイルド・スピード SKY MISSION寄生獣 完結編ザ・トライブ龍三と七人の子分たちシンデレラマッド・ナースラン・オールナイトZアイランドイニシエーション・ラブメイズ・ランナー新宿スワン予告犯ピッチ・パーフェクトインド・オブ・ザ・デッドトゥモローランドラブ&ピースマエストロ!アナベル 死霊館の人形アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンターミネーター:新起動<ジェニシス>バケモノの子リアル鬼ごっこスペシャルID 特殊身分HEROゴッド・ギャンブラー レジェンドジュラシック・ワールドミッション:インポッシブル ローグ・ネイション幕が上がる死霊高校テッド2ワイルドカードやるっきゃ騎士〈ナイト〉くちびるに歌を映画 みんな!エスパーだよ!さよなら歌舞伎町ピクセル進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールドピエロがお前を嘲笑う天空の蜂リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴンGONIN サーガアントマン新選組オブ・ザ・デッドカリフォルニア・ダウン
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