「天空の蜂」 ★★★~タイムリーネタだがメッセージは薄い普通のエンタメ | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」



タイムリーネタだがメッセージは薄い普通のエンタメ

★★★

天空の蜂

(C)2015「天空の蜂」製作委員会




(2015年/日本/138分)

【 監督 】
堤幸彦

【 原作 】
東野圭吾


【 出演 】
江口洋介
本木雅弘
仲間由紀恵
綾野剛
柄本明
國村隼
石橋蓮司
竹中直人
向井理
佐藤二朗
光石研
落合モトキ
やべきょうすけ
手塚とおる
永瀬匡
石橋けい
松島花




【あらすじ】

 1995年8月8日、自衛隊ヘリ“ビッグB”が遠隔操縦によりハイジャックされ、福井県にある原子力発電所“新陽”の上空で静止する。
 “天空の蜂”と名乗る犯人は、全ての原発の破棄を要求、さもなくば爆発物を大量に積んだビッグBを新陽に墜落させると声明する。
 ヘリの燃料が尽きるまでは8時間。ビッグBの開発者である湯原と原子力発電所設計士の三島は日本消滅の危機に立ち向かっていくが―


【コメント】

 シルバーウィーク最終日、楽しい5連休を締め括るのはやっぱり映画鑑賞だろうということで、目ぼしい作品群からチョイスしたのが本作。ネットでも評判が良さげだしね。
 連休中は買い物で都心に繰り出しまくってちょっと疲れたので、最後は近場で気楽に締めようということで「MOVIX昭島」に足を運んだ次第です。

天空の蜂

(C)2015「天空の蜂」製作委員会


タイムリーネタだがメッセージは薄い普通のエンタメ

 脱原発、実にタイムリーなネタですな。僕はまた、「原発反対!」のメッセージが織り込まれたアクションかと思ってみていましたが、メッセージとしては実に薄い、ごく普通のエンタメ系映画でしたね。
 僕は東野圭吾の原作は未読で鑑賞したのですが、社会派としての発想力やエンタメとしてのストーリーテリングは非常に面白いと思います。この原作が脱原発を叫ばれる十数年も前に書かれていたのは驚愕に値するもの、これは映画というよりも東野圭吾を褒めるべきでしょうね。
 その原作の言わんとしたことを、本作の映画監督である堤幸彦が映像としてしっかりと取り込んでいるかどうかは未読の僕としては定かではありませんが、スリリングな展開、ドラマチックな演出、観客に伝えるべきメッセージがどれも平坦で中途半端に終わってしまっているというのが正直な感想です。


どうしてもチャチに見える空中アクション

 本作のストーリー展開はもちろんのこと、滞空したビッグBで繰り広げられるスリリングな空中アクションも見どころのひとつですが、いかんせんCGモロばれの映像が目についちゃって、しかも演者たちからのサスペンスフルな演技がいまいち伝わってこない。
 空中からの子供救出作戦やクライマックスのビッグB墜落シーンなど、大仕掛けの見せ所にもかかわらず迫力がイマイチ。まあ、映像化できただけでも良しとするべきなのだろうか、この点に関してはまだまだハリウッドには及ばないといったところでしょう。


結局は“愛”に落ち着くというオーバーなドラマ

 どんなに派手なアクションやサスペンスものでも大事な人間ドラマの部分。
 邦画のエンタメはどうしても男女や親子の“愛”という普遍的なドラマパートがお好きなようで、ご多分に漏れず本作でもそれがドラマパートの核としてピックアップされていますが、僕はどうもこの短絡的な“愛”のドラマに興ざめしちゃうんです。結果的に本作のテーマである“原発”の是非という部分を曇らせてしまっている。本作に限ってはドラマパートを抑えて原発の部分を大きくピックアップすべきではなかっただろうかと思えてなりません。

決して“脱原発”は謳っていない、実は重要な問題提起

 3.11以降、国内では“脱原発”の声が高まっています。
 僕は本作をそれに便乗させたものだと思っていましたが、決してそんな浅はかなものではなかったのは良い部分だと思います。
 原発は一歩間違えば国ひとつ潰しかねない非常に危険なもの。しかしながら、昨今の生活には絶対に欠かせないものでもある。では、これだけ生活に浸透した原発から一体どうやって脱するのか?3.11のような想定外に事態にも耐えうる原発を構築するためにはどうすればよいか?
 原発の賛成・反対を叫ぶのはいいが、本作では両者ともまず腰を据えて冷静に議論しなさい、と言っているように思います。


久しぶりに見た本木雅弘は、まだまだイケメンだった

 本作のキーマン役であるモッくんこと本木雅弘ですが、なんか久しぶりに見たな~と。今年で御年50歳のモッくんですが、いや~まだまだイケメンですな。
 ジャニーズ出身の中でも数少ない演技派俳優ですが、最近とんと見なかっただけにその健在ぶりが拝見できて良かったです。
 数々の賞を受賞している彼ですが、本作をきっかけにまたどんどん映画に登場してほしいもんです。


天空の蜂

(C)2015「天空の蜂」製作委員会



【2015年度 Myランキング】(9/23時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 またちょいと風邪気味。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
  2位:チャッピー ★★★★
  3位:フォックスキャッチャー ★★★★
  4位:映画 ビリギャル ★★★★
  5位:野火 ★★★★
  6位:アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
  7位:セッション ★★★★
  8位:プリデスティネーション ★★★★
  9位:キングスマン ★★★☆
 10位:おみおくりの作法 ★★★☆
  次点:ナイトクローラー ★★★☆
     ムカデ人間3 ★★★☆ 
     テッド2 ★★★☆


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:極道大戦争 ★
  2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
  3位:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★


<その他ランク外一覧>
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