ラブ&ピース (評価:★★☆) | そんなことより恋をしろ

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『映画を観るよりもお前は恋をしろ恋を』
…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2015』の掲載にあたって」



ハジけ過ぎた園子温

★★☆

ラブ&ピース




(2015年/日本/117分)

【 脚本・監督 】
園子温

【 出演 】
長谷川博己
麻生久美子
西田敏行
渋川清彦
マキタスポーツ
深水元基
手塚とおる
奥野瑛太
長谷川大
谷本幸優
IZUMI
小倉一郎
真野恵里菜
神楽坂恵
松田美由紀
田原総一郎
水道橋博士
宮台真司
茂木健一郎
津田大介
星野源(声)
中川翔子(声)
犬山イヌコ(声)
大谷育江(声)




【あらすじ】

 ロックミュージシャンになる夢が破れ楽器の部品会社で働く冴えないサラリーマンの鈴木良一。気が小さいあまりに、同僚の寺島裕子に想いを寄せながら、未だロックミュージシャンの夢を捨てきれずにいた。
 ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメを手に入れ“ピカドン”と名付け友達のようにかわいがる。ピカドンにロックミュージシャンになる夢を語り続けた良一だったが、過ってピカドンをトイレに流してしまう。
 後悔の念に苛まれる良一だったが、なぜかとんとん拍子にロックスターの道を歩み始める。そしてピカドンは下水道を通り、地下に住むしゃべるおもちゃ達に囲まれた謎の老人に拾われる。
 良一とピカドンは、やがて数奇な運命を辿ることになるのだが―


【コメント】

 6月に鑑賞した『新宿スワン』を皮切りに、2015年は園子温監督作品が計4本も公開されるという、まさに園子温イヤーともいうべき年でして、本作『ラブ&ピース』はその第2弾であります。とはいえ、『新宿スワン』やこれから公開予定の『リアル鬼ごっこ』『映画みんな!エスパーだよ!』が言わば“雇われ監督”であるのに対し、本作は正真正銘唯一の園子温印作品のようです。
 公開館数こそ少ないものの、「これぞ園子温!」という作品が観られるとあって、さっそく新宿はTOHOシネマズまで足を運んだ次第です。

ラブ&ピース


ラブ&ピース


ラブ&ピース


 ・・・う~ん、ちょっと張り切り過ぎたか園監督。僕はダメでした・・・
 全体的な雰囲気としては、おとぎ話的なファンタジー溢れる物語で、それに昨今の園作品の手法であるドタバタ展開でクライマックスに見事にハジけ飛ぶ花火大会みたいな展開を踏襲していますね。それにちょっと哀しい感動的なストーリーやクライマックスの『ガメラ』さながら昔懐かしい特撮シーンもプラスされていて、観客の心を掴んできます。
 主演の長谷川博己も『地獄でなぜ悪い』に負けず劣らずハジけてますし、西田敏行もベテランの風格を漂わせた味わいのある良い演技してますし、麻生久美子もほとんどセリフがないにもかかわらず存在感を見せつけています。マキタスポーツや深水元基、真野恵里菜、嫁さんの神楽坂恵などの園作品常連も登場して、まさに園色に染まった作品だと思います。 ネットでも評判が良いようで、ええ。
 ただね~、僕としてはハジかたが散漫だったというか、どうも今回ついていけなかったんですよね~。カメの名前を“ピカドン”と名付けるなんて、明らかに本作にある社会的テーマを伝えているように思えてならないんですが、どうもその辺が伝わってこない。主人公とカメとの交流を中心にしたかったのか、はたまた麻生久美子との純愛を描きたかったのか。西田敏行が中心となる“おもちゃの国”のお話についても、クライマックスで明かされる老人の正体こそ「あ~なるほどね」と感じたものの、作品全体での位置付けが結局なんだったのかワケワカメで。
 正直、ドタバタ展開が空回りしているような気がして途中で飽きちゃいましたね。

ラブ&ピース


ラブ&ピース


ラブ&ピース


 雇われ監督のうっぷんを本作にぶつけすぎたのか、今回の園印作品は僕的にはちょっと頂けないものでしたかね。監督のオファーが殺到して、逆に本作に十分な力を注げなかったのかも知れません。それでも、作中でワイルド・リョウが「全力歯ぎしりレッツゴ~♪」を歌っていたのはクスッと来ましたけどね。
 そんなわけで、僕はこの後に公開予定の『リアル鬼ごっこ』『映画みんな!エスパーだよ!』に期待をしております、はい。


【2015年度 Myランキング】(6/28時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 邦画の元気がないな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
  2位:チャッピー ★★★★
  3位:フォックスキャッチャー ★★★★
  4位:映画 ビリギャル ★★★★
  5位:セッション ★★★★
  6位:プリデスティネーション ★★★★
  7位:ザ・トライブ ★★★☆
  8位:Zアイランド ★★★☆
  9位:イニシエーション・ラブ ★★★☆
 10位:ピッチ・パーフェクト ★★★☆
  次点:シンデレラ ★★★☆
     龍三と七人の子分たち ★★★☆ 
     アメリカン・スナイパー ★★★☆



(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:極道大戦争 ★
  2位:ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
  3位:ソロモンの偽証 後篇・裁判 ★★


<その他ランク外一覧>
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