「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
タイムスリップ系SFの良作
★★★★
(2014年/オーストラリア/97分/Predestination)
【 監督 】
マイケル・スピエリッグ
ピーター・スピエリッグ
【 原作 】
ロバート・A・ハインライン
【 出演 】
イーサン・ホーク
サラ・スヌーク
ノア・テイラー
【あらすじ】
1970年11月6日。謎の連続爆弾魔の脅威にさらされているニューヨーク。
とある場末のバーで働くバーテンダーの前に若き青年ジョンが現れる。ジョンはバーテンダーに自身の生い立ちを話すが、なぜかバーテンダーはジョンのことを知っていた。
バーテンダーは実は時空を行き来して犯罪を未然に食い止めるエージェントで、上司の命によりジョンを救済する指令を受けていた。
時標変界キットを作動させると、そこは1963年4月2日、“ジョンがまだ女性ジェーンだった頃”にタイムスリップし、人生を狂わせた恋人に復讐するために動き出す。
一方で、バーテンダーは連続爆弾魔を追うが、そこには思いもよらぬ結末が待ち構えていた―
【コメント】
毎月1日は映画サービスデー。消費税8%になってから1100円になってしまったものの、1日が日曜日であるこの日に映画を観に行かないわけにはいかないぜ!と、何か目ぼしい作品はないかと物色しチョイスしたのが本作。
何やらありふれたSF感はあったものの、1100円で観られるならば多少外してもアリというのが、映画好きである僕の映画サービスデーの利用の仕方なのです。というわけで、公開劇場数が比較的少ない中で大雨の中、近場の映画館に向かった次第です。
やられました、良い意味で。タイムスリップ系SF映画の良作ですよ、これ。
予告やポスターからの推測で、時空を行き来して悪者を追い詰めていくといった、よくありがちなテンポのいいアクションSFかと思っていたんですが、全然違いました。本作は、とある女性の救われぬ半生をタイムスリップしながら紐解いていくというSFドラマで、さらに言うと、オープニングで起こった事件の真相がクライマックスでのどんでん返しで明らかになるというサスペンスフルな展開もあって、上映時間が短いながらもワクワク感が止まらない非常に面白い作品でした。
SF映画にありがちなノー天気なアクションものと違い、全体的に暗く哀しく寂しげな雰囲気が漂っていて、この空気が僕の肌に合ったのかも知れません。話も決して複雑なものじゃなく、タイムスリップはあくまで手段として使われるので、むしろ登場人物の哀しき半生を描いた人間ドラマというべきなのかも知れませんね。これは映画というよりも原作がいいんでしょう、きっと。未読ですが。
もう歳を取ってしまうと、エンタメ系のアクションバリバリなSF映画よりも本作のような暗めでドラマチックなSFのほうが見応えがあるな~と感じた一作でした。万人受けする映画じゃないけどね、だから劇場数も少ないんだろうなと。
クライマックスのどんでん返しのネタバレはしませんが(感のイイ人はもしかしたら読めるかも)、サスペンスSFドラマとして十分に見応えがある良い作品でした。こんなタイムスリップ系SFもっと観たいですな。
【2015年度 Myランキング】(3/1時点)
本作は、本年度のベスト10中2位(暫定)にランクイン。
ランキングがイイ感じになってきた。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:フォックスキャッチャー ★★★★
2位:プリデスティネーション ★★★★
3位:アメリカン・スナイパー ★★★☆
4位:マッハ!無限大 ★★★☆
5位:ミュータント・タートルズ ★★★☆
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:デッドハング ★★
2位:ジョーカー・ゲーム ★★☆
3位:96時間 レクイエム ★★☆
<その他ランク外一覧>
シン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日激戦 ハート・オブ・ファイトビッグ・アイズREC/レック4 ワールドエンドANNIE アニーAFFLICTED アフリクテッド
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