「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
破天荒なステイサムを期待するとハズレ
★★☆
（2014年／アメリカ／92分／Wild Card）
【 監督 】
サイモン・ウェスト
【 出演 】
ジェイソン・ステイサム
マイケル・アンガラノ
マイロ・ビンティミリア
ドミニク・ガルシア＝ロリド
ソフィア・ベルガラ
【あらすじ】
ラスベガスの裏社会で用心棒を生業とする元兵士のニック。裏を知り尽くした百戦錬磨の腕前とは裏腹にギャンブル依存症だった。
ある日、何者かに酷い暴行を受け瀕死の重傷を負った元恋人から、犯人の正体を突き止め復讐してほしいとの依頼される。犯人ドニー・デマルコというマフィアで、ニックはいとも簡単に叩きのめしてしまう。
報酬でギャンブルをし、大金を手に入れたニック。その陰で、ドニーがニックに復讐を目論む―
【コメント】
今やハリウッドを代表するキン肉マン・ジェイソン・ステイサム。
毎度切れ味鋭い格闘アクションを毎度見せてくれ、ヒゲヅラでハゲちゃっている容姿とは裏腹に非常にイケメンでセクシー。
今年1月に公開された本作ですが、明らかにB級っぽくて劇場での鑑賞は控えたものの、そんな彼のアクションをまた観てみるかと、TSUTAYAで借りてみた次第です。
あくまでハードボイルド、破天荒なステイサムを期待するとハズレ
ステイサムといえば、なんと言ったって「トランスポーター」シリーズや「アドレナリン」シリーズで観る、バカ設定で脳みそも筋肉でできてんじゃねーのってくらいに破天荒な全開アクション。最近は「エクスペンダブルズ」シリーズでのスライの良き相棒役が印象的。やっぱり彼のトレードマークは肉体を駆使したアクションなわけです。
では、本作ではどうだったか。残念ながらそれを期待して観るとハズします。本作でのステイサムはあくまでハードボイルドに徹していて、さらにギャンブルとアルコールに依存する影を持っている。もちろん、得意の格闘アクションの見せ所は抑えているが、決してトランスポーターやアドレナリンのようなブチ切れスーパーマンのようなものではない。
僕的には、こんなハードボイルドなステイサム嫌いじゃないですけどね。それなりには楽しめましたが、物足りなさは否めなかったです。
依存症から抜け出せないドラマ部分が唐突過ぎ
上でも書いたとおり、主人公ニックは凄腕の格闘術を持ちつつも、アルコールとギャンブル依存に悩んでいる哀しき男という設定なんです。
おそらくは、そういったドラマな部分とアクションを交錯させて、ステイサムの新たな魅力を引き出そうとしたのが本作の狙いだったんじゃないか思うんですが、ぶっちゃけその設定、映画の途中まで全然分からなかった。途中で始まるカジノでのブラックジャック勝負で「あ～そういう設定なのね主人公」ってのを理解する。随分と唐突に始まったな～と。ムリヤリねじ込んだと感じるくらい。
これは、監督の演出不足と言わざるを得ませんな。
ぶっちゃけ「午後ロー」で十分
トータルで感想を言えば、ステイサムの魅力は半減、展開もイマイチという凡百なB級アクション映画ということになりますか。まあこんなもんか、という予想とあまり乖離しない出来ではありましたね。
僕からのアドバイスとしては、本作はB級映画の殿堂「午後ロー」の“ステイサム特集”で放映されるのを待て！というところに落ち着きます。
しかしステイサムは相変わらずカッコいい！
とはいえ、ハードボイルドなステイサムもカッコいいし、見せ場は少ないものの格闘アクションは相変わらずキレ味がよろしい。
前半の大男を相手に繰り広げるバトルや、クライマックスの、フォークとスプーンで敵をバッタバッタとなぎ倒していくアクションは、相変わらず見せるな～かっけぇな～と感心しますね。
バート・レイノルズ版と見比べるのも一考
ちなみに本作、1986年のアメリカ映画『ビッグ・ヒート』というタイトルで一度映画化されており、主役があのバート・レイノルズなんです。
僕の年齢ならバート・レイノルズはお馴染みのハリウッドスターで、「キャノンボール」シリーズや『ロンゲスト・ヤード』『トランザム7000』などで名を馳せた一流スターだったんですね。最近全然観ませんが。歳だしね。
さすがにレイノルズがステイサム張りのアクションをやることはありませんが、見比べてみるのも面白いんじゃないかと思いますね。
というか、DVD自体出てるのかどうか微妙ですが。
以上。
残念ながら、ステイサムの魅力は十分に引き出せてはいないものの、ハードボイルドな彼もカッコいいです。
この路線で、さらに味のあるアクションスターに成長していってもらいたいです。
【2015年度 Myランキング】（8/29時点）
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
雨ばっかり。
（ベスト）… ★★★☆以上が基準
１位：マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
２位：チャッピー ★★★★
３位：フォックスキャッチャー ★★★★
４位：映画 ビリギャル ★★★★
５位：野火 ★★★★
６位：アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
７位：セッション ★★★★
８位：プリデスティネーション ★★★★
９位：ナイトクローラー ★★★☆
１０位：リアル鬼ごっこ ★★★☆
次点：ザ・トライブ ★★★☆
Zアイランド ★★★☆
イニシエーション・ラブ ★★★☆
（ワースト）… ★★☆以下が基準
１位：極道大戦争 ★
２位：ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
３位：進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★
＜その他ランク外一覧＞
96時間 レクイエムシン・シティ 復讐の女神神様はバリにいるバンクーバーの朝日激戦 ハート・オブ・ファイトビッグ・アイズジョーカー・ゲームREC／レック4 ワールドエンドANNIE アニーミュータント・タートルズデッドハングマッハ！無限大アメリカン・スナイパーソロモンの偽証 前篇・事件AFFLICTED アフリクテッドシェフ 三ツ星フードトラック始めました余命90分の男ハネムーンイミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密エイプリルフールズジュピターソロモンの偽証 後篇・裁判バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)ワイルド・スピード SKY MISSION寄生獣 完結編龍三と七人の子分たちシンデレラマッド・ナースラン・オールナイトメイズ・ランナー新宿スワン予告犯ピッチ・パーフェクトインド・オブ・ザ・デッドトゥモローランドラブ＆ピースマエストロ！アナベル 死霊館の人形アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンターミネーター：新起動＜ジェニシス＞バケモノの子スペシャルID 特殊身分HEROゴッド・ギャンブラー レジェンドジュラシック・ワールドミッション：インポッシブル ローグ・ネイション幕が上がる死霊高校ワイルドカード
『ワイルドカード』公式サイトはこちら
ワイルドカード ブルーレイ&DVDセット（初回限定生産/2枚組） [Blu-ray]
にほんブログ村
映画 ブログランキングへ