「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
スマートで残酷、だけどカッコいいスパイヒーロー
★★★☆
（2014年／イギリス／129分／Kingsman: The Secret Service）
【 製作・監督 】
マシュー・ヴォーン
【 出演 】
コリン・ファース
マイケル・ケイン
タロン・エガートン
マーク・ストロング
ソフィア・ブテラ
サミュエル・L・ジャクソン
マーク・ハミル
【あらすじ】
イギリス・ロンドンのある高級スーツ店“キングスマン”。その実体は、どこの国にも属さない無国籍スパイ機関で、今なお秘かに活動を行っている。
キングスマンのエリートスパイであるハリーは、仲間の一人が惨殺されたことから新人をスカウトすることになり、かつての仲間の一人息子であり今は街のチンピラに成り下がっていたエグジーに可能性を見出し候補生として抜擢する。
エグジーの訓練とともにハリーは科学者の失踪事件を調査しており、やがて首謀者ヴァレンタインに近づいていく。ヴァレンタインは前代未聞の人類抹殺計画を進めており、計画の妨げとなるハリーを無き者にしようと企んでいた―
【コメント】
さて、『キック・アス』のスマッシュヒット以降、日本でも秘かにマニア人気のマシュー・ヴォーン監督。そんな監督の待望の新作がいよいよ公開、それが本作『キングスマン』であります。
巷での前評判も上々のようで、「『キック・アス』が好きな人ならば必ず楽しめる！」とのこと。なんせ本作は、スパイアクションを謳っておきながら『キック・アス』と同様“R15+指定”を受けているということなので、一体どんな映画なのかと楽しみにして劇場「立川シネマ・ツー」に足を運んだ次第です。
新たなスパイヒーロー誕生！スマートで残酷、だけどカッコいい面白映画
いやー前評判通り、確かに面白かった！
イギリスのスパイ映画といえば「007」シリーズですが、ジェントルマンがスマートに人類の危機に立ち向かうスパイアクションという同じ設定でありながら、「007」シリーズのそれとは全く違った空気とクセを持ったスパイアクション映画です。
「007」よりもハチャメチャで、“R15+指定”どおり体が真っ二つになったりナイフでザクザク切り刻んだりと血しぶきが舞い踊る残虐なシーンもあり、それでいてイギリス紳士の名に恥じないスマートさを持ったメチャクチャカッコいいスパイヒーローの誕生を垣間見れる面白アクションです。
前半忙しないが後半の盛り上がりがハンパない！
映画の展開としては大きく前半と後半に分かれます。僕の勝手な切り分けですが。
前半はベテランエージェント・ハリーと、しがない街のチンピラ・エグジーとの出会い、そしてキングスマンになるべく厳しい特訓を受けるエグジーのストーリーと、人類殲滅計画を企てるヴァレンタインの調査というストーリーです。
僕は正直、前半部分は忙しなく展開するし、それでいてさしたる盛り上がりもないので少々退屈してしまいました。あ～このまま最後まで行っちゃうのかな～と。
しかし後半、主人公だったはずのハリーのまさかの“退場”から、平坦だった前半が一気に盛り上がっていく。この盛り上がり方が尋常じゃないわけで、特にクライマックスの敵地での無双アクションはとにかく圧巻の一言です。
教会の“ハリー無双”とクライマックスの“花火”は圧巻の一言！
僕が選ぶ本作最大の見どころは、なんといっても教会で繰り広げられる大殺戮“ハリー無双”と、クライマックスでセレブどもの首が次々と吹っ飛んでいく“花火”のシーン。もうね、これに異論を唱える人はいないでしょう。この2シーンはまさに圧巻の一言です。
操られていたとはいえ、ハリーの殺しのテクニックをノンストップでいかんなく発揮される“ハリー無双”はゾクゾクするほど迫力があるし、“花火”シーンはとにかく不謹慎ながら笑ってしまうくらい凄い。「たーまやー！」と叫びたくなるほどに鮮やか。
クライマックスの“エグジー無双”ももちろん見応えはありますが、やっぱり本作はこの2シーンに支えられていると言っても過言ではないでしょう。
義足の殺人マシーン・ガゼルの迫力アクション
本作における出色のキャラといえば、やっぱりヴァレンタインの右腕である義足の殺人マシーン・ガゼルのほかありませんね。思わずなんじゃこりゃとこぼさずにはいられない、いかにもマンガチックで、それでいて本作で最も美しくて残酷なキャラ。
クライマックスの対エグジーとのバトルも、まるでカンフー映画を観ているようで手に汗握ること必至のシーン。
ガゼルが本作だけなのは正直もったいなさ過ぎるくらいの強烈なキャラです。そして、ヴォーン監督の発想力に脱帽させられますね。
早くも続編決定！次の舞台は日本か？
本作のヒットを受けて、ヴォーン監督は早くも続編のシナリオを執筆中とのこと。
監督が断言。『キングスマン』続編の舞台は日本！
http://cinema.pia.co.jp/news/167916/64090/
大の日本好きとして知られるヴォーン監督なので、日本が舞台だろうときっと面白い映画を作ってくれるに違いありません。だけど、『キック・アス』みたいに続編を他の監督に任せないでね！
【2015年度 Myランキング】（9/13時点）
本作は、本年度のベスト10中9位（暫定）にランクイン。
なんか皮膚にブツブツできた・・・
（ベスト）… ★★★☆以上が基準
１位：マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆
２位：チャッピー ★★★★
３位：フォックスキャッチャー ★★★★
４位：映画 ビリギャル ★★★★
５位：野火 ★★★★
６位：アゲイン 28年目の甲子園 ★★★★
７位：セッション ★★★★
８位：プリデスティネーション ★★★★
９位：キングスマン ★★★☆
１０位：ナイトクローラー ★★★☆
次点：ムカデ人間３ ★★★☆
テッド２ ★★★☆
リアル鬼ごっこ ★★★☆
（ワースト）… ★★☆以下が基準
１位：極道大戦争 ★
２位：ストレイヤーズ・クロニクル ★☆
３位：進撃の巨人 ATTACK ON TITAN ★★
＜その他ランク外一覧＞
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